カツラの大木に出会う旅〜自分だけのマザーツリーを求めて

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カツラの大木に出会う旅〜自分だけのマザーツリーを求めて

カツラの大木に出会う旅〜自分だけのマザーツリーを求めて

更新日:2012/12/04 11:05

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

山の奥に佇むカツラの木は、水の豊かな渓谷、透き通るような清流のそばに、単独で凛と育っていることが多い。出会うためには、渓流沿いに豊かな林を抜けて行くことになり、その道もまた楽しい旅。ハイキングをかねて、自分だけのマザーツリーを見つけませんか。

糸井渓谷で樹齢2000年の糸井の大カツラに出会う

糸井渓谷で樹齢2000年の糸井の大カツラに出会う

写真:SHIZUKO

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糸井渓谷は、兵庫県の北部・但馬地方にあります。

『天空の城』として近年人気の高い竹田城址や『生野銀山』がある兵庫県朝来市和田山にある渓谷。播但自動車道の終点・和田山から一時間弱、車で走ったあたりです。

その糸井渓谷の最奥部、車やバスを降りて、渓流沿いに30分ほど緩やかな坂を登ったところに『糸井の大カツラ』が立っています。

国の天然記念物に指定されている大カツラ。樹齢は推定2000年。高さ35メートル。幹周り19.2メートル。

朽ち果てて空洞となった主幹の周りを、約80本の『ひこばえ』と呼ばれる子や孫に当たる若い木が取り囲み、それぞれが四方に枝を伸ばし、一本の巨樹ではない独特の姿をしています。

糸井の大カツラが立ってるのは、『床の尾山』に囲まれたポッカリと開いた広い空間。まるで、この大カツラのために用意された広場のようです。ここになら木霊(こだま)が宿り、不思議な世界と繋がっていても納得できそうです。

豊かな水を好むカツラの木

豊かな水を好むカツラの木

写真:SHIZUKO

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カツラの木は、豊かな水を好みます。と言っても、緩やかな河口の近くの水ではなく、山の中の急峻な水。

険しい山の中に立ち、木の根元から清流があふれ出ているように見えるカツラの大木も他の場所では見られます。カツラの木がある場所は、つまりは澄みきった水がある場所です。

雪深いこの地方、凛と立つ冬枯れの大カツラは、ぜひ一度は観たい、それはそれは清清しく美しい姿。冬ならではの絵になる美しさです。が、冬のハイキングは天気予報をしっかりチェックしてお出掛けくださいね。車で行かれる際は、チェーン規制もありますから。

新緑の時期には、枝々に小さな赤い花が咲き、柔らかな新芽が美しい。夏の渓谷は、涼しく、秋には黄色に染まるハート型の葉っぱがとっても可愛い。芳しい香りが漂い、美しさに拍車がかかります。ハイキングに最適な時期です。

どの季節に行っても、腕を大きく広げ、自分を丸ごと包んでくれるような優しい大カツラ。ただゆったりと、木のそばで過ごす時間もいいものです。耳を澄ましていると、いろんな声が聞こえてきます。

但馬高原植物園の『和池の大カツラ』

但馬高原植物園の『和池の大カツラ』

写真:SHIZUKO

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兵庫県の但馬地方には、糸井の大カツラ以外にも、国・県・町指定のカツラの巨樹が6本もあります。雪深い土地柄、雪解け水が生み出す清流が多い証拠でしょう。

但馬高原植物園にあるのが『和池の大カツラ』。

湧水の湿原・瀞川平にある但馬高原植物園は、このカツラの木を守るために作られた植物園と言っても過言ではありません。北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山インターが開通したので、とっても行きやすくなりました。ぜひ、一度お出掛けください。

エントランスを入ると、可愛い花や、実のなる木、さまざまな色とりどりの植物に出迎えられます。秋ならば、ムラサキシノブやワレモコウ、ツルリンドウの可愛い実も見られます。

しばらく下って、木道沿いに湿原を進んで行くと、豊かな木々に囲まれた奥に大カツラが立っています。樹齢1000年、幹周り16メートル、高さ39メートル。根元は、高坂川の源流となる湧水『千年水』を集めた渓流を跨いで根を張っていて、大カツラが水を生み出しているような錯覚を覚えます。

こちらでは、カツラ千年水という水を汲むことが出来ます。
近くでは、この自然水を20リットル100円で販売していますが、ペットボトルを持っていけば、カツラの木のそばで汲むことが出来ます。

神秘的な千年水で、コーヒーを入れてみるのもいいですよね。

マザーツリーってなんだろう?

マザーツリーってなんだろう?

写真:SHIZUKO

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元来、マザーツリーというのは、森林伐採する際に一本だけ残しておく木。あるいは、植林のために木を切り倒す際に、大きめの切り株を残し、虫がその切り株に集うことで新たな森への第一歩を願って残す木を意味します。

森によっては、どう考えても、とある一本の木から派生した子どもや孫の木がその森全体を形成していると思われる場所もあるようです。

まさに『母なる木』。いままでの過ごし方とこれからの生き方を見つめさせてくれる木なのかもしれません。

そんな意味を踏まえつつも、マザーツリーは必ずしも険しい山の中にだけあるわけではありません。都市部の、職場の近くの公園で、そこにいるだけで心が落ち着き、木と会話でき、自分を見つめられるような木に出会えれば、それが自分のマザーツリーともいえます。自分の中の邪悪なものを吸い取ってくれるのがマザーツリーなんです。

時間があるときに、少し頑張って遠出して、自分だけのマザーツリーに出会ってください。どっしりと佇む、マザーツリー・大カツラに出会うには、時間と空間の移動が必要です。旅に出てこそ、出会えるものがあります。

掲載内容は執筆時点のものです。

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