伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉の国より逃げ戻り、あはぎ原で禊ぎをした時に海中より生れ出た3神をお祭りするこの神社は、天武・持統朝以来、伊勢神宮に並ぶ神社として20年に1度の式年遷宮が行なわれてきました。
創建当初は、反り橋の手前まで海辺だったと言われています。
しかし、神社は海上安全の守護神である以上に「おはらい」の神様としての性格が強く、家内安全・商売繁盛・初宮参り・七五三・交通安全・厄払いなど、何でもありの庶民の神様として愛されてきました。
※ 写真は、住吉大社のシンボル・太鼓橋とも呼ばれる反り橋。参詣者はここを渡って神域に入ります。
境内に入ると第3本宮と右側に神功皇后を祭る第4本宮が目の前に立ち、その奥に第2、第1本宮と縦並びの配列ですべて西海をにらんでいます。
各本宮とも本殿は「住吉造」と言われる最古の様式を伝え、国宝指定。
この神域を夥しい摂社・末社が取り巻いており、それらを総称して住吉大社と呼んでいますので、よろずの願いが叶うはずですね。
ここは大阪の淀川の岸辺を起点とする熊野街道の中継地に当たるため、熊野もうでに参ずる貴紳たちがここに立ち寄りしばしば歌会を持ったことから歌の神さまとしても有名になりました。
また、庶民的で抜群のシチュエーションの社域は若い人たちのコスプレの名スポットとなりつつあります。
※ 写真は、社殿最奥の底筒男命(そこつつのおのみこと)を祀る第1本宮
第一本宮のさらに奥には、樹齢1000年の楠をご神体とする楠君社があり、本来はれっきとしたお稲荷さん。しかし、いつしか五穀豊穣から商売繁盛の神さまとなり、なぜかお守りもキツネならぬ猫ちゃんになっています。
毎月初の辰の日におまいりすると初辰、すなわち発達?!ということで格別のご神徳があるとされ、多数の参詣者で賑わいます。
とりわけ、かみしも姿の猫ちゃんのお守りは若い女の子たちに大好評で、「なんで猫なの?」と異議を唱える人もなく「めでたしめでたし」ってところですね。
天王寺〜堺間を結ぶ大阪唯一の路面電車が、ここ住吉大社の社前と住吉公園の間を分けるように走っています。
上町線と阪堺線の2路線を運行する正式名称・阪堺電気軌道はとってもカラフル。
住吉大社で微笑ましくおまいりをすませたら是非この電車に乗ってディンドン揺られてみましょう。
どこまで乗っても大人200円(小人100円)です。
住吉大社へお参りをすませたら、反り橋を渡り返して、路面電車、南海電車の高架駅をくぐり、住吉公園を抜けたところにある高燈籠ものぞきましょう。
住吉高燈籠が住吉の出見の浜に出現したのは江戸中期の頃で、本来は大社神前の灯明で、灯台の役目も兼ね備えたものでした。
底辺12m四方の石垣の上に建てられた高さ21mの木造の常夜灯で、当初は油皿に灯芯を入れて火を灯していましたが、明治41年、80ルクスの電灯による近代灯台に生まれかわりました。
その後埋め立てが進み燈籠は海岸線から遠ざかり、大正末期には灯台としての役割を終えました。
現在建っているものは、昭和25年のジェーン台風で傾き、石垣の土台だけが残されていたのを、昔の位置から200m東の地点に移し、鉄筋コンクリート造りで昔の姿そのままに再建されたものです。
・高燈籠資料館
内部は資料館として整備され、毎月の第1・第3日曜日10時〜16時公開されています。入場無料。
健脚で高度恐怖のおそれなしの強者は、中央の螺旋階段を登り最上部まで登ることができます。
市バス「住吉公園」下車北すぐ。南海電車「住吉大社」下車。住吉公園の参道を歩いてすぐ。
住吉大社は格式高い神社ですが、大阪庶民の欲求をすべて受け止めて現在の形に進化してきました。
ここに21世紀の神社の新しい形、すなわち聖俗混交の、しかし、何よりも庶民の祈りの心をはぐくむ神社のおおらかな計らいをみる思いがします。
全国2000社余りある住吉神社の総本宮の、そして摂津国一之宮の住吉大社は、楽しいところですので是非お詣りくださいませ。
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(2024/12/14更新)
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