写真:盛 千夏
地図を見るバルセナ・マジョールは、人口わずか100人弱の標高495メートルの村です。
村の建物は全てカンタブリア地方の独特の石造り。保存状態は抜群で、1979年にはカンタブリア州で初めてスペインの国家遺産(Patrimonio Nacional)に指定されました。
バルセナ・マジョールの歴史は古く、村内には一部ローマ街道も残っていますが、この村が歴史の舞台に現れるのは中世になってから。
近年は人口流出が激しく、一時は過疎の村となりましたが、村全体の修復に努め、現在カンタブリア州の村としては、アルタミラ洞窟のあるサンティジャーナ・デル・マール(Santillana del Mar)、同じく石造りの村Cabuerniga(カブエルニガ)につぎ、3番目に観光客の多い村です。
また、トレッキングルートの起点としても重要で、多くのアウトドア派スペイン人に愛される村でもあります。
写真:盛 千夏
地図を見るバルセナ・マジョールへのアクセスは、カンタブリアの州都サンタンデール(Santander)からがオススメ。
レンタカーの場合は、サンタンデール→トレラベガ(Torrelavega)のルートが最短距離になります。村内は車両通行禁止なので、村の外れにある駐車場に車を停めることになります。
公共の交通機関を使う場合は、サンタンデールからバスでカベソン・デ・ラ・サル(Cabezón de la Sal)という町まで行き、ここからタクシーを利用しましょう。カベソン・デ・ラ・サルからバルセナ・マジョールまでは約30キロ(30分)。車窓からは、スペイン北部らしい深緑の山々や、放牧中の牛や羊を見ることが出来ます。
カベソン・デ・ラ・サルのタクシー会社「Taxisal」(タクシサル)
住所:Calle Virgen del Campo, 0 39500 Cabezón de la Sal, Cantabria, Spain
電話番号:649 09 30 37(国番号が必要な場合は+34をプラス)
写真:盛 千夏
地図を見るバルセナ・マジョールには、現代的な建物は1つもありません。ほぼ全てが19世紀に建てられた、カンタブリア地方独特の木と石の家屋です。これらの家屋は地階は家畜のための納屋、2階から上が住居となっています。
昔ながらの手工芸品の店を覗きながら、情緒溢れる石畳の村内をゆっくり散策すると良いでしょう。村内は車両通行禁止なので、ステキな写真が撮れること間違いなしです。また村の教会は17世紀に建築され、18世紀のバロック様式祭壇画は必見です。
運が良ければ、映画のワンシーンのような羊飼いや羊の群れ、牧羊犬を見ることも出来ます。
写真:盛 千夏
地図を見るカンタブリア州を訪れたら是非試して欲しいのが「コシード・モンタニェス」(Cocido Montañés)。こちらの煮込み料理は、スペインの他の地方では殆ど見かけない食べ物で、有名なマドリードのコシード(Cocido Madrileño)とは名前は似ていても非なるもの。
白いんげん豆、ベルサ(日本ではカラード・グリーン)と呼ばれるキャベツの仲間、チョリソ、モルシージャ(豚の血のソーセージ)、豚バラ肉、豚の脂身が材料の煮込み料理。材料から想像出来るように、カンタブリアの厳しい冬の寒さに耐えるための高カロリー食です。
コシード・モンタニェスは、大きな銀のボールに2皿分以上の量が「自由にお代わりどうぞ」とサーブされます。この煮込み料理の後にお肉料理などを食べるのですから、スペイン北部人の胃袋は相当な物です。
もし煮込みや豆料理が苦手であれば、狩猟が盛んなバルセナ・マジョールならではのジビエをお試しあれ!
写真:盛 千夏
地図を見るカンタブリア地方は、海にも山にも恵まれた土地です。
バルセナ・マジョールは一見山奥の村のように見えますが、大西洋までは40キロの距離。村の土産屋には、カンタブリア名物のアンチョビも販売されています。日本で購入する物に比べ、身が厚く塩気の中にもカタクチイワシの旨味がぎゅっと詰まっています。持ち運びに便利な缶詰もあるので呑兵衛さんへのお土産にはパーフェクトです。
バラマキ系のお土産ならば、ロカ(Roca)と呼ばれるサクサクの一口サイズパイや、四角いマドレーヌのような物、ソバオ(Sobao)がGOOD。畜産の盛んな土地らしく、バターの風味たっぷりです。
スペイン北部は日本からのアクセスはさほど良くありませんが、レンタカーを借りて小さな村々を回り、スペイン北部の美しい景色とグルメを満喫する旅は、日本人がイメージするエキゾチック・スペインとは異なった魅力があります。
公共機関を利用の場合は、電車よりバスが断然オススメです。日本ではまだ余り知られていないスペイン北部を是非楽しんで下さい。
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この記事を書いたナビゲーター
盛 千夏
スペイン生活20年目に突入した、ちゃきちゃきの江戸っ子。スペイン歴の始まりは、アイルランド留学中にバケーションで訪れたアンダルシア地方。その後スペインの友人に誘われ、「火祭り」、「パエリア」、「トマト…
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