ラピュタの天空城?!狂気王が築いた世界遺産「シーギリヤの古代都市」

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ラピュタの天空城?!狂気王が築いた世界遺産「シーギリヤの古代都市」

ラピュタの天空城?!狂気王が築いた世界遺産「シーギリヤの古代都市」

更新日:2014/10/30 14:22

遠藤 まさみのプロフィール写真 遠藤 まさみ 世界遺産探検家、ホテルマニア、クラフトビア愛好家

「天空の城!ラピュタだ!」と、思わず叫んでしまいそうなスリランカの世界遺産「シーギリヤの古代都市」。ジャングルの中にそびえ立つ孤高の一枚岩、下界とは隔絶されたテーブルマウンテン、岩の上に築き上げた天空の城は、たったの11年で主を失い、いつしかジャングルの海の中へと埋もれてしまいました。

スリランカの中央部・文化三角地帯に位置する、狂気王の天空城「シーギリヤの古代都市」の歴史と絶景へ誘いましょう。

修行場から天空の城へと変貌を遂げた「シーギリヤ・ロック」の歴史

修行場から天空の城へと変貌を遂げた「シーギリヤ・ロック」の歴史

提供元:遠藤隆尚

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時は5世紀頃。アヌラーダプラの地の王家に生まれたカッサパ1世ですが、彼の母は庶民出身であったため、王家の血筋を引く異母兄弟である弟に王位が継承されるのではないか?という不安に駆られていました。そして自らが王になるために、父王を監禁・殺害をするという暴挙に出てしまいます。これを見た弟は、命の危険を感じてインドへ亡命します。

望み通りに王位を手に入れたカッサパ1世ですが、弟による報復を恐れていました。そこで、古代より仏教の修験場だったシーギリヤ・ロックに目をつけ、岩山の上に宮殿を造り、アヌラーダプラから移り住みます。しかし戦いを挑んできた弟にいともあっさりと敗れ、自害したと言われています。

たった11年という短い在位期間とその行動から「狂気王」と呼ばれていたカッサパ1世。その狂気王が残した「シーギリヤの古代都市」の見所をご紹介します!

シーギリヤ・ロックの麓で当時の最先端技術を見てみよう

シーギリヤ・ロックの麓で当時の最先端技術を見てみよう

写真:遠藤 まさみ

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シーギリヤ・ロックの麓に目を向けてみましょう。麓には天空の城を囲むように水路・庭園・貯蔵施設などが配置され、その外側には市街地が広がっていたと言われています。

■見所 1:博物館で出土した遺物や造園技術を学ぼう
チケット売り場の裏側、ハスの花が美しい池の側の道を通り抜けると、シーギリヤの博物館があります。シーギリヤ・ロック周辺で出土した遺物や、造園技術の説明、修復作業の様子などが見られます。しかもこの博物館、日本の政府開発援助(ODA)により建築された私たちと縁のある博物館なんですよ!

■見所 2:噴水まであった「水の庭園」
入口はシーギリヤ・ロックを取り囲む堀の外側から。当時は、ここにワニが放たれていたそうです。堀の上の橋を渡り「シーギリヤの古代都市」に足を踏み入れましょう。噴水まであった「水の庭園」は、当時最先端の造園技術と言われています。池と池の間には、赤いレンガが張り巡らされています。この下にある水道管を通じて、水が供給されていました。

■見所 3:行く手を阻む巨石と僧侶の瞑想の場
シーギリヤ・ロックの足元には、たくさんの巨石が配置されています。行く手を阻む自然の城壁だったのか、岩の上へと続く階段跡が見られます。また12〜13世紀まで寺院として使われていたため、巨石の下には僧の瞑想(めいそう)場がたくさん残されています。

シーギリヤ・ロックの中腹にこそ、見所が詰まっています。

シーギリヤ・ロックの中腹にこそ、見所が詰まっています。

提供元:遠藤隆尚

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南北約180m・東西約100m・高さ約200mの、溶岩石でできた一枚岩「シーギリヤ・ロック」に登ってみましょう。当時の階段と絶壁の岩肌に鉄の階段が設えてあります。

■見所 4:岩肌に描かれた謎の美女「シーギリヤ・レディ」
なぜこんな所に?とも思える不可解な場所の壁面に、一番の見所とも言われている「シーギリヤ・レディ」のフレスコ画があります。現在、18体の美女が私たちを迎えてくれますが、風化する前は500体もあったそうです。天女とも城に使えた女中とも言われる「シーギリヤ・レディ」は、スリランカにおいて唯一の非宗教的な壁画でもあるそうです。スリランカの紙幣にも描かれている「シーギリヤ・レディ」の不思議な微笑みから目が離せなくなります。

