富士山の登山ブームもあり、富士山の「次」を探して、日本アルプスなどに挑戦された方も多いのではないでしょうか。
雪山は日本の第二の高峰である南アルプスの「北岳(標高3,193m)」にレベル、日程、そして山容も似た山です。山頂は開けており、頂上からは3,000m級の高峰に囲まれた360度の絶景が楽しめます。
つまり、富士山ほどアプローチやサービスに恵まれていませんが、1泊2日程度(場合に応じて前夜泊)で登れる「山らしい山」といったところでしょうか。
玉山と異なる点は、山荘が日本で言うところの「避難小屋」で、食事と寝袋の持参が必要な点です。ちょっと荷物が多くなりますので、悪しからず。一方で、玉山と異なり、入山に“抽選”がないのは良い点ですね。山荘の予約は早いもの勝ちですので、お休みの日程が定まっている人は早めに申請することで、ほぼ確実に予約できます。
玉山の抽選に漏れてしまった方と合わせて、ベテランの方にも富士山の次を探してステップアップをお考えの方にもお勧めの山です。
雪山の魅力は森林限界を超えてから広がる高度感抜群の風景ですが、登山口の高度は2,200m付近ですので、頂上まで結構な高低差(約1,600m)があります。富士山の五合目から登る吉田ルートの高低差が1,450mですので、それ以上になりますね。それゆえに頂上に立った時の達成感もひとしおです。
雪山も富士山のように山中で一泊が最低でも必要になりますが、写真の三六九山荘で3,100m前後の高度になります。すでに北岳の頂上に近い高度です。高山病の症状がでる方も現れます。
そういった安全面の観点から雪山登山には台湾最高峰の玉山と同様、雪覇国家公園(日本の国立公園に相当)での入園・入山のための「事前許可」の取得が必要なので注意してください!
ツアーの場合はツアー会社がこれらの手続きを代行してくれますが、個人で登りたいという方もいるでしょう。その場合の申請手続きは文末に記載しましたので参考にご活用ください。
雪山は山中の山荘の宿泊者上限以外は入山を認めないので、富士山のように登山道や山小屋が混雑することがないのが魅力です。(山荘は事前予約が必要です。予約方法は文末を参照願います。)他の登山者のペースに合わせることなく、自分のペースで登れるわけです。ちなみに入山料もありません。
また登山道も写真のように明瞭に整備されています。ところどころに高山植物の案内版もあります。道迷いによる遭難の心配がないので安心ですね。迷わないよう他の登山者に付いていく必要も無いですね。
のんびりと休憩を挟みながら登ってください。ただしトイレは要所にありますが、道中に水場は2軒の小屋付近のみしかありませんので、気をつけましょう。
登山コースにつきましては、最も一般的な「雪山登山口(武稜)〜雪山」の1泊2日のコースにて次段落からご案内いたします。
雪山の登山口は展望台を付設した非常に眺めの良い高台にあります。
しかし、ここに行くには公園の玄関口である「武稜レジャーエリア」から3時間程度かけて車道を登る必要があり、アプローチが良いとはいえません。車道を登るのは気分的につらいものです。武稜内のホテルに一泊して園内バスに乗せてもらうか、近隣の都市である宜蘭(ぎらん)などからタクシーなどをチャーターし登山口まで運んでもらいましょう。
ここにあります雪山登山口サービスセンター(雪山登山口管理站)では、管理官が当日あなたの泊まる山荘の“宿泊証”をくれますので、無くさないように注意して、山荘までもっていきましょう。
写真の通り登山口からの風景も美しく、この展望台から風景を楽しむために登山客だけでなく観光客も多く訪れる観光スポットになってます。水場もトイレもありますので、のんびりできますよ。
参考までに一般的なコース(雪山登山口〜雪山頂上往復)のタイムを以下に示しておきます。登山口を前にしますと張り切って登りたくなるものです。しかし、急いで登ると高山病になりますので、「ゆっくり」登ることを強くお勧めします。
<1日目:所要6.5時間>
雪山登山口サービスセンター ⇒ 七卡山荘 ⇒ 雪山東峰 ⇒ 三六九山荘※
※ 山荘の水場の水ですが、皆、煮佛して利用していましたので、気になる方は登山用のガスバーナーなど調理器具をもっていきましょう。ガス自体は台北など大きな都市のアウトドアショップで購入可能です。(グーグルマップなどでアウトドア用品を意味する「戸外用品」で検索しますとショップが探せて便利です。)
<2日目:所要9.5時間>
三六九山荘 ⇒ 雪山 ⇒ 三六九山荘 ⇒ 雪山東峰 ⇒ 七卡山荘 ⇒ 雪山登山口サービスセンター※
※長い行程になるため、夜遅くなってしまうことが予想される場合は、七卡山荘など山中にもう一泊する無理のない計画を立てましょう。なお七卡山荘も三六九山荘と同様、寝袋と食事の持参が必要です。雪山登山口サービスセンターの管理官にタクシーを呼んでもらっても良いですが、ここから武稜まで徒歩で降りる場合は、さらに2時間ほど下りますので注意してください。
森林限界を超えてからの眺めは格別です。のんびり風景を楽しみながら頂上を目指しましょう♪
本稿記載時点における雪山登山に必要な各種手続きは以下の通りです。
<日本で行う事前準備・手続>
1.入園許可の申請準備
登山予定日の1ヶ月前〜7日前までの期間に雪覇国家公園のサイト内のApplication Form of Permitという英語のページ(URLは下部MEMO参照)で行います。「Application Form of Park Entry Permit(入園申請書)」をダウンロードし、記入例に従い埋めましょう。
2.入園許可申請&山荘の予約
当該ページの中ほどにあります担当者のEメールアドレス宛てに入園申請書を送りましょう。彼らが記載の内容に従い、道中の山荘(なんと宿泊料は無料!)の予約まで代行してくれます。また入園許可証を返信に添付して送ってきてくれます。印刷して現地に持って行きましょう。
3.入山許可証申請の準備
1で述べた入園申請書式のダウンロードサイトから今度は「Application From of Mountain Entry Permit(入山許可申請書)」をダウンロードし、記入例に従い空欄を埋めて印刷します。申請書にはあらかじめその他の必要資料(IDのコピーや登山計画書など)が印刷されてますので作成して持って行きましょう。
<現地で行う事前手続き>
4.入山許可証の取得
各都市から武稜にバスなどで着いたら、バス停のある中心部から登山口に向かって30分〜40分ほど歩いた場所にある「警察署」で、上述3で用意した資料及び入園許可証を提示して、事前に「入山許可証」を取得してください。
雪山登山口サービスセンターや警察署、バス停の位置関係につきましては、下部MEMOのマップで参照のうえご活用ください。
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