ドイツでは住宅地の合間に市民農園が点在しています。バイエルン州だけでも、5万個あります。クラインガルテン協会が管理し、庭を希望する者が協会員となって共同で運営しています。
ドイツ語で、「クラインガルテン」は小さい庭を意味します。敷地内は細かく区画され、各個人が借りて庭づくりを楽しみます。区画ごとに小屋が建てられ、調理ができる設備がつけられています。作業の合間にビールを楽しんでいる姿も見られ、農園というよりまさに庭です。
クラインガルテンは約150年前にはじまりました。都市部では急速な工業化が進み、労働環境が悪いなかで、健康を害する人が増えました。そこで、体を動かして庭づくりをし、育てた野菜を食べて栄養をとれるようにとクラインガルテンの制度が生み出されたのです。子供たちが自然に触れられるようにとの目的もありました。
ミュンヘンのクラインガルテン、SW83をのぞいてみましょう。入り口には看板があります。4月から10月まで一般開放されており、敷地内には一般の人が歩けるような園路があります。柵ごしに見学することができます。また、子供が遊べるような広場が中央にあります。
庭、というだけあって、各区画ごと、多様なものが栽培されています。お花であふれているところがあると思えば、野菜栽培で埋め尽くされているところもあります。歩いているだけで、発見があり、その景観は刺激的です。
そんなクラインガルテンにも、規則があります。庭の三分の一は食べられる植物を植えなければなりません。また、化学農薬は禁止されています。有機や無農薬の野菜を作って食べています。子供が庭をかけまわっても安全ですし、何より健康によいしくみですね。
畑を作るだけが目的ではない、ドイツのクラインガルテンは、訪れる人にも楽しみを与えてくれます。果物ひとつとっても、通りに見えるように栽培されていたり、自分たちの庭の見せ方にも気をつかっています。通りに面した柵の部分には、色とりどりの花が植えられていたり、ベリーがたわわに実っていたりします。
「こんにちは」
クラインガルテン内の道を歩いていて誰かに出会うと、気軽にあいさつもかわせます。ひとつのコミュニティが成り立っています。
ミュンヘンは地ビールのおいしい町です。休日ともなると、市内のレストランは家族や友人たちで大にぎわいです。
マリエンプラッツ駅から歩いて3分の、パウラーナービール醸造所直営のレストラン「パウラーナーイムタール」をご紹介します。白ビールであるヴァイスが専門です。ドイツ語のメニュー表が読めないときは、英語で好みを伝えると、合ったものを選んでもらえます。
ここは、豚料理もおすすめです。キャベツの酢漬けのザワークラウトと一緒に、豚肉のローストなど定番メニューです。ローストには、黒ビールから作られたソースがかかっています。さすが、ビールの王国です。
観光地を巡るのも楽しいけれど、時間があれば、ドイツ人になったつもりで、休日の市民農園と地ビールの夕食を楽しむ旅もおすすめです。
今回ご紹介したクラインガルテンSW83は、Heimeranpl駅からすぐの、ウェストパークの端にあります。公園を散歩がてら訪れるとよいです。日曜と祝日はレストラン以外のすべてのお店が閉まるので、そんなときにのぞいてもいいですね。
ドイツ内のクラインガルテンの情報について、ドイツ語表記のみとなりますが下部のリンクをご参照ください。また、現地の駅などで場所を尋ねると、いくつか教えてもらえると思います。
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