西郷さんと温泉Vol.4〜栗野岳温泉編「南州館」〜

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西郷さんと温泉Vol.4〜栗野岳温泉編「南州館」〜

西郷さんと温泉Vol.4〜栗野岳温泉編「南州館」〜

更新日:2012/11/19 14:49

六三四のプロフィール写真 六三四 日本旅のペンクラブ会員、4つ星温泉ソムリエ、温泉フリーライター

「西郷さんと温泉」シリーズ第4弾!
鹿児島県内津々浦々の温泉地に西郷さんの足跡は残っていますが、中でも今回紹介する「栗野岳温泉」は鹿児島県最北の温泉となります。

「チュウコッデ、ドラ、クイノノユニ、イタッミロカイ」
(訳:ということで、さて、栗野の温泉に、行ってみましょうか)

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南洲翁遊猟之地

南洲翁遊猟之地

写真:六三四

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「栗野岳温泉」は鹿児島県姶良郡湧水町、霧島連山西側の栗野岳麓にある火山性の温泉です。別名「岳の湯」と呼ばれるこの温泉の歴史は古く、元禄時代から宝永の時代(1700年ごろ)に開かれたと伝えられています。
西郷さんは「栗野岳温泉」から池上四郎(のちに西南戦争で西郷軍五番大隊指揮長となる)に以下の手紙を送っています。

〜池上四郎宛西郷隆盛書簡〜

「当地の温泉場、初めて参り候ところ、霧島山のうしろにて半腹にござ候ところ。よほど景気もよろしく、湯治人は案外多人数にござ候えども、皆田舎人のみにて少しも気にさわり候こともこれなく、まったく仙境にござ候。日々遊山にてあい暮らし申し候。」

その頃から湯治客は多かったようですが俗世とは違い皆のんびりとしている様子が伝わってきます。「栗野岳温泉」で西郷さんは何とものどかな日々を送っていたんでしょうね。

栗野岳温泉南洲館

栗野岳温泉南洲館

写真:六三四

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栗野岳温泉唯一の温泉宿、「南洲館」。
宿名は西郷さんの雅号「西郷南洲」に由来しているそうです。

「栗野岳温泉」は山間にある秘湯めいた一軒宿の湯治場としても古くから知られています。泉質もさることながら敷地内にある火山性硫化水素ガスの噴出する「八幡地獄」、霧島の大自然が奏でる四季折々の姿に溶け込んだ鄙びた風情も趣があり、毎年多くの温泉ファンが訪れています。個性的な3つの離れ浴舎(桜湯、蒸し湯、竹の湯)が建てられ、タオルを巻いて移動する姿も風物詩となっているそうですが、筆者は未確認です(笑)

栗野岳温泉の登竜門?「桜湯」

栗野岳温泉の登竜門?「桜湯」

写真:六三四

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前述しましたが、“個性的な3つの浴舎”を持つ「栗野岳温泉」の中で最もオーソドックスなのが「桜湯」。石造りの浴槽下に沈殿した湯の華が足を入れるとフワっと舞う様は温泉好きにはたまりません。オーソドックスというのはいえあくまでも「栗野岳温泉」内での話で、実際は酸性度の高いガツンとくる硫黄泉です。それでも「栗野岳温泉」で言うならばあくまでも登竜門といったところでしょう。

【泉 質】酸性単純硫黄泉(低張性・酸性・高温泉)
【泉 温】61.2℃(気温28℃)
【p h】2.8
【性 状】無色透明・酸味・硫化水素臭・白色沈殿あり
(平成19年9月の温泉成分分析書)

強烈な蒸気が立ち込める「蒸し湯」

強烈な蒸気が立ち込める「蒸し湯」

写真:六三四

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八幡地獄入口にあるのが温泉蒸気を利用した「蒸し湯」。
木造平屋の「蒸し湯」は脱衣所、浴室に上がり湯浴槽、そして奥に蒸し風呂で構成されています。江戸時代の銭湯にあった「戸棚風呂」と呼ばれていた蒸し風呂に似たイメージ。小さな扉を開け前かがみで入る様子は石榴口(※)のようです。中は暗く狭い空間に大量の蒸気が充満しており、子供や気の弱い人なら腰がひけるほどの強烈な蒸し風呂です。

※石榴口とは、戸棚風呂の出入口の事。出入口の高さを低くする事で湯気が逃げるのを防いでいて、江戸当時の戸棚風呂利用者はこの石榴口をくぐり出入りしていた。

・訪問時に温泉成分分析書を確認できなかった為、泉質等の表記は割愛します。

栗野岳温泉の代名詞「竹の湯」

栗野岳温泉の代名詞「竹の湯」

写真:六三四

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最後に紹介するのが「竹の湯」。
栗野岳温泉と聞けばこの湯を思い出す方も多いのではないでしょうか。
灰色の湯に打たせ湯とも言える湯口、そして泥湯(写真奥の石壁裏に大量の泥)。温泉成分分析書とともに掲示されている成分に影響を与える項目表記に“強酸性の為、加水しています”と大きく書かれているのが印象的です。酸味、硫化水素臭も強く、湯泥ができるほど凝縮された強烈な湯ですので長時間の入浴はおすすめできませんが「これぞ栗野岳の湯!」と呼ぶにふさわしいインパクト大の良泉に違いはありません。「栗野岳温泉」にお立ち寄りの際は※鹿児島本土最強の酸性度を誇る「竹の湯」に挑戦してみては。
※鹿児島県本土では最も酸性度の高い温泉入浴施設です。

【泉 質】酸性・含鉄(U・V)-アンモニア-硫酸塩泉(低張性・酸性・高温泉)
【泉 温】90.0℃(気温32.2℃)
【p h】2.2
【性 状】白色白濁・強酸味・微硫化水素臭
(平成19年9月の温泉成分分析書)

栗野岳温泉「南洲館」
【温泉名】栗野岳温泉
【住 所】鹿児島県姶良郡湧水町木場6357
【電 話】0995-74-3511
【泉 質】硫黄泉、硫酸塩泉など
【適応症】切り傷、慢性皮膚病、動脈硬化症など
(平成19年9月の温泉成分分析書から)
【立寄湯】1ヵ所¥300、2ヵ所¥500、3ヵ所¥600
(例えば、桜湯と蒸し風呂に入る場合は¥500)
【宿 泊】基本価格1泊2食¥10,580〜

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/01 訪問

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