日本と台湾の歴史の舞台「中山堂」で憩いのカフェタイムはいかが?

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日本と台湾の歴史の舞台「中山堂」で憩いのカフェタイムはいかが?

日本と台湾の歴史の舞台「中山堂」で憩いのカフェタイムはいかが?

更新日:2014/09/15 14:00

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア

台北市内の繁華街、西門町エリアにひっそり佇む「中山堂」。日本統治時代に建てられた旧台北公会堂で、戦後、日本が台湾から撤退する際に降伏調印式が行われた歴史的な場所として知られています。現在も市民の文化交流の場として活用され、当時の趣きを残す茶芸館&カフェが人気を集めています。日本と関係が深く、一度は訪れておきたい「中山堂」をご紹介します。

日本統治時代の名建築

日本統治時代の名建築

写真:吉川 なお

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中山堂は昭和天皇の即位を記念して発案され、1936年(昭和11年)に4年の歳月をかけて完成しました。鉄筋コンクリート造りの4層式で耐震、耐火、耐風面に優れ、大小のホールとレストラン、娯楽室、理髪室、貴賓室、厨房やエレベーターを完備した市民のための集会所でした。設計したのは台湾総督府の営繕課所属の井出薫で、台北師範大学の礼堂や二二八国家記念館なども手がけた建築家です。
日本が撤退した後は中華民国政府所有となり、「台北中山堂」と名前を変えて国民大会の会場や迎賓館として使用されてきました。現在も音楽会、舞台上演などを催す文化会館として多くの市民に利用されています。「中山」とは台湾で国父と呼ばれる孫文のことで、庭に彼の銅像が立っています。終戦後に日本の統治が終了したセレモニーが行われたことから、前の広場には抗日戦争勝利紀念碑もあります。

正面に立って眺めると、そのどっしりした存在感に圧倒されます。玄関に車寄せを備え、外壁には台湾の北投焼の浅緑タイルが使われています。テラスの手すり部分に施された紅陶という赤褐色のタイルがアクセントになり、窓にはスペインのイスラム様式のデザインが取り入れられています。
正面入口を入ると、天井を彩る白と黒の格子状の模様が美しいロビーがあります。白い柱に彫刻されている梅の花は、日本統治時代には菊の花が型どられていました。「中正庁」と呼ばれる蒋介石の本名を冠した大ホールでは、総統の就任式など重要な行事が行われました。

日本の歴史を見届けた場所

日本の歴史を見届けた場所

写真:吉川 なお

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太平洋戦争に敗れた日本は台湾を放棄することになり、1945年9月25日、その調印式が2階にある「光復庁」で行われました。「光復」というのは、台湾が日本の植民地支配から解放されたことを表す言葉で、この名前がつけられたホールで当時の19代台湾提督安藤利吉と中華民国代表陳儀の間で降伏文書が交わされ、この時をもって日本による台湾の統治は終わりを告げました。ここはまさに大きく歴史が変換した場所、日本による台湾統治の終焉を見届けた場所となったのです。

和のムード満載『臺北書院』

和のムード満載『臺北書院』

写真:吉川 なお

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現在、中山堂には2階にカフェ『堡壘珈琲』、3階に茶芸館『臺北書院』、4階にカフェ『蔡明亮珈琲走廊』が入居しています。それぞれ趣きが全く異なる癒しの場で、観光客にも人気です。

和の雰囲気を感じる『臺北書院』は、華道や茶道、書道、音楽などを通して台湾文化を学ぶ茶芸サロンで、「禅」を意識した和室で定期的に講座が開かれています。茶芸館として使われているのは廊下部分と2つの畳の座敷で、生花が活けられた落ち着いた空間で厳選された台湾茶を飲むことができます。

クラシカル&レトロなムード満載『堡塁珈琲』

クラシカル&レトロなムード満載『堡塁珈琲』

写真:吉川 なお

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『堡塁珈琲』はかつての貴賓控え室だったところで、当時の高貴な雰囲気がそのまま残されています。台湾の初代総統、蒋介石夫人の宋美齢が親しい人を招いてお茶を楽しんだという専用のティールームがあり、そこを見学することもできます。店内とは扉で仕切られただけなので、訪れた際にはぜひ見学を。
かつて蒋介石夫妻が民衆に手を振っていたテラスにも出られます。テーブル席も用意されているので、季節がいいときはお勧めです。

レトロなムードが漂うこの店の看板メニューは、意外にもスペイン料理。パエリアやリゾットなど見た目美しく味も満足の料理が並びます。お得なビジネスランチタイムは月曜〜金曜の11:30〜14:00、アフタヌーンティータイムは14:30〜17:00となっています。街の喧騒から離れて静かな時を過ごせます。

アートのムード満載『蔡明亮咖啡走廊』

アートのムード満載『蔡明亮咖啡走廊』

写真:吉川 なお

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『蔡明亮咖啡走廊』は台湾を代表する映画監督・蔡明亮がプロデュースするアート感覚あふれるカフェです。店名の通り、中山堂の細長い廊下がカフェに転用されています。奥が見えないくらい長い空間に1組ずつテーブル席が配置されていて、隣席がない分、自分の世界に浸ることができます。一見殺風景ですが、壁面にはセンスあふれる品々が飾られています。これらは監督が自ら選んだアートや骨董品で、年代を感じるアンティーク品も多く、思わず夢中で見てしまいます。ファンだけではなく、台湾の若者たちの間でも居心地がいいと人気のカフェです。

西門町に来られたらぜひ!

賑やかな西門町の中にありながら、中山堂の中では驚くほど静かな時間が流れています。歴史の現場でもある日本統治時代の遺構は現在、国家二級古跡に指定され、台湾の人たちによって大切に保存されています。
時代を感じるクラシカルな雰囲気の中で、この建物が歩んできた歴史に思いをはせながら時を過ごしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/22 訪問

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