四国最西端!佐田岬へ美しい夕陽に会いに行こう♡

四国最西端!佐田岬へ美しい夕陽に会いに行こう♡

更新日:2014/09/08 13:59

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
愛媛県の地図を見ると、八幡浜の上あたりに細長い半島が突き出ています。それが佐田岬半島です。日本一スリムで、風の強い半島としても有名!その風を利用した風力発電所もあります。

この風薫る半島を通るのが国道197号線!この道「佐田岬メロディーライン」という美しい名前もついていて、海抜200m前後の尾根沿いを走る道路からは、海を見下ろすことができます。この絶景は、ここならでは♪そして夕陽もまた秀逸!

潮風薫る紺碧の海峡へ!まずは爽快ドライブ♪

潮風薫る紺碧の海峡へ!まずは爽快ドライブ♪

写真:村井 マヤ

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佐田岬へ行くには、愛媛県八幡浜の市街から国道197号線をひた走る!ゆるやかなカーブ、海と風の洗礼を受け、絶景を眺めながらのドライブは最高です♪途中もっとも細いところでは、道路の両側に海が望めるんですよ!

佐田岬メロディーラインを30km走ると、三崎港!すこぶる美しい海の色と岬アジや岬サバなど海の幸も楽しめます。九州と四国を結ぶフェリーの発着港、九州大分へは1時間10分ほどの船旅で行けますよ!
三崎港から佐田岬までは、県道256号線をくねくね走ります。右に瀬戸内海、左に宇和海が現れ、小路ドライブを続けます。30分ほどで、佐田岬の駐車場へ!

車を置いて、さあ灯台へGo!強烈な潮風の歓迎も受け、いよいよ絶景へ・・。

片道20分の灯台への道のり・・その苦労は必ず報われます♡

片道20分の灯台への道のり・・その苦労は必ず報われます♡

写真:村井 マヤ

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まずは、椿山展望台を目指しましょう!椿の樹が多く、途中海浜性植物などが生い茂る道のり。

遊歩道は、アップダウンが激しく、なかなか険しい・・。灯台までは片道20分ですので、夕陽を眺めようと思ったら、帰りの時間も考えて計画を立てましょう!美しい絶景にぼんやりしていたら、帰りは真っ暗な道を通ることになるので、気を付けて!

でも、時々ちらっと見える紺碧の海が、ハートに火をつけますよ!予想以上に登ったり、下ったりの道。灯台に行って駐車場に戻るまでに膝が笑ってしまうかもしれませんね。

椿山展望台からは、佐田岬灯台や遠く九州大分の佐賀関半島を見ることができます。この豊予(ほうよ)海峡は、宇和海と瀬戸内海伊予灘が出会う!海の色も微妙に違いますよ。

大日本帝国陸軍の要塞・豊予要塞があった佐田岬!

大日本帝国陸軍の要塞・豊予要塞があった佐田岬!

写真:村井 マヤ

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椿山展望台からは、灯台はもう目と鼻の先です。

ここ佐田岬には、戦争中に豊予(ほうよ)要塞の一部として4つの砲台が設置されました。現在では砲台を見学することはできませんが、佐田岬灯台付近からその一部を断崖絶壁に見ることができます。

また、椿山展望台には、第2次大戦まで使用されていた移動式探照灯格納庫と環状路がありますよ。これも戦争の遺構ですよね・・。

『深く静かに潜航せよ』(ふかくしずかにせんこうせよ 原題:Run Silent, Run Deep:1958:アメリカ映画)をご存知ですか?クラーク・ゲーブル、バート・ランカスターが出演している戦争映画です。

舞台は、太平洋戦争中の豊後水道で、日本海軍の艦隊の動向を探る米海軍潜水艦ナーカ号と、これを追いかける日本海軍の「豊後ピート」とあだ名される駆逐艦「秋風」が、さまざまな駆け引きをしながら戦うというもの。この映画自体はフィクションですが、原作者エドワード=ビーチは、海軍中佐で自分の体験を元にしてこの物語は書かれています。物語自体は、潜水艦を扱った小説の古典として評価が高いものです。

