写真:阿部 吾郎
地図を見るマラッカの中心地、オランダ広場からマラッカ川にかかった橋を渡ると、ジョンカーストリートに到着です。ショップハウスと呼ばれる長屋が連なる通りで、多くのショップやレストランが立ち並ぶメインストリートです。この通りから2軒ほど路地に入った場所に「ジェイマニック」があります。プラナカンの伝統衣装ニョニャクバヤとビーズシューズの専門店で、地元のプラナカンに愛されているお店です。
写真:阿部 吾郎
地図を見る「ジェイマニック」の店内です。店内に飾られている服がプラナカンの伝統衣装、ニョニャクバヤです。パステル調の色使いと精緻な刺繍が特徴の半透明のブラウスです。スカートの役目をするサロンという腰巻とともに着用するのが、プラナカン女性の正装です。
さて、ここでプラナカンに関して、「マレー半島・美しきプラナカンの世界」(イワサキチエ・丹保美紀著・株式会社産業編集センター発行)より、要約してご説明します。
プラナカンとは、「この地に生まれた子」という意味のマレー語で、15世紀ごろからビジネスチャンスを求めて中国から渡ってきた人々の子孫を指し、今でもマラッカ・ペナン・シンガポールに存在します。中国から渡ってきた人たちは、地元の女性と結婚し、その子孫は言葉、工芸品、衣装、食事などにおいて、中国とマレーの文化が融合した、独特の文化を持つようになりました。
そんな彼らのことを、現地の人々は、男性を「ババ」、女性を「ニョニャ」と呼び、彼らを総称して「プラナカン」と呼びます。
写真:阿部 吾郎
地図を見るニョニャビーズシューズは、直径1ミリ程度のビーズを手作業で縫い付けて、精緻な絵柄を描き出すプラナカンの伝統工芸品で、マレー語で「カス・マネ」と呼ばれています。ニョニャの花嫁修業には欠かせないものとされ、3代にわたって使えるよう丁寧に心を込めて作られました。
「ジェイマニック」には、様々な種類のビーズシューズが売られています。ビーズのサイズが小さくなるほど絵柄も細かくなり、値段も高くなります。高価なものは、日本円にして約7万円前後です。しかし、一人の職人が3か月をかけて1足を仕上げるとのことですので、十分にその価値はあると言えます。
もちろん、もう少しお手軽な価格のものもあります。
写真:阿部 吾郎
地図を見るビーズのひとつひとつを確認してみてください。驚異の職人技を感じることができます。ビーズの色使いも、同系統の色でも微妙に違っていてグラデーションが表現されていることがわかります。
写真:阿部 吾郎
地図を見る今回の取材にもご協力いただきました、オーナーのジョイスさんです。生粋のプラナカンで、とても気さくで気品のある方でした。
マラッカを訪れた、是非「ジェイマニック」に立ち寄ってみてください。購入しなくても、見るだけでも十分に価値があります。
ニョニャビーズシューズやクバヤを扱うお店は、マラッカの市内に数軒ありますので、それぞれのお店の特徴を比較しながら見て歩くのも面白いでしょう。
ジェイマニック
住所: No.23, Jalan Hang Lekir, 75200 Melaka
営業時間:10:00〜18:00(土曜日は20:00まで)
休業日:不定休
*今回は特別な許可をいただき店内を撮影させていただきました。店内は撮影禁止ですのでご注意ください。
マラッカは2008年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。15世紀から20世紀のポルトガル、オランダ、イギリスによる植民統治時代の建物が多く残る魅力的な街です。
さらにプラナカンの伝統文化が、この街の魅力高めています。
マレーシアの首都クアラルンプールから、車で2時間ほどで到着します。是非訪れてみてください。
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(2023/11/30更新)
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