おんせん県おおいた「奥豊後温泉郷」泉質重視お薦め温泉5選

おんせん県おおいた「奥豊後温泉郷」泉質重視お薦め温泉5選

更新日:2015/06/06 16:54

堀内 京子のプロフィール写真 堀内 京子 旅行ライター、温泉ソムリエ
大分県は温泉の湧出量日本一を誇り、癒やしを求めて国内外から温泉客が訪れています。
竹田市を中心とする「奥豊後温泉郷」は、くじゅう連山の麓に広がる自然豊かな温泉地。個性溢れる温泉施設が数多く点在し、温泉巡りに訪れる方が増えています。
その中からとくに泉質を重視して、温泉ツウの方にオススメの5ヶ所をご紹介いたします。
温泉の香り・色・浴感・飲泉・ロケーションなど、ぜひ大分の温泉を楽しまれてください。

長湯温泉の名物「ガニ湯」

長湯温泉の名物「ガニ湯」

写真:堀内 京子

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長湯温泉の歴史は古く、奥豊後風土記(8世紀)までさかのぼります。旅館や公営の温泉施設が点在し、温泉街を流れる芹川のほとりにある「ガニ湯」は名物の露天風呂。美しい娘への思いを叶えられなかった大蟹が落雷にあい、蟹の居た場所から温泉が湧いたという伝説が残っています。

ガニ湯は川向いの旅館や道路など全方向から丸見え、脱衣所はないので橋の下で着替えます。石組みの浴槽には黄褐色の湯が満ち、湯口から時々ゴボゴボと音を立てながら湯が噴き出しています。人通りがあるため、昼間浸かるには勇気がいりますが、開放感たっぷりのロケーションは気分爽快ですよ。夜は星空を見上げながら浸かられてはいかがでしょう。

【温泉データ】
泉質/マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉
源泉温度/37.8℃

日本屈指の泡付き「七里田温泉下湯」

日本屈指の泡付き「七里田温泉下湯」

写真:堀内 京子

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七里田(しちりだ)温泉館「木乃葉の湯」から約100mの場所に、泡付き抜群の「下湯」があります。以前は温泉マニアしか知らないような秘湯と言ってもよい温泉でしたが、スゴイ炭酸泉!として雑誌やテレビに取り上げられて有名になり入浴客が増えました。

浴場は男女別にあり、どちらも素朴な造り。夏場はガスが増えて危険なこともあり、以前は扇風機を回しながら浸かっていましたが、現在は換気扇が設置されて安全性が向上しました。浴槽や床は赤茶色に染まり、浴槽から溢れ出る湯が床を流れ去っていきます。

湯に浸かるとすぐに泡が付き始め、細かい泡から真珠大の泡へと変化。もの凄いアワアワで体中が包まれてくすぐったい感じがします。これほどの泡付きを体感できるのは珍しく、日本屈指の温泉と言えるでしょう。湯の表面でシュワシュワと泡がはじける様子も楽しい!

【温泉データ】
泉質/炭酸泉
源泉温度/36.1℃

パルクラブ「大地乃湯」

パルクラブ「大地乃湯」

写真:堀内 京子

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パルクラブでは、久住の大自然の中で育てた野菜や牛肉・ハム加工品などを販売。広大な敷地には宿泊施設・温泉館・貸切風呂もあり、いちご狩り(期間限定)も楽しめます。

温泉館「大地乃湯」は、木がふんだんに使われたヒノキ造りの内湯と岩風呂の露天風呂が備わり、どちらも趣がある造り。露天風呂は内湯に比べてぬるめの温度になっているのでゆっくり浸かれます。湯は少し緑がかった濁り湯、スベスベとする良い肌さわり。飲泉は弱炭酸味、金気味も感じます。温泉館から少し離れた所に貸切風呂(5室)があり、こちらも人気。

湯上がりには広々とした休憩室で寛ぎましょう。食事も出来て、パルクラブ農場でとれた自家製の野菜やお肉を使ったメニューが揃っています。自家製ソーセージ・豊後牛を使用した牛肉蕎麦、いちごがゴロゴロ入った「いちごちゃんソフト」(期間限定)もオススメ。

【温泉データ】
泉質/ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物泉
源泉温度/56.1℃

コテコテの析出物が見事「郷の湯旅館」

コテコテの析出物が見事「郷の湯旅館」

写真:堀内 京子

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長湯温泉の上流に位置する「郷の湯旅館」は、のどかな田園風景が広がる中に佇む温泉旅館。敷地内には母屋・湯治棟・浴場棟が点在し、食事は地元の山の幸を使った創作会席料理が味わえます。

旅館へ着くとまず目を惹くのは、浴場棟から流れ出た黄土色の堆積物でしょう。こんもりと盛り上がって、オブジェ化した様子を見ると温泉ツウの方はテンションアップされるはず♪

湯は薄い茶褐色、湯の華がたくさん舞っています。浴槽の原型が分からないほど至る所に付着した析出物は厚みがあり、浸かると足下で沈殿物がシャリシャリと音を立てます。析出物でコテコテにコーティングされ、波打った浴槽の縁や浴場の床なども見どころたっぷり。湯の表面には温泉成分の膜張りが見られ、パリパリと割ると、花びらのように乱舞します。

【温泉データ】
泉質/マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
源泉温度/51.8℃

「温泉療養文化館 御前湯」

「温泉療養文化館 御前湯」

写真:堀内 京子

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「道の駅 ながゆ温泉」のすぐそばに建つ「温泉療養文化館 御前湯」は、長湯温泉のシンボル的施設。江戸時代の1781年、この地を治めていた岡藩の新湯(御前湯)が造られたのが現在の御前湯の始まり。建物はヨーロッパスタイルの洋風建築になり、玄関前には飲泉場が設けられています。飲泉は鉄分を含む炭酸味。

大浴場は1階と3階にあり、奇数日は1階が女性用、3階が男性用、偶数日は逆になります。内湯には熱め・ぬるめの2つ浴槽、サウナも完備。露天風呂はテラスのような雰囲気で芹川に面して開放感ある造り。湯は薄い茶褐色、析出物がたくさん付着し、温泉の成分が濃いことが分かります。

芹川に面した休憩室は風が通り気持良く、湯上がりの休憩に寛げます。湯上りスイーツには名物の「ドイツワインソフト」がオススメ♪アルコールは抜いてあるのでドライバーの方も安心ですよ。食事は出前方式になり、近所の飲食店から配達されます。

【温泉データ】
泉質/マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
源泉温度/49.1℃

おわりに

奥豊後温泉郷には紹介した施設以外にも魅力的な温泉がたくさん揃っています。1日ではとても回りきれませんので、湯治を兼ねてゆっくり滞在して温泉巡りを楽しまれてください。

現在、温泉のスタンプラリーが行われていて、小冊子「奥豊後温泉文化伝」に掲載の34施設を巡り、スタンプを全部集めると「奥豊後温泉郷マイスター」に認定されます!小冊子はご紹介した「温泉療養文化館 御前湯」でも手に入りますのでぜひどうぞ。値段は1冊150円、入浴割引券が付いているのでお得です。

温泉スタンプラリー(第四弾)の有効期限は2015年10月31日まで。
この機会にぜひ奥豊後温泉郷マイスターを目指してみませんか。
あなたの温泉ライフがより充実しますよ♪

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/12 訪問

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