神話の里高千穂を歩く 後篇

神話の里高千穂を歩く 後篇

更新日:2012/11/19 15:48

2012年は古事記編纂から1300年にあたる年。これを機会に日本人のルーツに思いを馳せようと、天孫降臨の地とも言われる神話の里、宮崎県の高千穂を訪ねました。

前篇では高千穂観光のメインエリアを回りましたが、後篇では、より神話の世界の色が濃厚な天岩戸エリアをご紹介します。

荘厳という表現がぴったりな天岩戸神社の東本宮

荘厳という表現がぴったりな天岩戸神社の東本宮
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天岩戸神社は、神代の昔、天照大神がお隠れになったという天岩戸の神域をご神体とする神社。この神社は「東本宮」と「西本宮」が岩戸川をはさんだ両岸に位置しているという、ちょっと変わったつくりになっています。

社務所があってにぎわっている西本宮に対して、東本宮はその存在自体を知らずに帰る参拝客も多いのだとか。

しかし、西本宮にあるのは対岸のご神体を拝むための拝殿、一方の東本宮には天岩戸から戻られた天照大神の神殿があるのです。となれば、東本宮にもぜひ行っておきたいとは思われませんか?

写真は、早朝の東本宮。なんだか近寄りがたいくらいの荘厳さで、強いパワーがひしひしと伝わってくるよう。石段をのぼった上のお社も簡素な造りである分、いっそう「神」を近くに感じられる気がしました。

対岸のご神体を拝める西本宮

対岸のご神体を拝める西本宮
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さて、西本宮では社務所で「ご案内」をお願いすると、神職の方から説明とお祓いを受けた上で神域に入れていただくことができます。普通に拝殿の表から参拝した後、拝殿裏の神域から直接天岩戸を拝むことができてしまうのです。

実際に拝殿裏に進むと、渓谷の下から直接、ひんやりとした空気が上がってきていて、ほんの数メートルしか離れていない拝殿の表側とは、まったく雰囲気が異なることに驚きます。これは、本当にすごいです。

天岩戸は残念ながらすでに崩れていて、その跡だけが見られるのだそうですが、神話の中の世界が目の前に…と思うと、ドキドキしますよね。

また、拝殿の横には、珍しい「古代銀杏」があります。現在の一般的な銀杏とは葉の形も実の形も違います。この銀杏はこちらと、長野県諏訪にしかないそうです。そういえば、力持ちの神様が開けた天岩戸の戸の片方は、長野県戸隠まで飛んで行ったそう。高千穂と長野県とは浅からぬ縁、ということなのでしょうか。

昼間でも見られる天岩戸の神楽

昼間でも見られる天岩戸の神楽
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天岩戸エリアには、高千穂中心エリアとは少し異なる夜神楽が伝承されているそうです。その神楽を1年に1日だけ、午前中から深夜までの通しで観ることができるのが、「天岩戸夜神楽三十三番大公開まつり」。毎年11月3日に、この西本宮にある神楽殿で行われます。

こちらの神楽は、まさに集落の夜神楽に参加しているような素朴な雰囲気。座っているとお神酒を勧められたり、観客の地元の方同士が「よお!」なんて小声で挨拶していたりして、こちらまでリラックスしてしまいました。

夜から翌日午前中まで行われる本格的な夜神楽ではハードルが高い…という方は、日程を合わせてこのおまつりに参加されることをおススメします。

スピリチュアルパワーたっぷりの天安河原

スピリチュアルパワーたっぷりの天安河原
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さて、神話の世界に話を戻しましょう。天照大神が天岩戸にお隠れになった時に、八百万の神が集まって対策会議を行ったというのが、岩戸川沿いにある天安河原(あまのやすがわら)という洞窟です。言うなれば神々の会議室。西本宮の裏参道から、川沿いの道を歩いて10分ほどのところにあります。

こちらのスピリチュアルパワーはかの江原さんのお墨付きなんだそうですよ。それもあってか、洞窟内には人々が願いをこめて積み上げた小石が一面に広がり、現実離れした光景を生み出しています。

洞窟の入り口が東向きのため、夕方は早く暗くなってしまうそうです。なるべく早めのお時間にどうぞ。

日本神話は、子どものころに読んだり聞いたりして知っている方も多いはず。高千穂に来ると、神話の世界がおとぎ話ではなく、本当に身近にあっても不思議ではないような感覚に…。日本人なら一度は訪れておきたい、そんな場所です。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/11/03−2012/11/04 訪問

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