中に入ると、そこに広がるのはまさに村。実際に生活されているかのような自然さで、家屋が点在している。
石垣市から移築された士族や医師などの屋敷が４棟。そのうち国の登録有形文化財に指定されたものが２棟ある。
また、海人（ウミンチュ）と呼ばれる漁師の家と、ハルサーと呼ばれる農民の家が復元され、庶民のくらしを垣間見ることができる。
それぞれ中に入るのは自由だが、ついつい「おじゃまします」と声をかけたくなるような雰囲気だ。
この牧志邸などは重厚な赤瓦建築様式で、各所に施された彫刻なども見ごたえがある。座敷は南国の家らしく開放的で、ついつい昼寝をしたくなるはず。
やいま村内では日に３回のアトラクションがおこなわれており、この地に伝わる昔ながらの遊びを紹介している。
三線の演奏あり、踊りあり。軽妙なトークに誘われてついつい手拍子、足拍子。その気になったら、あなたも一緒に踊ってみてはいかがだろうか。勇壮な太鼓のパフォーマンスで名高いエイサーも目の前で演奏してくれる。八重山のリズムに身をゆだねれば、知らない間にすっかり「やいま村」になじんでしまうことだろう。
日によって内容が変わることがあるので、どんなアトラクションに出会えるかはお楽しみ。
また、シーサーの色付けや、琉球衣装の着付け体験なども有料で行われているので受付でお尋ねのうえ申し込まれるとよい。また、あらかじめ予約しておかなければならないものもあるので、「やいま村」のホームページをご覧頂きたい。
名蔵アンパルとは、ここ石垣島の西部にあるマングローブの林を有する干潟のある地域の名である。
亜熱帯気候特有の貴重な動植物が分布していることから、２００５年にはラムサール条約の登録地に指定され、国際的にも重要な場所とされている。
やいま村は、名蔵アンパルに隣接しているため、直接そこへ向かうことができる。また希望者には、有料でガイドツアーも用意されているので、興味のある方はこれもあらかじめ「やいま村」ホームページから御予約のこと。
とにかく動植物の種類が豊富で、マングローブに覆われた干潟には、この地特有のベニシオマネキというカニや、ハゼの一種であるトントンミーといった愛嬌たっぷりの生き物たちが顔を出し、ついつい見入ってしまう。またハマザクロやグンバイヒルガオなどの美しい花が咲く。
豊かな自然にぜひ触れてほしい。
カンムリワシは、日本では西表島と与那国島、そしてここ石垣島にしかいない特別天然記念物であり、環境省のレッドリストにも名を連ねる希少種である。
「やいま村」では保護されているカンムリワシを間近で見ることができる。
この幼鳥の愛らしい瞳をごらんあれ。動物愛護家ならずともついつい保護したくなるのでは？
また成鳥はいかにも鷲らしく、孤高の威厳を感じさせる姿である。
「やいま村」の一番のアイドルといえば、このボリビアリスザル。
地元出身ではないのでいささか必然性には欠けるが、石垣島の水が合うのか今ではすっかりここの顔役である。
餌を購入すると、途端にあちこちからやってきておねだりするのは勿論のこと、脚をよじのぼり、腕にしがみつき、肩に乗り、頭の上で立ち上がるなど。もう全身リスザルが鈴なりである。そのかわいさに、ついつい餌を再び購入してしまう。
「やいまるくん」というキャラクターにもなっている彼らと、時間を忘れて戯れてみよう。
｢石垣やいま村」は、とにかく和むところである。村内に漂うゆるーい空気が心地よく全身を包んでくれる。
八重山そばをはじめとする、地元の食材を使ったメニューが豊富な「あんぱる食堂」もレベルの高い味で満足できる。
石垣島観光の際は、訪れる人を選ばず、誰もが楽しめ、ついついハマる｢石垣やいま村」をチョイスすることをお勧めする。
あなたも、ひと時の島人気分を味わって。
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(2024/4/19更新)
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