この白川南通は、かつては細い道を挟んでお茶屋が建ち並ぶ地域でした。ただ、第二次世界大戦当時、空爆の疎開対策の為、白川の北側の家々は強制撤去されたという理由から、このように祇園の中でも比較的広い通りになっているのだとか。
祇園白川は伝統的建造物群保存地区として守られ、昔の情緒を残した美しい町家がみられるエリアです。石畳とその脇になびく枝垂れ柳、そして道路に面した犬矢来(いぬやらい)が、更に京都らしい風情を私達に感じさせてくれることでしょう。
犬矢来とは、京都以外の町並みでも見られますが、写真右手前の湾曲した竹で出来た低い柵のことです。雨などの跳ね返り等の汚れから建物の損傷を防ぐ目的があります。文字通り、犬等小動物のトイレから守る役目も。機能性はもちろん、白川南通の景観も更にアップしてくれます。
こちらは祇園とは切っても切れない縁のある歌人、吉井勇の「かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる」という有名な一首を刻んだ「かにかくに」の歌碑。
祇園をこよなく愛した歌人であり、こちらの歌碑は吉井がよく通ったとされるお茶屋「大友(だいとも)」の跡地に建っています。
この歌にちなんで名付けられた「かにかくに祭」が、毎年歌碑が建立された11月8日に吉井勇を偲んで祇園の年中行事として行なわれています。当日は、芸妓・舞妓さんが歌碑に菊の花を献花し、お茶やお蕎麦の席が設けられておもてなしをしてくれるんですよ。
吉井勇の歌にある「かくかくに」とは、”とにもかくにも〜”というような意味のようです。
前述の通り白川南通は「かにかくに」と縁が深い街。折角なので同じ名前である、お茶屋ダイニング「かにかくに」でランチはいかがでしょうか?
こちらのお店は白川沿いの通りに面しており、白川にかかる四季の移り変わりを身近に感じられるお店。もともとは、この吉井勇が宿として過ごしたお茶屋だったそうですよ。
ランチは3150円からいただけます。
こちらは舞妓御膳のお重です。京野菜や旬の素材を取り入れたコースを楽しむことができます。デザートをいただき、最後はお抹茶をいただいてほっこり。
おいしく食事をいただいて窓から外の景色を眺めていると、舞妓さんのはんなり歩く姿が視界に入ってきました。舞妓さんはやはり大人気。見つけた観光客の方が、すかさず写真をお願いしていました。私も・・・と思わず思いましたが、食事中なので我慢我慢。白川南通の景色に舞妓さんの姿がとてもよく似合います。
こちらのお店では舞妓さんの舞をみるプランが、また姉妹店のペンションでは舞妓さん変身プランもあるようです。ご興味がある方はぜひ確認してみてくださいね。
お店を外から眺めてみました。お店のすぐそこに白川が流れている感じなのがお分かりでしょうか?
秋の紅葉の時期は、白川沿いの紅葉と白川に流れる落ち葉で風情がいっぱい。京都らしい落ち着いた雰囲気を味わうことできますよ。
この写真左手前の大木の脇に木札が立てられており、気になって見てみると”区民誇りの木「シダレザクラ」”と書いてありました。区民誇りの木とは、次世代に伝えていきたい木を区民の代表者と専門家からなる委員会において選定された名誉ある木。確かに、幹も太くて立派で選定されるのに相応しい名木かと思われます。
実は白川南通は桜の名所でもあり、春の桜が満開の頃に訪れれば、この区民誇りの木のシダレザクラを筆頭に、息を呑むような美しさに心を奪われてしまうはずです。
「かにかくに(とにもかくにも)」、白川南通をのんびり散策してみませんか?敷居高いと思われた祇園も、ちょっと身近に感じられ、満喫できること間違いなしです。区民誇りの木である「シダレザクラ」を発見することをお忘れなく!
■祇園かにかくに
住所:京都市東山区 花見小路末吉町西入る北側 草園館1F
電話:075−561−5879
阪急河原町駅:1番出口より徒歩5分
京阪四条駅:7番出口より徒歩3分
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(2023/12/6更新)
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