写真:橘 凛
地図を見るミュンヘンのクリスマスマーケットは、市内中心地のマリエン広場界隈を中心に開催されます。マーケットで販売されているものはさまざま。多種多彩でお値段もかわいいクリスマスオーナメントや定番のくるみ割り人形はもちろん、聖夜を彩るキャンドル、スウェードと羊毛を組み合わせた暖かい室内スリッパや、プレッツェルや焼き栗といったファーストフード、そしてオリジナルのグリューワインも!
約1ヶ月の間は、イベントも盛りだくさんです。マリエン広場には、毎日サンタクロースが訪れ、一緒にお話したり、記念写真を撮ったりすることができます。
また、毎晩17:30からはクリスマスキャロルの生演奏が催されます。クリスマスイブの日は正午からとなっています。12月11日と18日の日曜日の夕方には、伝統衣装に身を包んだ聖ニコラスとそのお仲間が現れ、行き交う人々を驚かせてくれます。
きっと、歩いているだけでウキウキと心が弾んでくるはずです。
例年、ドイツを含むヨーロッパのサマータイムが終了するのが、10月最終の日曜日。それからは一気に日照時間が短くなったように感じられます。12月のドイツは、かなり南にあるミュンヘンでも、朝8時過ぎにようやくあたりが明るくなり、そして夕方16時過ぎには薄闇を感じ始めるようになります。夜間は氷点下になるほど冷えることもめずらしくありません。
クリスマスマーケットが4週間前から開催されるのは、キリスト教でアドヴェントという準備期間であるからです。人々は、クリスマスマーケットやデパートで、家族や親しい人達へのプレゼントを買い込み、クリスマスに向けての準備をします(年が明けた1月からは日本と同じく、一気にセールが始まるので、お店側はかきいれ時です!)。クリスマスから年末年始にかけては2週間程度の休暇があるので、人々はそれぞれの家庭に帰り、ゆっくりと過ごします。
クリスマスを終えてから本格的に始まる長く暗い冬に備えた、いわば最後のお祭りがクリスマスマーケット。だから、人々の笑顔がより輝いて見えるのかも知れません。
クリスマスマーケットの名物といえば、グリューワインの右に出るものはないでしょう。グリューワインとは、温めたワインにシナモンやはちみつ、砂糖などを加えた、冬にぴったりの体にやさしい飲み物です。お酒に弱い方やお子様向けには、キンダーパンチというノンアルコールのグリューワイン風飲み物があるので、そちらがおすすめ。
グリューワインは約5ユーロ前後で提供している屋台が多いですが、大抵はマグカップ付の価格で、マグを返却すれば約2ユーロ程度の返金がされるという仕組みになっています。が、マグカップは、写真のように可愛らしいポット型やブーツ型があり、ぜひ記念として持ち帰るのがおすすめ。これからの冬、おうちで自家製グリューワインを試してみるのも良いですね。
マリエン広場は、ミュンヘンを象徴するネオゴシック調の美しい市庁舎があることで有名です。例年、市庁舎前には、クリスマスマーケットの14日前に、ミュンヘン消防署によって大きなクリスマスツリーが設置されます。2500を超えるイルミネーションの光が人々の目を楽しませてくれます。
そして忘れてはいけないのが、市庁舎の塔に位置するからくり時計Glockenspiel(グロッケンシュピール)。ドイツ語で、鉄琴の意味も持つ通り、43もの鐘がおとぎの国のような音楽を響かせながら時刻を告げます。それに合わせ、32体の人形が、約10分間にわたり、1568年に行われたバイエルン公の華やかな結婚式の模様を繰り広げます。人形は遠目には小さくてよくわかりませんが、実物は等身大の大きさがあるそうです。
気をつけたいのが、からくり時計は毎時間演奏されるわけではないという点です。毎日11時・12時・17時の3回行われます。食事の時間と重なりやすいので、ご注意くださいね!
前述の通り、例年12月のミュンヘンはかなり冷えるので、防寒着をお忘れなく。分厚いコートだけでなく、帽子・手袋・マフラーそしてブーツは必須です。
キーンと冷えた空気の中、柔らかな光と暖かい想いが溢れるクリスマスマーケット。目に映るすべてが夢の中のように輝いて見えることでしょう。旅先でふと思い出したあの人に、何か贈り物を探してみませんか?
この記事を書いたナビゲーター
橘 凛
イタリア在住ライターの橘 凛(たちばな りん)です。南欧をメインに、ヨーロッパ最新情報を現地の声たっぷりにお届けします。いつもよりちょっと贅沢したいセレブな旅、短時間でもフットワーク軽く効率的に楽しむ…
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