写真:渡部 洋一
地図を見るマラッカで夕陽を見るのなら、なんといってもセントポールの丘の上がオススメです。マラッカの街の中心に位置する小高い丘の頂上に16世紀ポルトガル人によって建てられたセントポール教会があり、夕刻、その教会の前に多くの人々が集まります。
丘の麓、ポルトガル軍によって造られたサンチャゴ砦の中をくぐると、頂上への階段が始まります。5分もかからない上りなので、太陽が傾き始めてから上っても十分間に合います。
写真:渡部 洋一
地図を見る丘の上には、多くの人が集まります。皆、マラッカの1日で1番美しい時を待っているのです。
そこには観光客だけでなく地元の人も多く、その顔立ちや肌の色、服装等から、マレーシアが多民族国家であることを実感します。
夕陽はもちろん、それを見に集まる人々の姿にも、この国の魅力の一端を垣間見ることができるのです。
写真:渡部 洋一
地図を見るマラッカ海峡に陽が沈む光景は、息を飲む美しさです。それは単に視覚的な美しさだけでなく、この海峡の持つ歴史の重みが、そこに沈む夕陽を本当に多くの人々が特別なものとして眺めてきたであろう事実が、その魅力をよりいっそう際立たせているのでしょう。
大航海時代、マラッカ海峡は季節風を利用した貿易船で賑わい、シルクロードに匹敵する海上の道として繁栄を極めました。その時代も、今と同じく美しい夕陽が、行き交う船と商人たちを照らしていたのでしょう。そう思うと、今にも目の前の海峡に無数の船の影が浮かんできそうな気がします。
旅行好きに絶大な人気を誇る小説「深夜特急」の中に、マラッカについての記述があります。
「ただ夕陽を見たかった」、たったそれだけの理由で、作者沢木耕太郎氏はマラッカを訪れました。マラッカの街中に点在する数多くの名所旧跡ではなく、「マラッカの夕陽」という響きに憧れを抱きこの地を訪れる旅人が、沢木氏の他にもたくさんいるのかもしれません。それだけで充分な理由になるほど、マラッカで見る夕陽は魅力的なのです。
写真:渡部 洋一
地図を見る大航海時代の主役たちも見たであろう、ドラマチックなマラッカの夕焼け。
「海の博物館」に置かれる巨大な木造船のマストは、500年前の貿易船が今この瞬間に蘇ったかのようです。今にも大きな帆を広げて航海に出て行きそうなそのシルエットは、セントポールの丘から望む夕景を特徴づけるシンボルと言えます。
南国の夕焼け空に浮かび上がる歴史ロマンは、マラッカならではの旅の記憶となることでしょう。
マラッカを称える有名な言葉があります。
「マラッカを知ることは、マレーシアを知ることである」
マレーシアにおけるマラッカという街の存在の大きさがよくわかりますね。
もちろん夕陽を見ただけではマラッカを知ることにはならないし、マレーシアを知ることもできません。しかし、少なくともこの夕陽を見なければ、マラッカを知ることはできないと思える絶景がそこにはあります。
世界三大夕陽の名所がどこであるかについては、諸説あります。しかし、ある人はそこにマラッカを数えなかったとしても、古の船員たちも見たであろうマラッカの夕陽の輝きが薄れることは、決してありません。
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(2024/10/12更新)
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