写真:高橋 しゅう
地図を見る鬼無里(きなさ)は、長野市から西に車で1時間の山間にあります。
現在は合併して長野市ですが、かつては鬼無里村として一つの村でした。
周囲を山々に囲まれ、平地や斜面に家々が建ち、村が形成されています。かつての村役場のある中心部には、国道が走り、商店や直売所、由緒ある神社、資料館等の見どころもあります。
また、少し高い場所へ行くと、戸隠連山や北アルプスの山並みを、眺望することもでき、自然豊かな風光明媚な場所です。(写真の背後の山が戸隠連山です。)
写真:高橋 しゅう
地図を見る信州の手軽な郷土食「おやき」。信州観光の際には、一度は食べたことが、あるのではないかと思います。
長野県内にはたくさんのお店がありますが、その中で私のお気に入りは「いろは堂」です。
「おやき」はお店によって、野沢菜等の様々な中身の具材と、それを包む小麦や蕎麦粉の皮、そして作り方が異なりますが、多くのお店では蒸して作られたものを見かけます。
その中で「いろは堂」のおやきは一度油で揚げて、窯で焼いて作られており、皮が「こんがり」して、中身もたっぷりで美味しいのです。
いろは堂のおやきは、県内と県外でも冷凍でお土産として販売もされていますが、ここに本店があり、囲炉裏のある店内で美味しく食べることが出来ます。
炉ばたのおやき いろは堂 長野本店
住所 :長野市鬼無里1687−1 電話:026−256−2033
営業時間:午前8時30分〜午後5時30分
定休日 :火曜日(5・8・10月は無休)
写真:高橋 しゅう
地図を見る長野市内から続く国道406号線を中心部を抜けて、さらに白馬方面に進むと、道沿いに「東京口」と書かれたバス停と標識を見かけます。私は最初その地名に「えっ!」と思ったことから、この場所とその由来を知ることが出来ました。
正式には東京(ひがしきょう)と読みます。「山里に東京がある!」というインパクトが強かったのですが、訪ねてみると、そこは伝説に由来するロマンある場所であったのです。
写真の地図を見ていただくと、山の麓の谷合に「二条・三条・四条・五条」等の地名や、京都の賀茂神社由来の「加茂神社」があり、里には「加茂川」が流れています。東京と呼ばれるここは「京の都」ゆかりの場所なのです。
写真:高橋 しゅう
地図を見る国道から少し入った場所に位置する「東京(ひがしきょう)」の集落です。東京から来るイメージと大きく異なった、のんびりした空気の流れる風景が広がります。そして、ここが山里の中にある「京の都」なのです。
全国各地には「小京都」と呼ばれる場所が存在し、古い歴史的な町並みを残して観光地になっている場所がたくさんあります。
それに対し、ここは昔ながらの暮らしがある山里の農村で、風景からは京都のような歴史的町並みや碁盤の目の町並みもありません。しかしながら地名には二条・三条と付けられ、加茂神社もあるのです。
少し離れた場所には「西京」地区もあり、そこには春日神社もあります。
尚、加茂神社には「ノート」が置いてあり、東京や関西からもここへ訪ねて来られる方がいることがわかります。
写真:高橋 しゅう
地図を見る写真は鬼無里の松巌寺(しょうがんじ)にある「紅葉(もみじ)」の絵です。(紅葉が鬼女に変わる様子)
鬼女・紅葉伝説によりますと「昔、平安の時代に京の都より配流された紅葉という美しい女性が、この信州の山里に暮らしていました。紅葉は、京の都を懐かしみ、村人と共に、この地に二条・三条や加茂川、東京、西京と言う平安の都に由来する地名を付けて都を偲んでいました。」とあります。このことが、この地に京の都の地名がある由来になっているようです。
さらに続けますと、「しかし次第に都へ戻る思いを強くした紅葉は悪者に担がれ、やがて都へ戻る資金集めの為に、村々を襲うようになり、人々はやがて紅葉を鬼女・紅葉と呼ぶようになりした。その噂は京の都にも届き、朝廷は紅葉の征伐を行うこととなり、戦いが始まり苦戦の末、紅葉は最後は息絶えることとなりました。」とあります。※詳細は鬼無里観光振興会のサイトにてご覧下さい。内容は諸説あるようです。
この紅葉伝説には「京の都」地名の由来が含まれる他に、「鬼」が居なくなった里が「鬼無里」の地名の由来になっていることも、関係しているのです。
そして鬼女紅葉ゆかりの「松巌寺」には「紅葉の墓」もあります。
鬼無里は長野市内、戸隠、白馬から車で一時間程度の場所にあります。伝説や歴史に触れ、おやきやそばを味わい、のんびりした空気を感じに伝説の里を訪ねてみてはいかがでしょうか。
長野市鬼無里
交通アクセス:長野駅からバス(アルピコ交通)で鬼無里まで約1時間
鬼無里・東京への交通アクセスは鬼無里中心部よりタクシーまたは長野市営バス(月・水・金曜日のみ運行 ※祝日は運休)利用となります。
松巌寺へは、鬼無里バス停より徒歩5分程度です。境内自由拝観です。
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(2024/12/2更新)
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