ご紹介する松崎町雲見地区は、西伊豆海岸に面していて、三島方面から国道136号線を南下した場所にあります。雲見地区に近づくと、一つだけ「こんもり」とそびえる山が見えてきます。
一番左側に見えるその山は「烏帽子山(えぼしやま)」と言われ、標高162mの山。雲見を代表する地形の一つで、山頂に通じる428段の石段の上には「雲見浅間神社」が鎮座しています。神社に祀られている祭神は、富士山の祭神「木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」の姉、「磐長姫命(いわながひめのみこと)」。実は、その二人の間に伝説が残されていて、伝説のお話は神社の裏手、山頂にある展望台からお話しましょう。
天気が良い日は、展望台から富士山や南アルプスが望めます。こんなダイナミックな富士山が見られることも。この場所には、ここに祀られた磐長姫命が、美しい妹の木花咲耶姫命に嫉妬し「山頂で富士山を褒めると海に突き落とされる」と云う、少し怖い云い伝えがあります。そんな場所で見る富士山はいかがでしょうか?
他にも、日本一の富士山を目の前に、日本一の深さがある青々とした駿河湾・ジオラマの様な山々・玩具のように見える雲見の集落など、登った人にしか分からない感動的な見応えのある景色が広がります。
この地域の人は、初詣は雲見浅間神社に参拝するそうです。中には、80代のご年配の方も参拝に訪れるようです。人によってですが、山麓から片道約30分位で行くことができます。
参道には、松の根元が繋がった「夫婦松」など、縁起の良いスポットもありますよ。
参道は、途中整備されていない場所があるので、歩きやすい靴で訪れると良いでしょう。
松崎町は「世界でいちばん富士山がきれいに見える町」を宣言した町。雲見海岸から「牛着岩」と呼ばれる二つの岩の間から見える素晴らしい景色もお勧めです。
続いてこちらは、一番初めにご紹介した烏帽子山の右側にある「長磯展望台」
海に突き出た展望台で、別名「思いで岬」と言われるくらい、思い出に残るとても美しい夕日を見ることができます。
写真に映る山の影は烏帽子山。かつて海底火山の地下にあったマグマの通りが地上に姿を現わし「火山の根」の一部と呼ばれる山で、伊豆半島ジオパークの見所の一つ。そんな山と、ロマンテックな夕陽が一緒に見られるのも、雲見ならではの景色。
季節によって、夕日の位置は変わりますが、西伊豆海岸は、いつでも夕日が見れる素晴らしい場所で、夕日は見逃せません。
こちらは、烏帽子山の南側に位置する「千貫門(せんがんもん)」。こちらも、烏帽子山と同様に「火山の根」で、岩の中央部分が、波の浸食によって削り取られ、穴が開いた珍しい形をしています。まるで門のように見えるこの不思議な光景は「見る価値が千貫文に値する」と言う意味から「千貫門」と呼ばれるようになり、この貴重な地形は伊豆半島ジオパークの指定地となっています。また、雲見浅間神社の南側にあるので、浅間神社の門に見たてられ「浅間門」と呼ばれていたそうです。
透明度の高い海、千貫門の洞に当って響く波音。そんな癒されてしまうような場所で、穴の間から覗かせる格別な夕日も見られます。また、ここから岩肌をむき出しにした違った表情の荒々しい烏帽子山が見えるのもお勧め。
国道136号線沿いの「中嶋食堂」前の川を上流に数分歩くと、千貫門まで行く遊歩道があります。遊歩道は整備されていますが、岩崩れなどによって、通行が禁止になる場合があります。千貫門のある海岸は、大きな岩が「ごつごつ」していて歩きにくく、訪れる場合は波が穏やかな日がお勧め。
「歩かずに千貫門を見たい!」と言う方は、車で約45分離れた西伊豆町堂ヶ島から「千貫門クルーズ」が出ているので、そちらを利用すると便利です。海の上から見る一味違った景色も素敵ですよ。
雲見地区には、約50軒の温泉民宿や旅館があります。泊まりで訪れて、獲れたての新鮮な海の幸に舌鼓を打って、温泉に「ゆったり」浸かって、ご紹介した景色をじっくり堪能してみても良いですね。
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