海へ10秒!客室は教室!しまなみ海道・大三島ふるさと憩いの家

海へ10秒!客室は教室!しまなみ海道・大三島ふるさと憩いの家

更新日:2015/04/06 18:36

鮎川 キオラのプロフィール写真 鮎川 キオラ 子どもの好奇心を育てる旅育ライター、ホテル朝食研究家
蒼く輝く瀬戸内海の海辺に佇む木造校舎。すぐ目の前の砂浜までは、歩いてほんの10秒ほど。海と山に囲まれた自然豊かなかつての学び舎は、しまなみ海道を訪れる旅人の宿舎「大三島ふるさと憩いの家」として活躍しています。はじめて訪れた方も、懐かしく感じるのは、木のぬくもりのせいでしょうか。いえ、誰もが心にある子供の頃の思い出が浮かぶからかもしれません。瀬戸内海に浮かぶ島の学校に泊まってみませんか。

しまなみ海道・大三島で懐かしい木造校舎に泊まる

しまなみ海道・大三島で懐かしい木造校舎に泊まる

写真:鮎川 キオラ

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「大三島ふるさと憩いの家」は、子供の減少などによる統廃合によって昭和61年に廃校となった旧宗方小学校の木造校舎をリノベーションし、泊まれる小学校として再利用されています。教室を区切り、畳敷きの客室にしたり、宿泊者用の浴場やシャワー室を取り付けた以外は、ほぼ当時のままとなります。窓枠も下駄箱も雑巾がけ競争が盛り上がりそうな長〜い廊下もすべて木製でぬくもりいっぱいの木造校舎そのまんまです。

ここ大三島は、愛媛県今治市に属する島で、広島県尾道市から今治市をつなぐしまなみ海道沿いにある6つの島の中で一番大きな島となります。

この島には、全国にある大山祇神社の総本社があることから「神の島」とも呼ばれています。神の島の子供たちが過ごした学び舎は、木のぬくもりと瀬戸内海からの優しい潮風に包まれています。

「今宵のお部屋は校長室でございま〜す」

「今宵のお部屋は校長室でございま〜す」

写真:鮎川 キオラ

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泊まれる小学校は、全国各地にありますが合宿などの団体利用のみの場所もあります。こちらは、元教室を区切り2名様用の個室から、合宿など大人数で宿泊可能な大部屋と利用人数に合わせた客室を用意しています。少人数の旅行者もワイワイ大人数でも気軽に泊まれる小学校と言えます。

客室の入口には、「校長室」「保健室」などの札がぶら下がっています。「今宵の部屋は校長室!!」なんて気分だけ偉くなった気持ちになりますが、実際の部屋は、元教室を回収した同じタイプの和室となります。

では、どうして元教室に「校長室」なんて札がかけられているかと言うと、映画「船を降りたら彼女の島」のロケ地として使用された際に雰囲気を出すために用いられた小道具をそのまま残しているそうです。映画は、木村佳乃さん主演で瀬戸内海の美しい風景と共にこちらの建物も映し出されているので、ご覧になってからお出かけになるとより一層、感動すると思います。

徒歩10秒で砂浜!!瀬戸内海の穏やかな風景が目の前!!

徒歩10秒で砂浜!!瀬戸内海の穏やかな風景が目の前!!

写真:鮎川 キオラ

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小学校や中学校などは、高台にあるイメージが強いのですが、こちらは校庭のすぐ目の前が砂浜です。教室から飛び出して、ほんの10秒ほどで瀬戸内海に浮かぶ小島の多島美を堪能できるんです。沖合には、しまなみ海道最長の来島海峡大橋を望むこともできます。

卒業生のお話ですと、休み時間となると真っ先にこの砂浜へ飛び出して遊んだそうですよ。砂浜の100mほど先には堤防があるのですが、そこまで泳げるかよく競争したそうです。なんとも島育ちならではのワイルドな休み時間ですね。

海の中をそっーと覗いてみると沢山のお魚が泳いでいます。宿泊者の中には、こちらで一日中釣りを楽しむ方、夏には海水浴をする家族連れも多いそうです。

夕食はお魚たっぷり島ごはん♪

夕食はお魚たっぷり島ごはん♪

写真:鮎川 キオラ

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いよいよ夜になれば、お待ちかねの夕食(ん?給食)の時間です。宿泊代は、1泊2食付でお一人6,000円(税別)からとリーズナブル。そう聞くと食事には過度な期待をしないものですか?

夕食には、瀬戸内海の潮の流れに揉まれてキュッと身のしまった地魚料理がいただけます。お勧めは、1泊2食8,500円(税別)の波の穂コースです。地魚や魚介のお造り、煮物、塩焼、から揚げとお魚づくし。焼き魚に添えられたレモンやお造りの醤油も地元で作られたものを利用しています。濃口の醤油がこりゃまた美味いんです。

板場を担当するご主人は、大山祇神社の唯一指定旅館として参道で料理旅館「茶梅」を営む大将のご兄弟になるそうです。

夜は、潮風がそっと吹く廊下で「たそがれタイム」

夜は、潮風がそっと吹く廊下で「たそがれタイム」

写真:鮎川 キオラ

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日が暮れて、優しい光が灯り始めるとまたいいんです。建物が醸し出すノスタルジックな雰囲気はまさに最高潮!!

思えば、夜の学校って、昼間の雰囲気とはガラッと印象が変わります。青空の下とはまた違う、夜の学校にワクワクドキドキした経験ありませんか?学園祭などの準備で遅くまで居残った教室、部活が終わっても恋バナで盛り上がった部室、憧れの先輩が帰るのをひたすら待った校庭。なんかそんな甘酸っぱい青春時代をふと思い出してしまうほど情緒たっぷりなんです。

特に海から気持ちの良い潮風が吹いてくる廊下に腰をおろしての「たそがれタイム」が一番。頬をなでる潮風にうっとりしてしまいますよ。天気のいい日は、満点の星空を仰ぐこともできます。

しまなみ海道で思い出に残る旅を

しまなみ海道へ訪れるなら、個性豊かな島の民宿や個人経営の宿泊施設に泊まってみることを強くおすすめします。瀬戸内海が大好きなオーナーさんのおもてなしは、島のよさを再発見し、思い出に残る交流ができるからです。今回紹介した「大三島ふるさと憩いの家」もそのひとつ。懐かしい木造校舎に泊まれば、まるでここが自分のふるさとのように感じてしまう。優しいぬくもりいっぱいの宿へぜひお泊まりください。

【大三島 ふるさと憩いの家】
愛媛県今治市大三島町宗方55208-1
0897-83-1111(受付8:00-21:00)
※個人経営の宿舎となるので、現在旅行代理店からのご予約はできません。宿泊予約は、直接宿へお問い合わせください。個人手配旅行は割高になるとご心配の方は、往復交通付で帰着日の延長ができる個人旅行型の旅行プランを活用してお泊まりになるとお得です。

掲載内容は執筆時点のものです。

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