世界遺産の仁和寺は、嵯峨野の嵐山と金閣寺を結んだところのちょうど中間地点あたりで、「宇多野」と呼ばれる位置にあります。
一番札所霊山寺から、順番に四国の八十八ヶ所と同じ名前をつけた八十八の小さなお堂が山道沿いに並んでいて、小高い山の上り下りを歩き、その全てを巡ることができます。途中、国境には「是より阿波の国」、「是より土佐の国」、「是より伊予の国」、「是より讃岐の国」と書かれた目印が建てられていて、コンパクトに四国を巡る達成感が味わえます。
上の写真は一番札所・霊山寺。ここからスタートです。
本場と同じように、阿波の国は発心の道場 (一番札所から二十三番札所まで）、土佐の国は修行の道場（二十四番札所から三十九番札所まで）で、お堂が並んでいます。まず一番札所・霊山寺で、八十八ヶ所めぐりが達成できるようにと願をかけましょう。そこからスタートです。
途中の山道は、写真のようなこんもり茂った森の中や、尾根道などを進んで行きます。二十三番札所・薬王寺の付近にはベンチが一つ置いてあり、京都市内の南西部から長岡京方面を見通すことができます。
四十三番札所・明石寺近くの少し山道からそれたところに「愛宕山眺望所」があります（本能寺の変の直前に明智光秀が山頂にある愛宕神社を参詣したことでも知られている愛宕山です）。
ここで愛宕山を遠目に見てから山道を進むと、まもなく、伊予の国の四十八番札所・西林寺のある成就山の頂上に到着します。成就山は標高２３６ｍです。所要時間は、一番札所からゆっくりとハイキングして一時間ほどです。ここにベンチがあって休憩できますが、大休憩はもっと眺望が広がる少し先の展望所がおすすめです。
五十番札所・繁多寺と五十一番札所・石手寺の間に、ベンチが設けられている休憩所があります。眼下に京都市内が広がる眺望絶佳の場所です。東の大文字山から西の長岡京あたりまで見渡せますので、ここで一休みすると良いでしょう。
京都駅の場所は駅前の京都タワーが目立つのですぐわかります。二条城、京都御苑の大きな緑地帯も見えます。眼下には仁和寺、妙心寺の境内、双ヶ丘を見ることができます。
伊予の国は菩提の道場 (四十番札所から六十五番札所まで）、讃岐の国は涅槃の道場 (六十六番札所から八十八番札所まで）。一番札所からゆっくり歩いて約二時間ほどで、結願所の碑の経つ八十八番札所の「大窪寺」に到着します。一番札所から全てを巡って、ここまで来るとで大願成就した気分になれます。
途中一か所、五十三番札所・円明寺の上り口に、２～３ｍほどの足場の悪い鎖場があります。讃岐の国（香川県）には溜め池が多いイメージがありますが、そんなことからできた池でしょうか。また、六十八番札所神恵院は小さな池の中にお堂があります。
ふだんは人気の少ない山道（散策路）なので、一人で巡るのではなくてグループでのハイキングか、仁和寺が年に数回主催しているスタンプラリー【「八十八ヶ所ウォーク」 京都で四国八十八ヶ所霊場を巡拝しよう】というイベントへの参加をおすすめします。世界遺産の仁和寺の拝観も是非忘れずに。
仁和寺仁王門前の道路は「きぬかけの路」と呼ばれています。ここ仁和寺から東に向かって歩いて行くと、世界遺産に名を連ねる２つの有名なお寺をさらに巡ることができます。ほど近いところには石庭の「龍安寺」、またさらに東に進むと「金閣寺」にも訪れることができます。逆に西方向に進むと、嵯峨野の「広沢の池」、「大覚寺」に行くことができます。
世界遺産のお寺を巡りながら「大願成就」の願掛け。京都観光の際には是非一度チャレンジしてみてください。
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(2024/4/19更新)
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