平安歌人もうっとり!京都貴船は紅葉と光の饗宴「恋ひと色」

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平安歌人もうっとり!京都貴船は紅葉と光の饗宴「恋ひと色」

平安歌人もうっとり!京都貴船は紅葉と光の饗宴「恋ひと色」

更新日:2014/10/09 17:11

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家

京都の奥座敷「貴船」。11月の紅葉のシーズンには貴船神社や貴船川、料理旅館がライトアップされ、幻想的な優しい光につつまれます。貴船川沿いの街道には灯ろうが並び、この時期にしか見ることができない独特な風情。実はこの街道、平安時代の女流歌人・和泉式部が恋の成就を祈って通った道で、今では“恋の道”と呼ばれています。恋に生きた女流歌人に思いをはせ、美しく色づく紅葉と光の饗宴を楽しみませんか?

沿線の紅葉もライトアップ!おすすめは「もみじのトンネル」【叡山電車】

沿線の紅葉もライトアップ!おすすめは「もみじのトンネル」【叡山電車】

写真:沢木 慎太郎

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京都・鞍馬山のふもとにある貴船は、紅葉の名所。京都市民の飲み水となる鴨川の源流にあたり、古くから水の神さまの地として崇められています。
貴船の地名は「気が龍のように立ちのぼるところ」「気が生まれる根元」に由来しているなど、さまざまな説がありますが、いずれいしてもたいへんなパワースポットであることに間違いない。縁結びの地としても人気のスポットです。

そんな貴船へは、京都市内と鞍馬山を結ぶローカル電車の「叡山電車」(えいざんでんしゃ)が便利。紅葉のシーズンには貴船神社や貴船川をライトアップする“貴船もみじ灯篭(とうろう)”が開催されますが、このイベントにあわせて叡電の沿線にある紅葉もライトアップ。
見どころは市原駅と二ノ瀬駅の間にある「もみじのトンネル」で、この区間に差しかかると、列車はゆっくり減速し、紅葉をゆっくり楽しむことができます。夜間には車内灯を消しての紅葉鑑賞。紅葉の輝きが深い闇の中に浮かび、小さな京の旅を演出してくれます。

煌々と輝く赤い鳥居!紅葉の参道は幻想的な雰囲気に【貴船神社・本宮】

煌々と輝く赤い鳥居!紅葉の参道は幻想的な雰囲気に【貴船神社・本宮】

写真:沢木 慎太郎

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貴船神社へは、終点から一つ手前の「貴船口駅」で下車。ここからバスに乗り、貴船川の清流に沿って5分くらい進むと、貴船神社の本宮(ほんぐう)付近に到着します。
紅葉が参道をすっぽりと覆い、京都らしい情緒が漂う本宮。ライトアップの時期にはご覧のように大きな赤い鳥居が煌々と輝き、石畳の参道に並ぶ春日灯ろうの光の列と相まって、とても幻想的!何か霊的なパワーが強く張りつめているのが感じられます。

紅葉のシーズンでは、「本宮」だけでなく、「結社」(ゆいのやしろ)や「奥宮」(おくみや)の3つの社でライトアップ。古都を感じさせる厳かな社殿が、明るく色づいた紅葉を背景に薄闇に浮かびあがる姿も、たいへん情緒があります。
また、本宮に行かれたら「水占いみくじ」はいかがですか?「水占いみくじ」。境内の御神水に浮かべると文字が浮き上がるおみくじ。水の神さまに恋の行方を占っていただくのもよいですね。

かがり火が紅葉の舞台をいっそう鮮やかに【貴船神社・奥院】

かがり火が紅葉の舞台をいっそう鮮やかに【貴船神社・奥院】

写真:沢木 慎太郎

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貴船神社は、貴船川に沿って3つの社「本宮」「結社」「奥院」が縦一列に並んでいますが、これらを巡る正しい参拝方法があるのはご存じでしょうか?
正しい参拝は「本宮」→「奥院」→「結社」の順番。このお参り方法は『三社詣』(さんしゃまいり)といわれ、古くからの習わしとされています。

