「国宝 彦根城」はリサイクル城!?彦根城をもっと知るための基礎知識

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「国宝 彦根城」はリサイクル城!?彦根城をもっと知るための基礎知識

「国宝 彦根城」はリサイクル城!?彦根城をもっと知るための基礎知識

更新日:2014/10/06 17:42

成沢 崇のプロフィール写真 成沢 崇 名古屋仏像研究会 会長、旅ライター

築城から400年経った今も変わらぬ美しさを残す滋賀県の彦根城。
彦根藩主・井伊家14代の居城として元和八年(1622年)に完成し、彦根城の天守は、姫路城や松本城、犬山城とあわせて国宝に指定されています。
天守ばかりが注目されてしまう彦根城ですが、実は近郊にあった城郭から門や櫓、部材を移築した「リサイクル城」だったとか。今回は彦根城がもつ独特の美しさと、その秘密をご紹介したいと思います。

城門「天秤櫓」は左右対称の珍しい形

城門「天秤櫓」は左右対称の珍しい形

写真:成沢 崇

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この櫓は、豊臣秀吉が築城した長浜城大手門を移築したものといわれているもので、左右対称の天秤のような形をしていることから天秤櫓と名付けられました。
両隅の2階建て櫓の中央に開いた門へは、写真の木造橋「ろうか橋」を渡ります。この構造は日本の城郭の中でも彦根城ただ一つという珍しいもの。均整のとれた美しさと城門としての堅牢さが感じられます。
石垣も特徴があり、ろうか橋中央からみて右側(写真奥)の石積みが築城当初の「ごぼう積み」であるのに対し、左側(写真手前)は幕末の嘉永七年(1854年)の大修理で積み替えた切石の「落とし積み」となっています。

太鼓の音を響かせるため?振り返ると壁のない「太鼓門櫓」

太鼓の音を響かせるため?振り返ると壁のない「太鼓門櫓」

写真:成沢 崇

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本丸にそびえる天守の表口を固める最後の関門が太鼓門櫓。登城合図用の太鼓を納めていたことからこの名が付けられました。
築城時に他の城から移築されてきた建物で、櫓門としては珍しく背面の壁がなく、柱の間は開放されて高欄付きの廊下となった稀な構造をしています。
正面から太鼓門櫓をくぐっただけでは、この高欄付きの廊下が見えないので振り返ってみてください。一説には太鼓の音が広く響くための工夫であるという説もあるようです。

城郭建築の最高峰とされる「国宝 天守」

城郭建築の最高峰とされる「国宝 天守」

写真:成沢 崇

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太鼓門櫓を抜ければ、いよいよ彦根城の天守のある本丸です。現在の本丸には、天守しか残されておりませんが、かつては藩主の館や宝蔵、着見櫓(つきみやぐら)なども建っていました。天守は三階建て三重の屋根。比較的規模は小さい天守ですが、城郭建築として最高峰といわれ国宝に指定されています。屋根は「切妻破風」、「入母屋破風」、「唐破風」を多様に配置した姿。

二階と三階には花頭窓、三階には高欄付きの「廻縁(まわりえん)」を巧みに組み合わせた外観に重きを置いた造りとなっています。天守の中に入ることも可能で、内部の細かな構造も見学できます。

この天守はもともと五階四重の天守を移築したもので、彦根藩主井伊家の歴史を記した「井伊年譜」には、滋賀県大津市の大津城の天守を移築したと記載されています。江戸時代に築城された彦根城は一度も戦を経験することなく、軍用建築というよりも城下から見上げてそびえ立つ彦根藩の象徴という役割を担っていたようです。

そして、今では彦根を代表するキャラクターとなった「ひこにゃん」も天守前の広場で会えます。基本的に午前午後の2回登場しますので、会いたい方は事前に登場スケジュールを調べてから天守へ向かうことをおすすめします。登場スケジュールなど詳細は下記の「ひこにゃん登場スケジュール」をご参考下さい。

尾根を切断して作られた守りの要「西の丸三重櫓」

尾根を切断して作られた守りの要「西の丸三重櫓」

写真:成沢 崇

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表門から天守へと向かい、そこを抜けた先にあるのが西の丸三重櫓。東側と北側にそれぞれ一階の続櫓を「く」の字に付設しています。その角に建つ三重櫓は浅井長政の居城であった長浜の小谷城天守を移してきたと伝えられ、天守のように装飾性は少ないものの、総漆喰塗りの櫓は簡素でありながら気品が漂います。

この櫓の石垣は圧巻で、尾根を切断して作られた堀からの高さは10メートル程もある絶壁です。現在はお花見スポットとしても有名で、桜の季節になると多くの人が訪れます。

四季折々の風情が味わえる名勝庭園「玄宮園」

四季折々の風情が味わえる名勝庭園「玄宮園」

写真:成沢 崇

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彦根城の表門から入り、西の丸三重櫓を下ると彦根城のお堀の対岸に回遊式庭園を持つ名勝庭園「玄宮園」があります。

彦根藩4代藩主の井伊直興(いいなおおき)が延宝五年(1677年)から七年掛けて造営した回遊式庭園で、隣接する楽々園とともに江戸時代には「槻御殿(けやきごてん)」と呼ばれた彦根藩の下屋敷です。

玄宮園の庭は近江八景を模して造られたといわれる縮景園で、大きな池に突き出すように建つ臨池閣、鳳翔台といった建物が特徴的。樹木や石が巧みに配され、中心の池には4つの島と9つの橋が架ります。大名になった気分で、四季折々の風情を味わうことの出来る人気スポットです。

玄宮園ではイベントも多く、毎年9月上旬〜下旬には「虫の音を聞く会」、11月には彦根の秋を彩る風物詩「錦秋の玄宮園ライトアップ」も開催されます。

彦根城を巡るなら約1時間半〜2時間が目安

当時の城郭の姿を今に残す彦根城。
櫓や天守が近郊の城郭から移築された可能性があるということを知らない人も多いはず。これを知ればそれぞれの櫓を見る目もきっと変わりますよ。

じっくりと各所を回って歩くなら、所要時間を約1時間半〜2時間とするのがお勧めです。バス停や駐車場のある「いろは松」から表門、天秤櫓、太鼓門櫓を通り天守へ。そして引き返さずにその先の西の丸三重櫓から裏手へ出て、玄宮園へ向かうというのがスムーズなルートです。

彦根城
滋賀県彦根市金亀町1-1
0749-22-2742
営業時間:8:30〜17:00
料金:大人 600円、小中学生 200円(彦根城、玄宮園共通)
玄宮園単独券:大人 200円、小中学生 100円

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/01 訪問

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