第二のドバイ!?アゼルバイジャンの首都バクーは過去と未来が交錯する街

第二のドバイ!?アゼルバイジャンの首都バクーは過去と未来が交錯する街

更新日:2018/09/12 10:14

Chanos Mayaのプロフィール写真 Chanos Maya トラベルコンサルタント、ワイナリーツアーアドバイザー
カスピ海の小さな港町だったアゼルバイジャンの首都バクー。第二のドバイと言われるほどの開発が進み、コーカサス地方の最大都市へと生まれ変わりつつあります。その開発の資金源とは…油田、天然ガス、鉱石、キャビアといった天然資源。2020年には世界一高い建物、アゼルバイジャンタワーが開業見込みです。一方バクーの旧市街は世界遺産。伝統的な街並みを足元に、富める都会が形成されるユニークなバクーをご紹介します。

シルクロードの交差点、異国情緒あふれるバクー旧市街は世界遺産

シルクロードの交差点、異国情緒あふれるバクー旧市街は世界遺産

写真:Chanos Maya

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バクー旧市街は、城壁に囲まれた一角で世界遺産に登録されています。城壁の中は石畳の街並みに日干しレンガ造りの民家、小さな商店、チャイを出すお店・・・どんどん発展をとげるバクーの中で、ここだけは昔の姿をそのままに残している場所です。

アジアとヨーロッパを結ぶシルクロードの中継都市でもあったバクー。旧市街のいろいろなところでその面影を伝えています。旧市街の北にある「シェマハ門」。13世紀からあるこの門は、シルクロードを行き交う旅人を見つめてきた旧市街への入り口です。2つある入り口の一つは人間、一つは旅人や荷物を背負ってきたラクダが検疫を受けた門です。門には今も旅の安全を祈る言葉が綴られています。

シェマハ門からほど近くには「キャラバンサライ」もあります。キャラバン(隊商)のサライ(宿)として、15世紀頃からシルクロードを移動する隊商によって宿として使われました。中庭の周囲を囲むようにある小部屋にはそれぞれブハラ、ムルタンなどの近隣諸国の都市名がついており、当時のバクーがシルクロードの中心都市として近隣の国や街との経済的な関係があったことを感じさせます。現在は「キャラバンサライレストラン」として使われており、伝統的なアゼルバイジャン料理をいただくことができます。

シェマハ門、キャラバンサライ、2つの場所には現在のところ入場料は必要ありません。シェマハ門は大きく、どこから見ても目立ちます。キャラバンサライはレストランとして営業しているので、お店の人に声をかけて見学させてもらいましょう。

ミステリーに包まれた旧市街のシンボル「乙女の塔」

ミステリーに包まれた旧市街のシンボル「乙女の塔」

写真:Chanos Maya

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「乙女の塔」は高さ28メートルの石壁の塔。12世紀頃の建造物で、望まぬ結婚を申し込まれた王女がこの塔からカスピ海へ身を投げたとの伝説に由来し、名付けられました。塔がいつ建てられたものか、何のための塔だったのか正確なことはまだわかっておらず現在も研究がすすめられています。バクー市民からも愛されている旧市街のシンボルで、アゼルバイジャン硬貨にもデザインされています。

乙女の塔はかつてゾロアスター教寺院だったという説、敵からバクーを守るための要塞説・・・と数々ある仮説。昔はこの塔のある場所までカスピ海がきていて、この塔は海の浅瀬にあったといわれています。そのため灯台としてつくられたという説が一般的なよう。しかしいまだはっきりしない、ミステリーの残る世界遺産です。

塔の中は歴史や写真の展示があるちょっとした博物館になっています。また中のらせん階段で塔のてっぺんにあがることも可能。カスピ海を見渡すことのできるおすすめのポイントです。


乙女の塔(QIZ QALASI/MAIDEN’S TOWER)
入場料:1マナト(約66円)
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月曜日
※詳細は変わる可能性があります。
(2018年9月現在/1アゼルバイジャンマナト=66円)

燃え続けて2000年!資源が豊富なアゼルバイジャンを実感する「燃える丘」

燃え続けて2000年!資源が豊富なアゼルバイジャンを実感する「燃える丘」

写真:Chanos Maya

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バクーの市街から30分も車で走ると、周囲は石油採掘場が増えてきます。人っ子一人いない平原に原油を地下から掘削する無数の櫓(やぐら)が建ち、それがオートマチックに上下に動いている不思議な光景が広がります。アゼルバイジャンにある櫓の数はアゼルバイジャンの人口よりも多いそう。アゼルバイジャンの原油の埋蔵量の多さを実感します。