では慣例に従って、次は「奥宮」に。朱色の門の前には、かがり火が燃やされ、炎のあたたかさに心がなごみます。この門をくぐると、すぐ左手に杉とカエデが一つに合わさった『連理の杉』(れんりのすぎ)と呼ばれるご神木が。男女の永遠に変わることのない契りのことを“連理の契り”(れんりのちぎり)といいますが、この言葉にちなんだ木で、夫婦円満の願いが叶うということで信仰されています。

「奥宮」は、かつて貴船神社の本宮があったところ。日本神話に出てくる玉依姫(たまよりひめ)が黄色い船に乗って大阪湾から淀川をさかのぼり、鴨川の上流にあたる貴船川にまでたどり着いたとされています。
貴船の名前は、玉依姫が乗って来られた黄船にちなんだとも。その黄色い舟を小石で包み隠したとされる『船形石』がまつられているほか、本殿の地下には巨大な龍の穴があるとされ、なんとも不思議な場所です。

神々しくライトアップされた縁結びのパワースポット【貴船神社・結社】

神々しくライトアップされた縁結びのパワースポット【貴船神社・結社】

写真:沢木 慎太郎

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そして、最後にお参りする場所が「結社」(ゆいのやしろ)。ライトアップされた社や紅葉は厳かな雰囲気が漂い、神々しさが感じられます。実はここが縁結びのパワースポット。縁結びの神さまで知られる「磐長姫命」(いわながひめのみこと)を祀っています。
不幸を乗り越えた女性の神さまが「私はこの地にとどまり、縁結びの神さまとして、訪れた人に良縁をさずけましょう」と言って、鎮まったとされる場所。あらゆるものの良縁を結び、恋の願いをかなえてくれるとされています。

願いごとをかなえるためにはまず、「結社」の手前にある「本宮」で“結び文”を求め、ここに願いごとを書きます。次に、「結社」の敷地にある『結び処』(むすびどころ)と呼ばれる神域に、“結び文”をくくりましょう。
鮮やかな紅葉が光に透けて見え、清浄な空気の中、澄んだ気持ちで恋の成就を祈願することができます。

平安歌人の恋の色を映し出す優しい光【貴船川の光のオブジェ】

平安歌人の恋の色を映し出す優しい光【貴船川の光のオブジェ】

写真:沢木 慎太郎

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貴船神社は、平安時代の女流歌人・和泉式部(いずみしきぶ)がお参りし、夫の愛を取り戻したことでも知られています。
「結社」から「奥院」へと向かう途中には小さな谷川が流れ、“思ひ川”と名づけられた赤い橋が。この川の水で和泉式部が心も身も清め、恋の成就を祈願したと伝えられています。

恋や人生の苦しみを抱えながら、彼女はひとりで貴船の地を訪れます。貴船川のせせらぎで、彼女は淡い光を放ちながら闇夜に舞う蛍を見つけ、その微かな光に揺れ動く自分自身の想いを重ねます。
――あまりも思い悩むと人の魂は身体から抜け出す。このさまよえる蛍は私の魂のようだ。

現代の貴船川には、ご覧のような光のオブジェが浮かべられ、水の聖地らしい神秘的な夜を過ごすことができます。優しい光に照らされ、和泉式部の魂が、今でもゆらゆらと揺れているようです。

おわりに

恋に生きた和泉式部。彼女が恋の成就を祈り、お参りした道は今では「恋の道」と呼ばれています。風情のある料理旅館が並び、灯ろうで飾られた街道は優しい光につつまれ、はんなりとした夜を楽しむことができます。
す。
また、ライトアップの期間中、土日や祝日を中心に奥宮や本宮ではライブが行われ、あたりはいっそう華やかな雰囲気に。優しい光に透けて輝く紅葉。澄んだ秋の気配に響き渡る音色。かがり火に浮かぶ貴船神社。幻想的な光と音楽とのコラボに酔いしれて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/30 訪問

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