舗装された幹線道路から脇道に入り、田畑の間のガダガタ道を走り抜けること15分。こんな所に本当にあるの?と心配になるような場所に「ルヌガンガ」はあります。
都会の喧騒を離れて聞こえるのは、風の音に乗って届いてくる鳥達の美しいさえずりと、木々のざわめきだけ。門にあつらえられた鐘を鳴らせば「ルヌガンガ」のスタッフがゆっくりと出迎えてくれます。
建築家として歩むきっかけとなった「ルヌガンガ」の地。生前は仕事場として、また別荘としてプライベートな友人をよく招いていたそうです。そして2003年に84歳で亡くなったバワの遺言通り、湖と邸宅の両方が見渡せる、小高い丘に立つ木々のたもとで、今は静かに眠っています。
バワの最初にして終焉の地「ルヌガンガ」は単なるホテルではありません。バワの邸宅に招待されたのです。至れり尽くせりのサービスはありませんが、気が置けない友人の家に招かれたような、そんなおもてなしを受けてください。
広い敷地に点在する建物と、自然と調和するかのように置かれたアンティークの数々。そして、バワ本人がお気に入りだった庭園のあちらこちらには、ひと休みできる椅子が用意されています。
湖畔に出れば、風に揺られて波打つ湖面と、昔ながらの漁法で漁をする地元の人々を目にすることでしょう。どこを歩いてもバワの精神と息遣いが聞こえ、美しい景色からは目が離せなくなります。
提供元:遠藤隆尚
地図を見る「ルヌガンガ」には6つの客室が用意されています。それぞれ全く趣きが違うので、どの部屋に宿泊するかが悩ましい問題です。
掲載写真のお部屋は、空中に浮かんでいるかのような「THE GLASS ROOM」です。日本の長屋と蔵を彷彿(ほうふつ)とさせる室内には、彼が選んだ調度品とアンティークが並んでいます。リスや小鳥たちも遊びくる「THE GLASS ROOM」の、リクライニングチェアに身を沈めれば、旅の疲れも一瞬でとれるほどのリラクゼーションを得られるでしょう。
提供元:遠藤隆尚
地図を見るお勧めは何と言っても、バワが愛したレシピを再現しているスリランカ・カレー。オーダー時に好みを伝えると、それに合わせた調理もしてくれます。
どこで食べてもおいしいスリランカ・カレーですが「ルヌガンガ」のカレーは格別です。素材の持味を存分に引き出した、からだに染み込んでいくような、そんな慈愛にあふれたスリランカ・カレー。他店では口にできない味です。
チェックアウトは12時ですが、ランチ(別料金)もいただけます。朝食時にスタッフにお願いしてみましょう。
バワは「ルヌガンガ」を完成させることなく、この世を去りました。未完成となった「ルヌガンガ」からは、まるで時が止まったかのような印象を受けるかもしれません。しかし、朝陽を浴びて美しい緑の葉を広げる木々の小枝や、小鳥達やリスなどそこに暮らす生き物が、ジェフリー・バワの精神を引き継ぎ未来へと時を動かしています。
■ルヌガンガ(Lunuganga)
住所:Dedduwa Lake, Bentota
TEL:(091)4287056(スリランカの国番号+94)
料金:部屋により異なります。(朝食付)
見学のみ:庭園・一部の建物、ランチ込も可能です。
詳細はMEMOの「Geoffrey Bawa Trust(英語)」を確認してください。
■アクセス
コロンボ・バスターミナルからゴール(GALLE)行き、もしくはその先のマータラ(MATARA)行きなどに乗り、ベントタ(BENTOTA)で下車。コロンボからベントタまで約2時間ほど。バスは1時間に数本出ています。
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