鎌倉・建長寺の歩き方、ここですべて教えます!!

鎌倉・建長寺の歩き方、ここですべて教えます!!

更新日:2014/09/30 16:25

JR横須賀線北鎌倉駅と鎌倉駅のほぼ中間にあるのが、建長寺。臨済宗の総本山として有名ながら、寺院としても広く、丸1日使っても時間が足りないくらいです。鎌倉の寺院の中でもメジャーな建長寺、知って得するポイントをここでご紹介します。

境内に入る前にも見所あり

境内に入る前にも見所あり
地図を見る

建長寺が建立されたのは、1253年のこと。5代執権北条時頼が創建した禅宗寺院です。現在では、「鎌倉五山の第一位」と伝えられていますが、これは中国のしきたりに倣って、幕府によって設けられた禅寺に対してつけられた格付けで、その中の第一位が建長寺ということになるのです。また、禅宗の宗派のひとつである臨済宗建長寺派の大本山ともなっています。

建長寺へのアクセスは、JR横須賀線北鎌倉駅または鎌倉駅よりバスを利用するのが便利です。また、北鎌倉駅からは徒歩15分ほどで訪れることができます。境内の前には有料の駐車場が用意されているので、車で直接行くことも可能です。

境内は……、と、説明する前に、そこに入るための総門をじっくりと観察してみてください。元は京都の般舟三昧院というお寺から移設されたもの、掲げられた額は「巨福山」と書かれていて、一山一寧という建長寺の10世住持の筆と伝えられる名筆なのです。
「巨」の文字に点が加えられているのが特徴で、「百貫点」と呼ばれることもあります。

境内一帯は国の史跡

境内一帯は国の史跡
地図を見る

さて、境内に入ってみましょう。
建長寺境内は国の史跡として指定されています。そこに存在する建築物も、国宝であったり国の重要文化財に指定されているものが多数あります。写真の仏殿もその中の重要文化財に指定されている建物です。本尊の地蔵菩薩像はここに安置されています。
建長寺にある鐘は、建立当時から遺されている数少ない品物のひとつで、国宝に指定されているもの、日本における「禅寺」という言葉が初めて書かれたのは、この鐘だとか……。

実は建長寺、時代を伝える建築物だけではなく、石碑が多く、大小有名無名を問わず様々なところに設置されています。
大きさと知名度で代表とされそうなものをひとつ選ぶなら、明治から昭和にかけての書家、比田井天来の偉業をたたえた「天来先生碑銘」。弟子の書家である上田桑鳩の手による楷書の文字が格調の高さを見せる作品なので、是非間近で観察してみてください。

庭園は四季折々の変化を見せる

庭園は四季折々の変化を見せる
地図を見る

建長寺方丈裏の庭園にある池は、「心」という文字をかたどって作られたために、「心字池」とも呼ばれますが、心という文字を草書で崩すと点三つなので、「何となく……」文字に見えればよいでしょう。

この庭園は、初夏から秋にかけて、緑色の芝生が美しく整えられていますが、過去の発掘調査ではもっと規模の大きな庭園だったことが知られています。ただし、往時を偲ぶ心が無くとも、この一帯には特別な美しさを感じることができます。秋深くなると周囲の丘の緑の木々が赤や黄色に染まって、いっそう美しさを際立たせることになります。

方丈は本来、住職の居間として使われる場所ですが、建長寺の場合、中を見ることは自由で、住職が座禅を組んでいるところに遭遇することもあります。また、各種催し物が行われる機会も数多い場所であります。

ちなみに、建長寺では、過去にサザンオールスターズがライブを行ったことがあるのですが、そのときの会場は山門前でした。

なお、方丈の入口である唐門、これも重要文化財に指定されていますが、2011年修復完了と最近のことなので、当時の美しさを目の当たりにするために、是非訪れておきたいところです。

天狗の集う山奥は知られざるパワースポット

天狗の集う山奥は知られざるパワースポット
地図を見る

もうひとつ。
境内からちょっと離れた丘の上にある半僧坊へ行ってみましょう。

建長寺と天狗は深い関係にあります。
「半僧坊」とは、建物を指すこともありますが、話によっては人物を指すこともあります。出家して、臨済宗の僧侶に仕えたものの、仏門の弟子ではなかったため、半分だけが僧侶、そこから半僧坊と呼ばれているそうですが、その半僧坊が天狗として祀られています。

階段を上って建物が近くなると……。
天狗に会えました。
それもひとつだけではなく、数多くの天狗の像に囲まれて、半僧坊が建てられています。
ここは近年のパワースポット探索が広まることによって、注目されている場所でもあります。大昔、火事は天狗の仕業とされていたのですが、天狗を祀ることによって火災防止になるという言い伝えがあったのです。彼等を観察してみると、鼻の高いのもあれば烏天狗もいるなど、バリエーション豊かでした。

ここは展望台になっていて、天気のよい碑には相模湾を一望できます。
天狗の顔は、現地に行ってお目にかかってくださいね。

建長寺のその他見所は……

建長寺の敷地は広く、半僧房まで往復して隅々まで観察すると、少なくとも半日を要します。
取材は秋の初めだったので、紅葉のシーズンにはもうしばらく時間がかかるという頃、これからのイベントとしては、毎年11月3日前後に「宝物風入れ」という行事があり、普段は公開されない国宝級の収蔵物を見ることができます。また句会その他のイベントにも使われることがあり、それをきっかけに訪れる方もいるでしょう。

鎌倉の寺院は、どれも自然と人工で作られた部分が融合した美しさをもっていますが、建長寺はその中でも有名な場所、これからの季節が美しさを増すので、一度は訪れてみることをお勧めします。境内を心ゆくまでじっくりと見るのであれば平日に、賑やかさを求めるのであれば休日がよいでしょう。

拝観料:¥300(大人)

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/28 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -