周囲約10kmの勾玉型の小さな島がある。淡路島からわずか3kmしか離れていないにもかかわらず、地質的にも全く異なる奇岩・岩礁に囲まれた島が「沼島」だ。まずは、沼島のパワースポットを紹介をする前に国生み神話について簡単に説明しておく。
日本最古の歴史書「古事記」によると、まだ神々が天井の世界に住まわし頃、混沌とした下界に国を作ることを命じられたイザナギ・イザナミの二神は天浮橋(あまのうきはし)に立ち授けられた天沼鉾(あまのぬぼこ)で青海原を「こをろこをろ」とかきまぜ、引き上げた矛先からしたたり落ちた雫が重なり固まって出来たのが「自凝(おのころ)島」だと書かれている。
この「おのころ島」の最有力候補が沼島というわけだ。
写真の奥にそびえ立つのが沼島のシンボル的存在の奇岩「上立神岩」だ。竜宮の表門とも呼ばれている。
古事記は、「二神は自凝島に降り立ち天御柱と八尋殿(やひろどの)を建て夫婦の契りを結んだ」と続く。
この写真の切り立った奇岩を上立神岩(かみたてがみいわ)といい、男神イザナギが降り立った天御柱だとされている岩だ。
岩の中央にくぼみがあるのがわかるだろうか?ハート形に見えると恋愛が成就されるパワースポットとして話題になり夫婦円満・恋愛成就を願い、この沼島へと訪れる人が増えているという。
南に目を向けると平バエ(*)と呼ばれる岩礁がある。これが神が契りを結んだとされる神聖な場所、八尋殿にあたるとされている。その先には、女神イザナミが降り立った下立神岩(しもたてがみいわ)も存在している。昭和9年の室戸台風で上半分が崩壊してしまったが穴のある大きな岩だったそうだ。
(*)沼島では磯のことをバエと呼ぶ。
写真:塚本 隆司
地図を見る島の中心から少し離れた山の上には、イザナギ・イザナミの二神を祀る「自凝(おのころ)神社」がある。
参道を登って行くと社へとまっすぐに伸びる階段があらわれる。決して大きくもなく荘厳さのある社とはいえないのだが、凛として身が引き締まるような空気を感じる空間だ。天地創造の神を祭る社から見る沼島の風景も神秘的で神の息吹を感じるようにも思える。
写真のイザナギ・イザナミ二神の像は社の脇に建っている。
写真:塚本 隆司
地図を見る沼島の土産におすすめしたいのが「福ぞうり」
履ける草履ではなく、根付けのストラップだが見ての通りなんともかわいい。
江戸時代から伝わる草履だそうで、豆草履とも言われ「どうぞ、おまめに(達者で)」と旅の無事を祈り人に差し上げていたそうだ。財布に入れれば「おあしが入る」と縁起も良い。島のお年寄りがひとつひとつ手作りされているというのも驚きだ。心が温まる最高のお土産ではないだろうか。
1つ300円、お買い求めは“沼島総合観光案内所 吉甚 〜よしじん〜”へ
沼島に訪れた際には、まずここへ行くのが良いだろう。
写真:塚本 隆司
地図を見る沼島への交通手段は沼島汽船を使うことになる。洲本発と土生(はぶ)港発の航路があるが洲本発は火木土に各一便ずつの週3便しかない。土生港は毎日各10便の発着があるので気軽に観光に行くならはこちらがオススメだ。
マイカーで洲本方面から向かうなら、天気が良ければ海沿いの県道を走ることをオススメしたい。とにかく海岸沿いの景色が気持ちいい。山間の道を抜けて海に出た瞬間の興奮を是非味わって欲しい。
ちなみにカーナビなど設定する際は「土生港」よりも「灘ターミナル」で検索する方がよいようだ。
沼島汽船(沼島⇔土生)
所要時間:約10分
料金 往復:大人900円 子供460円
沼島の代表的なパワースポットを紹介したが、ほんの一部にすぎず紹介しきれない。漁船で巡る奇岩クルーズ、島内一周ウォーキングや沼島八十八ヵ所霊場巡りなど、見所満載の島だ。そして豊富で新鮮な海の幸。是非泊まりがけで満喫したいスポットなのだ。
一度訪れるとまた行きたくなるパワースポット沼島。様々な良縁が結ばれること間違いない。
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(2024/9/18更新)
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