太平洋戦争も中頃になると、この映画のように、米軍の潜水艦が、ひんぱんに豊後水道周辺で偵察活動を行っていたとのこと。これは広島県の呉に連合艦隊の停泊地があり、ここから外地に向けて出てゆく艦船がよく豊後水道を通過していたからなのです。また、逆にここを敵に突破されれば、本土の奥深くまでの侵入を許すことになるため、豊後水道は国防上大変重要な海峡だったのでしょうね。

陸軍は、豊後水道沿岸の佐賀関、佐田岬、鶴見半島に大口径の大砲を据える要塞の建設に着手したのです。

今では、美しい海と潮風が出迎えてくれる豊後水道・・。戦争中は、潜水艦が行き来していたなんて信じられませんよね。

豊後水道の難所・「魔の黄金碆」を照らす光は、船舶安全の守護神!

豊後水道の難所・「魔の黄金碆」を照らす光は、船舶安全の守護神!

写真:村井 マヤ

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佐田岬の灯台は、20秒に3回閃光し、光量は64万カンデラ!35kmまで届く光です。灯台は高さ18m、灯高49m。「日本の灯台50選」にも選ばれています。

対岸にあった、関埼灯台(大分県)とともに豊後水道を照らす灯台として建設。関埼灯台のレンズなどを一式移設して大正7(1918)年から点灯!!

佐田岬の南沖合650m付近に黄金碆(おうごんばえ)という岩礁があります。潮流が速く座礁が絶えないことから、1950年9月に灯柱が設置されました。しかし、保守作業が大変危険を伴うものであったため、1976年に佐田岬灯台から岩礁を照射する方式(黄金碆照射灯)に変更されました。この岩礁は、魔の黄金碆とも言われています。

『三崎町誌』の「黄金碆と海賊」によると、この黄金碆に権現様が悪神達を閉じ込めて黄金色に輝くようにしたとのこと。こうすることで人々が近寄らない目印にしたのです。ところが、この界隈を荒らしていた海賊が本当の黄金と思って、剥ぎ取ってしまったというのです。それからは、光ることなく沢山の船が座礁しました。そのため、船乗りたちはここを「魔の黄金碆」と呼んだというお話。

このお話は、この豊後水道が流れが速い難所であること、岩礁が多いことで航行するには大変な場所であることを、示しているのでしょうね・・。

灯台の絶景に感謝♡・・海に残った夕陽の足跡に感激!!

灯台の絶景に感謝♡・・海に残った夕陽の足跡に感激!!

写真:村井 マヤ

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四国最西端の灯台は、北緯33度20分35.0分、東経132度0分53.7秒。灯台に着くと「よう来たのう」という文字が迎えてくれます。

遊歩道はかなりタフな道のりなので、ぐったり疲れますが、雄大な景色の出迎えには何もかも忘れてしまいます。

灯台での眺望を瞼に焼き付けて、日没寸前に駐車場に戻りましょうね。

沈みゆく夕陽に、そっと「ありがとう」と囁いて・・。素敵な風景にも感謝♪優しい気持ちになって灯台を後にしましょう♪

佐田岬へはちょっとだけ覚悟して!

佐田岬灯台への遊歩道は、意外に険しい道のりです。スニーカーなど歩きやすい靴で!荷物も、カメラや飲み物、タオルなど最低限の持ち物をたすき掛けバックかリュックなどにしまい、両手が使えるようにするといいでしょう。服装は、短パンでも構いませんが季節によっては草も生い茂っていますから、虫よけスプレーなどを使用するといいでしょうね。

アップダウンも激しいので気を付けて下さい!

でも、美しい景色を見たら疲れが吹き飛んでしまいますよ♪それだけの絶景をお約束します。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/01 訪問

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