写真:盛 千夏
地図を見る「ドン・キホーテ」が巨人と間違え、勇敢に立ち向かって行った風車はどこにあったのか。
スペイン内陸部ラ・マンチャ地方だと言うことは、スペイン語の原題「ドン・キホーテ・デ・ラ・ラマンチャ」(日本語では「ラ・マンチャの騎士・キホーテ卿」と言った意味)から特定されています。
ただし、ドン・キホーテの風車がどこにあったか、ということは小説には明記されていないのですが、「カンポ・デ・クリプターナ」(Campo de Criptana)が、最有力候補です。彼の想い姫「ドゥルシネーア」が住んでいたトボソ村も、約20kmの距離にあります。
何はともあれ、「ドン・キホーテ」時代の風車が村中に当時の姿のまま残り、歩いて行けるのは「カンポ・デ・クリプターナ」のみ。
晴天の日は信じられないほどブルーな空と、白い風車のコントラストが美しく、絶景の撮影スポットでもありますので、カメラの用意をお忘れなく!
写真:盛 千夏
地図を見る「ドン・キホーテ」の風車は村外れの丘の上に立っています。村のどの位置にいても、丘を目指し登っていけばいいので迷うことなし。
風車を外側から見るのは無料ですが、ガイドツアーに申し込みをし、内側からも見学しましょう。16世紀に作られた風車の内部や仕組みを間近で見ることが出来るのは、とても貴重な体験です。
スペイン語でのガイドツアーですが、予備知識としてこれだけ分かればかなり楽しめます。
・現在残っている風車は10基で、16世紀に作られたもの。最盛期には40基近くの粉ひき風車が並んでいた。
・コンスエグラなど他に風車で有名な土地もあるけれど、村の中に風車を持っているのはカンポ・デ・クリプターナだけ。
・風車を一見支えているように見える大きな棒は、風車の羽の部分の方向を風向きによって移動させるためのもの。
・小麦粉の1袋は20キロ。それを上階まで背負って運ぶ粉ひきは大変な重労働で、必ず2人がペアとなり作業を行った。
驚くことに、現在もこの風車は立派に粉ひきが出来、定期的(通常は毎月第一月曜日)に粉挽きの実演が行われているそうです。
写真:盛 千夏
地図を見るカンポ・デ・クリプターナの村内にあるワイナリー「エル・ビンクロ」(El Vínculo)は、鉄道駅の目の前という素晴らしい立地で、風車の丘の帰りに寄るのがお勧め。
ワイナリーの建物は、ラ・マンチャ地方特有のヴィラスタイル。中にはショップもあり、美味しいラ・マンチャのワインをリーズナブルに購入出来ます。要予約ですが、ワイナリー見学(所要時間1時間)もあるので、興味のある方は是非!
湿気が極端に少なく、太陽の光が強く、夏と冬の温度差は50度以上と、美味しいワインの条件が全て揃ったラ・マンチャワイン、是非お試し下さい。
写真:盛 千夏
地図を見るさて風車を見学したら、お次はグルメ。風車の丘にある、お勧めレストラン2つを紹介します。
まずは、「ラス・ムサス」(Las Musas)。人口1万5千人ののどかな村に、こんなオシャレでレベルの高いレストランが、と驚くこと間違いなしです。
一見高級レストランなのですが、マドリードやバルセロナの同レベルのレストランと比べるとかなりお得感があります。
流行りのモダン・スパニッシュを取り入れたプレートもありますが、ラ・マンチャ名物のマンチェゴ・チーズやピストと呼ばれるラ・マンチャ風ラタトゥイユなどの郷土料理もあります。ボリュームも満点で、前菜からデザートまで文句なしの美味しさです。
スタッフのサービスもそつなく、カンポ・デ・クリプターナの在住日本人イチオシのレストランです。是非地元のワインと料理をお楽しみ下さい。平日にはお得なランチメニューもありますよ!
写真:盛 千夏
地図を見る「ラス・ムサス」よりもう少しカジュアルなバル・レストランが、「クエバ・ラ・マルティナ」(Cueva la Martina)。同じく風車の丘にあります。
店名のクエバ(Cueva)とはスペイン語で洞窟を意味します。こちらのお店はなんと、16世紀に住居として使われていた洞窟を改装し、レストランとして使用しているので、雰囲気抜群!
まずはバルのテラス席から、ラ・マンチャの荒涼とした景色を眺め、食前酒を楽しんだ後はレストランへ。こちらではコテコテの郷土料理を楽しみましょう。
お勧めのラ・マンチャ料理はこちら!
・ガチャス(Gachas):小麦粉を練り上げて作ったペースト。豚バラ入りで、味付けはニンニク、塩、オリーブオイル、パプリカ。
・ピスト(Pisto):ラ・マンチャ地方のラタトゥイユのようなもの。
・ミガス(Migas):羊飼い達が食べた、パンやチョリソー・豚肉を使った高カロリー食。
・マンチェゴ・チーズ(Queso Manchego):ラ・マンチャ地方のチーズで、スペイン全土で愛されるチーズ。
ここ、ラ・マンチャ地方でしか食べられない料理を是非味わって下さいね。
スペインの首都マドリードから電車が1日2本。でも、となり町のアルカサル・デ・サン・フアン(Alcázar de San Juan)とマドリードのアクセスはもっと良好で1日12本以上の電車が走っています。
アルカサル・デ・サン・フアンからカンポ・デ・クリプターナは8キロの距離なので、タクシーの安いスペイン、タクシーを利用するのも手です。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
盛 千夏
スペイン生活20年目に突入した、ちゃきちゃきの江戸っ子。スペイン歴の始まりは、アイルランド留学中にバケーションで訪れたアンダルシア地方。その後スペインの友人に誘われ、「火祭り」、「パエリア」、「トマト…
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