バクー郊外のビナガディン地区には、そんな櫓に囲まれるように「ヤナルダグ」があります。ヤナルダグは燃える丘の意味。地下の天然ガスが地表の割れ目から噴出し、それが自然発火しメラメラと尽きることなく燃え続けて2000年といわれています。真っ赤でゴーゴーという音を立てながら燃え続けます。勢いのある強い火で、写真を撮るために近づくと熱い、熱い!地元の人々はここでバーベキューをしたり、暖をとったりします。雪が積もる冬なら、炎が真っ白な雪を溶かす幻想的な風景を見ることも可能です。

丘の全体が燃えているわけではありませんので、「燃える丘」というと少し大げさかもしれませんが、何もない地表から炎が出ているという物珍しい光景は必見です。どちらかというと昼間よりも、あたりが暗くなる夕方頃の訪問がおすすめです。

ヤナルダグの裏手は民家。この民家の入口にいるガードマンに2マナト(約320円)を支払い見学します。バクー市内からヤナルダグまでの公共の乗り物はありません。交渉制のタクシーに乗りましょう(バクー市内はメトロとタクシーは観光客が利用しやすい乗り物です。公共バスは行き先表示などが現地語で路線が複雑です)。

ヤナルダグ(YANARDAG)
入場料:2マナト(約130円)
場所:バクー市内から交渉制のタクシーで30分程度。
※料金などは変わる可能性があります。

おすすめは夜!カスピ海クルーズで光にあふれるバクーを一望!

おすすめは夜!カスピ海クルーズで光にあふれるバクーを一望!

写真:Chanos Maya

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夕方になってあたりが暗くなると、バクー市内は美しくライトアップされます。なんといっても注目は「フレームタワー」。総工費350億円をかけ2012年に完成したフレーム(炎)をかたどった3つのビル群。ビルにはフェアモントホテル、マンション、オフィスが入っております。今やアゼルバイジャンのシンボルです。

バクーの夜のライトアップされた街並みを一望するなら、カスピ海クルーズがおすすめです。昼間も動いている船ですが、ここはやっぱり夜!クルーズは3マナト(約200円)で市内の船着き場から出航しています。カスピ海に面したバクー湾を約40分ほどクルーズします。夏場なら船は深夜0時頃まで動いています。

近代的な建物とフレームタワーをはじめとする高層ビルが立ち並ぶ、洗練された街並みが印象的。クルーズ船から眺める夜のバクーは光があふれる宝石箱のような美しさです。さてフレームタワーの夜はどうなるのでしょうか・・・ライトアップでビルの壁に変幻自在、さまざまな模様が浮かびあがりバクー市内を美しく彩ります。電球ではなく10000枚のLEDのパネル画面でできている壁(窓)のおかげで、色の鮮やかさは想像以上!このクルーズで、知られざるバブルな街・バクーを目の当たりにするはずです。

カスピ海クルーズ
乗船券:2マナト(約130円)
営業時間:11:00頃〜19:00頃まで(夏場は深夜0時頃まで)
スケジュール:約40分に1本運航
※詳細は変わる可能性があります。

アゼルバイジャンへ行くなら・・・

バクー市内のどこから見ても目立つフレームタワーは、オイルマネーで潤う現代バクーを語る上でなくてはならない存在。その真横にはイスラム教のモスクがあり、人々の日々の暮らしの風景と将来のアゼルバイジャンを担う風景が混在しています。フレームタワーに入っているフェアモントホテルなど5つ星から民家をそのまま宿にしたようなB&Bまで宿泊施設も幅広く、アゼルバイジャンはシルクロードを旅したキャラバンに思いを馳せながら、華やかな街並みを眺め、世界レベルに達するホテルや食事を楽しむというユニークな旅ができるところです。

バクーではユニークな形をした、ユニークで最先端の高層ビルを続々と建設中。カスピ海上には人工島を、さらに人工島には世界一高いビル・アゼルバイジャンタワーの計画も進んでいます。

古きものと新しきものが共存する、今のバクーの景色は今だけのもの。明日になったらまた何かが変わります。来年になったら違う何かがバクーのシンボルになるのかもしれません。

日本人のまだまだ少ないアゼルバイジャンへのトラベルインフォメーションを少し・・・。

・日本国籍の方はアゼルバイジャン入国時、バクー空港にてアライバルビザの取得が可能です。
(2018年9月現在。最新情報は駐日アゼルバイジャン大使館にご確認ください)

・日本からの直行便はありません。モスクワ乗継ぎのアエロフロート航空、イスタンブール乗継ぎのトルコ航空、ドーハ乗継ぎのカタール航空があります。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/17−2014/05/19 訪問

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