スペインの市場や肉屋、レストランでよく見かけるの豚の脚。「これ、どうやって食べるの!?」と思われる方もいるかもしれませんが、これが有名なスペインの生ハムです。特に、スペイン特産のイベリコ豚(黒豚)の生ハム(スペイン語で「ハモン・イベリコ」)は、脚の蹄部分が黒いのが特徴です。
イベリコ豚の生ハムは生産数が少なく、成熟期間も長いため、非常に高価とされています。特に、味、品質ともに最高級とされるハモン・イベリコ・デ・ベジョータは、自然放牧とどんぐりの実だけで育ったイベリコ豚の生ハムのことです。ハモン・イベリコ・デ・レセボは、どんぐりの実だけでは体重が増えず、それを補うための飼料を与えられて育ったイベリコ豚の生ハムを指します。ハモン・イベリコ・デ・セボは、まったくどんぐりの実を食べてないイベリコ豚の生ハムで、普通のハムと同様の扱いです。
また、イベリコ豚の生ハムは、アンダルシア地方のウエルバ県のハブーゴとグラナダ県のトレベスのものが最高品質と言われています。
アンダルシア地方のバルやレストランでは、その場でスライスしたイベリコ豚の生ハムを手頃な値段で食べることが出来ます。生ハムをスライスするのは手作業。厚さ2mm程度の均一な薄切りにしないと、その食感が損なわれてしまうので、スライスするのには熟練した腕が必要です。
生ハムをスライスする鍛錬された職人さんの手捌きを、動画ご覧ください。
スライスされたイベリコ豚の生ハムは、牛肉のような濃い赤色で細かな脂肪が特徴です。身は柔らかく、生ハムなのにコクがあります。
この生ハムが特別なのは、イベリコ豚がどんぐりの実を食べて育ったというだけでなく、生肉を塩漬けにしたあと、それを洗い流し、気温の低い乾燥した場所に約2年から5年吊るしてじっくり乾燥・成熟させるという手間のかかる方法で作られているからです。
お皿に盛られたこの美しい生ハムの究極の味を堪能することは、スペインを訪れたときしかできません。
ところで、スペインでは肉や魚ばかりでなく、野菜も豊富。太陽の国の降り注ぐ日光の下で育てられた野菜は、甘く、新鮮で、シャキシャキとした食感。
さっぱりしたオリーブオイルのかかった生野菜のサラダは、自然素材の味がよく生かされています。脂がのった生ハムともよく合い、前菜として併せて注文されるのもいいでしょう。
余談ですが、生ハムの苦手な方には、子豚の丸焼きがお勧めです。子豚の丸焼きは本来マドリード近郊の町セゴビアの名物ですが、アンダルシア地方でも食べられます。
「子豚の丸焼きなんて見た目がちょっと・・・」と日本人には抵抗のある方がいるかもしれませんが、地元のスペイン人曰く、「これは豚のベイビー(赤ちゃん)じゃなく、単なるフード(食べ物)だと思えば大丈夫!」との事。
柔らかお肉で、こちらも味は絶品。豚肉好きの人、食べる勇気のある人は、こちらもチャレンジしてみて下さい。
スペインは食料の流通事情が大変よく、新鮮な食の宝庫。
今回、ご紹介させて頂きましたレストランは、アンダルシア地方ロンダ(Ronda)の新市街ソコロ広場(Plaza del Socorro)の一角にある『レストランテ・カーサ・オルテガ』です。他にもロンダの新市街には沢山のレストランやバールが建ち並び、グルメな観光客を満足させています。
ロンダの崖の上で絶景を楽しまれた後は、ぜひ美味しい料理で旅の思い出を満喫させて下さい。
『レストランテ・カーサ・オルテガ』の情報
Restaurannte Casa Ortega
住所/Plaza del Socorro 17
29400 Ronda (Malaga) Spain
電話/952 87 90 93
※ちなみに、このレストランでのイベリコ豚の生ハム(Jamon Iberico)は、一皿18ユーロです。
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