写真:吉川 なお
地図を見るペラ州の州都であるイポーには、クアラルンプールからマレー鉄道ETSやバスで2〜3時間、ペナン島からはマレー半島のバターワースまでフェリーかバスで渡り、そこから鉄道・バスで約3時間で行くことができます。
イポーは、かつて世界最大のスズ生産地であったキンタ渓谷の中心地でした。英国統治時代にスズ鉱業会社が進出したことで発展し、採掘や取引で財を成した人たちが集まる「大富豪の街」となりましたが、スズ産業の衰退とともに活気も失われていきました。
近年は、英国の統治時代に建てられたコロニアル調の建築物や郊外の石灰岩の丘にある洞窟寺院など、歴史を偲ばせるスポットが観光名所となって、世界中の観光客を惹きつけています。
写真:吉川 なお
地図を見る街は南北に流れるキンタ川を境に、東側が商店や市場が建ち並ぶ新市街、西側に広がるのは英国統治時代の面影を色濃く残す旧市街です。
イポーの観光は旧市街にある「イポー駅」からスタートです。1893年に建てられた白亜の宮殿のようなこの駅は、英国のコロニアル様式に丸い屋根が特徴のムーア建築を取り入れたデザインで、マレーシアで最も美しい駅と言われています。
大通りを隔てた向かいに建つ「タウンホール」も同じく白亜の美しい建物です。石造りの階段を上って2階のテラスに出ると、真正面にイポー駅を見ることができます。前面の広場の芝生の緑と白く優美な駅舎、空の青さが美しいコントラストを呈していて、思い出に残る素敵な写真が撮れます。
タウンホールから歩いて10分ほどのところにある「バーチ記念時計台」も英国統治時代の遺産です。真ん中部分に人物の壁画がある白亜の時計台で、ミナレットのような4本の小さな塔に囲まれています。
その向かいに建っているのは茶色の玉ねぎ型のドームを持つ州立モスクで、英国とイスラムの文化が至近距離で共存する様子は異文化が混在するマレーシアならではの光景です。
イポーの南約40キロの場所には、映画「セカンドバージン」の撮影が行われた『ケリー・キャッスル』があります。英国統治時代にゴム農園主、ウィリアム・ケリー・スミスによって建設されましたが、建設途中に主が病で亡くなったため、いまだ未完成のままとなっています。
写真:吉川 なお
地図を見るイポーのもうひとつの自慢の光景は、郊外に点在する洞窟寺院です。岩山に張り付くように建てられた中国寺院は誰をも驚かせる光景で、中国風の赤い仏閣とその背後にそびえる大きな岩山にまず圧倒されます。
その内部は大きな洞窟。岩山をくり抜いた涼しく広い洞内には鍾乳石や石筍がいくつもそそり立ち、金色に輝く仏像が多数安置されています。その独特な雰囲気にまたまた圧倒されてしまいます。
三寶洞(サンポトン)はイポー最大最古の洞窟寺院で、洞窟を抜けると緑豊かな庭園があります。そこには無数のカメがいる池と願いが叶うと言われている井戸があり、マレーシアのパワースポットのひとつになっています。
霹靂洞(ペラトン)は標高122メートルの小高い丘にあります。洞窟横にある385段の階段を上った先には展望台があり、ここからイポーの街を一望することができます。
写真:吉川 なお
地図を見るイポーはマレーシア屈指の美食の街としても知られています。中でも「モヤシ」と「鶏肉」と「プリン」が絶品!ホワイトコーヒーの発祥の地でもあります。
普段は脇役で地味な存在のモヤシは、イポーでは主役の主菜です。山々の花崗岩層から流れ出たミネラル豊富な水によって太くおいしくなったモヤシは、ゴマ油でさっと炒めた「タオゲイ」という名物料理に大変身!日本では食べたことないしゃきしゃきした歯ごたえで、イポーに来たならこれを食べずに帰れません。
土鍋でご飯と鶏を炊いたチキンライスと一緒に食べたいのは、「アヤム」と呼ばれる蒸し鶏肉。柔らかくてジューシー、ソースも美味。その旨さに感動すること間違いなしです。
『老黄芽菜鶏沙河粉』はこの両方が食べられる人気店です。絶品料理を是非ご賞味あれ!
『宴瓊林』のソルトチキンはおみやげ好適品。チキンを丸ごと1匹、ハーブなどと一緒にペーパーで包み、岩塩の中に入れてじっくりと蒸し焼きにしたもので、その程よい塩味がたまりません。
鶏肉がおいしいとその卵を使って作るプリンも絶品!味は濃厚、デザートで是非どうぞ。
写真:吉川 なお
地図を見るマレーシア全土で味わえるホワイトコーヒーは、イポーから生まれたもの。『南香茶餐室』は元祖の店で、狭い店内には本場の味を求める人でいつも混雑しています。
イポーのホワイトコーヒーの美味しさの秘密は、何も加えずに焙煎したコーヒー豆を使う独自の製法にあります。中国語で何も入れないことを「白」というため、英語でホワイトコーヒーと呼ばれるようになりました。そのほんのり甘く深い味わいは、コーヒー好きでなくてもとりこになる味です。
イポーの人口の約7割は華人です。そのため町では中国語が飛び交い、漢字があふれているので、街歩きもしやすいです。
おいしいものを食べながらぶらぶらと街歩き。
それがイポーを満喫するコツ!
あなたものどかでおいしい町イポーに行ってみませんか。
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この記事を書いたナビゲーター
吉川 なお
台湾の台北市に住む専業主婦の吉川なおです。台湾生活はもう8年ですが、常に新しい発見のあるこの国が大好きです。在住者だからこそ知っている生情報やお薦めのレストランなど、台湾の旅がより思い出深いものになる…
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