写真:六三四
地図を見る明治新政府での「遣韓大使派遣論」(俗に征韓論と呼ばれている)が為らなかった西郷さんは、明治6年10月23日鹿児島へと帰郷しました。そして翌年明治7年7月から10月にかけて現在の宮崎県えびの市の「白鳥温泉」を訪れています。滞在中、篠原国幹(のちの西南戦争で西郷軍第一大隊指揮長)に次のような手紙を送っています。
〜篠原国幹宛書簡〜
「実にこの地は霊境にて、気候秋の央を過ぎ候位に御座候。今暫らくは入湯の賦にて御座候・・・最早や世間広く相成囲を解かれ、多幸の仕合はせに御座候」
西郷さんは白鳥温泉の風景を好み、狩りに出かけ、湯に浸かり、地元の子供たちとふれあったと伝えられています。鹿児島の鰻温泉をはじめ各温泉地でも同様の過ごし方をしています。これが西郷さん流のリフレッシュ法なのかもしれません。白鳥温泉には、3か月も逗留したそうですがよほどこの地が気に入ったんでしょうね。
※展望台には西郷さんが詠んだ漢詩碑が建立されています。
写真:六三四
地図を見る西郷さんが風景の素晴らしさを気に入った「白鳥温泉」は、今ではえびの高原の観光スポットとなりロッジ風の建物が作られています。宿泊施設、食堂、物産販売所も併設されて多くの方が訪れる人気のスポットとなっています。
男女別浴室には西郷さんがいたく惚れ込んだ眺望が自慢の露天風呂。
えびの市街地のある加久藤盆地(かくとうぼんち)が眼下に広がり四季折々の表情を楽しませてくれます。
写真:六三四
地図を見る敷地内には浴室のある建物とは別に温泉蒸気を利用した天然蒸し風呂の浴舎もあります。
室内は温泉蒸気が充満しかなりの高温。入口に置かれたバケツ(写真)に水風呂から自分で水を組んで入室するのが鉄則。座面の冷却と衛生面もかねて、座るあたりに水を撒きそこでしばし蒸し浴。温まったら水風呂に入るの繰り返し。
以下白鳥温泉蒸し風呂利用のお願い文
・入室は二人以上にして下さい。一人で入るのは絶対止めてください。
・入室は5分程度にして下さい。長時間は危険です。
『強烈』な蒸し風呂・・・白鳥温泉の蒸し風呂のすごさが伝わってきます。
写真:六三四
地図を見る白鳥温泉の裏山には「白鳥温泉地獄」とよばれる噴気地帯があります。
地獄入口から山を登ること約5分。距離はさほどではありませんが途中急な斜面もありますので下駄やスリッパはやめましょう。
西郷さんはこの山肌を昇る地獄の湯煙を見ながら何を感じ何に思いを巡らせたのでしょうね。
白鳥温泉上湯
【温泉名】白鳥温泉
【住 所】宮崎県えびの市末永1470
【電 話】0984-33-1104
【泉 質】単純温泉
【適応症】神経痛,筋肉痛,関節痛など
【立寄湯】¥300
【宿 泊】1泊素泊まり¥2,850〜
写真:六三四
地図を見る白鳥温泉はこれまでご紹介してきた「上湯」と「下湯」と呼ばれる2つの温泉があります。
「白鳥温泉下湯」は「白鳥温泉上湯」から県道30号線を少し下ったところにあります。「上湯」は観光色の強い温泉ですが「下湯」はどちらかというと地元の方がゆっくり入る温泉というイメージがあります。
こちらの温泉は西郷さんではなく与謝野鉄幹晶子夫妻が訪れており駐車場横に白鳥温泉で詠んだ歌の歌碑があります。
きりしまの しらとりの山 青空を 木間に置きて しずくするかな 寛
霧嶋の 白鳥の山 しら雲を つばさとすれど 地を捨てぬかな 晶子
野趣あふれる露天風呂を備えた大浴場「上湯」の絶景とはいきませんが木々の音、小鳥のさえずりが聞こえてくるのどかで雰囲気の良い温泉です。
「白鳥温泉上湯」「白鳥温泉下湯」は、えびの高原観光ルート上にあります。
西郷さんが入った「上湯」、与謝野晶子夫妻が訪れた「下湯」是非お立ち寄りください。
白鳥温泉下湯
【温泉名】白鳥温泉
【住 所】宮崎県えびの市末永1470
【電 話】0984-33-3611
【泉 質】単純温泉
【適応症】神経痛,筋肉痛,関節痛など
【立寄湯】¥300
【宿 泊】1泊素泊まり¥2,850〜
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(2024/12/12更新)
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