■見所 5:光輝く「ミラーウォール(鏡の回廊)」
王が自分の姿を映すために磨き上げた壁と言われる「ミラーウォール」は、「シーギリヤ・レディ」のある螺旋(らせん)階段を降りた所にあります。卵白や蜂蜜・石灰を混ぜた漆喰(しっくい)に、磨きをかけて造られた壁面は、太陽の光を鏡のように反射させています。かつてはこの壁の反対側にもフレスコ画があり、壁に反射して幻想的な風景を見せていたと言われています。「ミラーウォール」をよく見ると、落書きのような文字がたくさん書かれていますが、7〜11世紀に訪れた参拝者が刻んだ詩なのだそうです。

■見所 6:「エレファント・ロック」
「ミラーウォール」から続く階段を登りきった所で、眼下に広がる景色を眺めてみましょう。緑地に赤いレンガのコントラストが美しい「水の庭園」と、その右横には、ひときわ大きく黒い巨石「エレファント・ロック」を目にできます。「エレファント・ロック」はその名の通り、象に似ているからなのですが…想像力を働かせてみてください。

インドを見据えていた「ライオンの入口」

インドを見据えていた「ライオンの入口」

提供元:遠藤隆尚

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「ミラーウォール」を通り過ぎて、岩肌に沿うように設えられた道を歩くと、見晴らしの良い広場にやってきます。そこは、ライオンの爪が鋭く光る天空の城への入口です。

■見所 7:ライオンの入口がこの地の由来?
シーギリヤはシンハラ語で、シンハ(ライオン)・ギリヤ(のど)という意味からきていると言われています。ライオンに見立てた岩に、鋭い爪を持った足が、力強くまるで門番のように、城へと続く階段を見張っています。以前は頭部もあり、ライオンの喉元に飲み込まれるような姿をしていた、と言われています。そして注目すべきは、この入口の方向です。インドへ亡命した弟の逆襲を恐れていたカッサパ1世は、このライオンの門をインドの方角へ向けて、にらみを効かせていたのです。

■見所 8:入口には「ムーンストーン」が
スリランカの仏教寺院で多く目にする、半月の形の石「ムーンストーン」が、ライオンの入口に置かれてます。「ムーンストーン」は、仏教の輪廻転生(りんねてんしょう)の考えを刻んでいるのですが、もしかしたら殺害した父王への弔いを意味していたのかもしれませんね。

*この周辺の岩肌には大きな蜂の巣があり、注意が必要です。

孤独な「天空の城」で、王は何を思うのか

約1000段の階段を登りようやくたどり着いた天空の城は、5世紀に造られた遺跡と、360度のパノラマの絶景が広がっています。高低差200mの一番高い位置に王宮を配し、段々畑のように下りながら、ダンスステージ・プール・貯水槽や従者の居住跡など、このようなへんぴな場所に、たった数年で造り上げたとは思えない素晴らしい遺跡です。

スリランカ中を見渡せるのではないか、と思えるほどの絶景を目の当たりにすれば、確かにスリランカの王であることを実感するでしょう。それと同時に周りに何もなく、吹き飛びそうなほどの強風と荒涼とした天空の城跡が、王の孤独と恐怖を今に伝えているのかもしれません。

孤独な「天空の城」で、王は何を思うのか

提供元:遠藤隆尚

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スリランカの「文化三角地帯」と併せて観光しよう

いかがでしょうか。スリランカの観光スポット一番人気とも言える「シーギリヤの古代都市」は、その歴史を知れば知るほど楽しめる場所です。スリランカの世界遺産のあるダンブッラやポロンナルワから、日帰りで行けますが、じっくりと時間をかけて観光し、夕焼けや朝焼けに染まる「シーギリヤ・ロック」を眺めてみてください。
美しい旅の思い出がまたひとつでき上がるでしょう。

■アクセス
ダンブッラより:バスで約40〜50分。
ポロンナルワより:バスで約2時間〜3時間。イナマルワ・ジャンクション(Inamaluwa Junction)で、ダンブッラ方面から来るバスに乗り換え。
下車後入口まで徒歩約10〜15分。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/03−2014/06/04 訪問

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