写真:那須 マッキー
地図を見る山道をドライブして、沼っ原湿原駐車場に到着すると、最初に大きな湖のような「沼っ原湿原貯水調整池」が目に飛び込んできます。日本で最初の揚水式発電用の貯水池です。沼っ原湿原の西側、約7キロメートル先にある「深山ダム湖」の水を、夜間にポンプで沼っ原湿原貯水池まで汲み上げて、昼間に「沼っ原貯水調整池」(上池)と「深山ダム」(下池)の落差500mを利用して一気に放流し、発電をしています。この規模の「揚水式ダム」としては、世界最大規模だそうです。
写真:那須 マッキー
地図を見る沼っ原湿原の西方にある、深山ダム湖(下池)は、総貯水量2.580万トン、総発電量67万5.000キロワット。発電施設は地中にあり目にすることは出来ませんが、深山ダム湖の入り口奥にある「森の発電おはなし館」で、その仕組みをジオラマなどで知る事が出来ます。
また、新緑に覆われる春〜夏だけでなく、秋の紅葉シーズンは、山肌を彩る木々のグラデーション(「三段染め」と呼ばれています)が、特に見事です。また、深山ダム湖の近くにある「深山園地の展望台」からの眺めは、絶景スポットとして特に人気があります。
写真:那須 マッキー
地図を見る沼っ原湿原駐車場から山道を500mほど、時間にして15〜20分歩くと湿原に到着します。最後の100mは1段の高さが約20cmの階段が100段あります。「沼っ原湿原」は標高が1,230m、周囲16km、面積7haの湿地帯。「尾瀬沼」よりずっと規模は小さいですが、充分にその雰囲気はあじわう事が出来ます。湿原内は木道が周回してあり、一周約30〜40分程度で散策できます。
正面に見える山は「三倉山」で、その後ろ側には、江戸情緒を今に残す「大内宿」の会津下郷町があります。沼っ原湿原からは、当然迂回しなければ行けませんが、直線距離だと僅か10kmという近さです。
写真:那須 マッキー
地図を見る春を待ちかねた草花が芽吹き始める頃、一般観光客に混じって、完全装備の登山家さん達とすれ違う事があります。遊歩道のずっと先、三斗小屋方面を目指す人達です。腰には「熊よけ鈴」を付けているので、一見して分かります。この場所は、那須登山道の一つにもなっています。
■上の写真の下中央に見える、白い卵状のものが『黒山椒魚』の孵化する前の様子です。
写真:那須 マッキー
地図を見る晩春5月初旬から6月は、絶滅危惧種に指定されている『黒山椒魚』や『モリアオガエル』の産卵や孵化の生態を見る事が出来る貴重な季節です。
沼をよ〜く観察すると、黒山椒魚の孵化する前の状態や、沼一面を覆う「モリアオガエル」の卵で埋め尽くされています。凄い数ですよ!!
また、沼っ原湿原は高山植物の宝庫で、四季を通じて230種類の草花が確認されています。4月のザゼンソウから始まり、5〜6月にはミネザクラ、ハルリンドウ、レンゲツツジ、ズミ、アカハナシモツケソウ、コバイケソウ、ニッコウキスゲ、ノハナショウブ、7〜8月はモウセンゴケ、エゾリンドウ、タムラソウ、そして秋の紅葉へと咲き移ります。どれもメジャーな花ばかりです。
■上の写真は生まれたばかりの「黒山椒魚」の様子です、二匹が水草に絡みついています(ちょっとグロテスクですね)。
沼っ原湿原(ぬまっぱら湿原)は、自然が手つかずで残る動植物の宝庫です。大自然の素晴らしさを気軽に体験する事が出来る、お薦めのスポットです。おいしい空気と美しい風景は那須高原で一番の”おもてなし”かもしれません。
■『沼っ原湿原』は冬季期間(12月初旬〜4月下旬)は、豪雪により閉鎖となります(閉鎖期間はその年の天候状況により、若干変動することがあります)。
●沼っ原湿原への行き方
■東北自動車那須インターチェンジからは約24km(車で約40分)
■黒磯板室インターチェンジからは28km(車で約50分)
●那須ハイランドゴルフクラブのほぼ向かい側に沼っ原湿原へ向かう、市道入り口があります。
●カーナビを設定する場合は「那須ハイランドゴルフクラブ」を目標にすると、沼っ原湿原入り口が分かり安いです。
●深山ダム湖への行き方
東北自動車道黒磯板室ICから約22q(約45分)、那須ICから約25q(約50分)、西那須野塩原ICから約30q(約60分)
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(2024/9/18更新)
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