最初の目的地、陣馬山への登山口はいくつかありますが、中でも良く登られているのが神奈川県側の「陣馬登山口」バス停がスタートの一ノ尾根コースと、東京都側の「陣馬高原下」バス停がスタートの新ハイキングコースです。
「陣馬登山口」へのバスはJR中央線藤野駅から、「陣馬高原下」へのバスはJR中央線・京王線の高尾駅北口から出ているので、車がなくても登山口へのアクセスが可能です。
どちらも登山初心者向けのコースになりますが、さてどちらから登ろうかな…?と迷う方におすすめしたいのが、東京都側の「陣馬高原下」バス停からのアクセス。
登山口がバスの終点なので乗り過ごす心配もありませんし、JRと京王線のどちらからも利用できる上、藤野発よりもバスの運行本数が多く使いやすいのです。
写真は、陣馬高原下バス停前にある「山下屋」という茶屋。
春と秋に開催されている「高尾・陣馬スタンプハイク」でのチェックポイントになっていますので、スタンプを集めたい方はお忘れなく!
陣馬高原下バス停からは標識に従い、しばらく舗装路を歩きます。
傾斜はきつくありませんが、和田峠までの舗装路は自転車や車の通行も多いので、できるだけ端を歩くように心がけましょう。
20分ほど進むと、舗装路の左手に新ハイキングコースへの入り口を示す標識があります。この標識を見落としてしまうと、和田峠までは延々と舗装路を歩くことになります。
眺望もほとんどなく単調なカーブが続くだけなので、ここはぜひ山道に入る新ハイキングコースへ行きましょう!
新ハイキングコースは、標高855mの陣馬山山頂までを一気に登る急登です。
陣馬高原下バス停からの標高差は500m以上ありますので、あまり飛ばしすぎると後半がきつくなるかもしれません。
新ハイキングコースの入り口から山頂までは約1時間程度なので、焦らずゆっくりと、水分補給をしながら登りましょう。
急登コースでストックなどを補助的に使うのはOKですが、木の根が露出している箇所もあるので、樹木を傷つけないように気をつけてくださいね。
陣馬山の山頂は小高い丘のようになっており、その地形ゆえに「陣馬高原」と呼ばれることもあります。
ここの山頂にそびえたつ「白馬の像」陣馬山のシンボルで、記念撮影をするのに列ができることもしばしばです。
何よりもすばらしいのが、360度の大パノラマ!
関東の富士見100景にも選ばれており、富士山はもとより奥多摩や秩父、相模湾、晴れていれば群馬や栃木の山々まで見渡すことができる絶景スポットです。
ここで食事休憩を取る人も多いのですが、天気の良い日は読書をしたり昼寝をしたりしている人も見かけます。
茶屋も多いので、名物のけんちん汁を食べたり、レジャーシートを広げて持ってきたお弁当を食べても良し。ここからまた山道を歩くのであれば、しっかりとエネルギー補給をしておきましょう。
陣馬山でしっかりと休憩を取ったら、いよいよ景信山へむかいます。
ここで使用するハイキングコースは奥高尾縦走路と呼ばれていて、一都六県をむすぶ「関東ふれあいの道」の一部にもなっています。
景信山までは約2時間半の道のり。大きなアップダウンがなく、とても歩きやすい道です。細かいアップダウンを避けるための巻き道もたくさんあります。
よく歩かれているため登山道も鮮明で迷う場所がなく、初めての縦走コースとしてもおすすめ。人の往来が多いので、一人歩きでも不安になることがありません。
高尾山のような混雑とも無縁なので、自分のペースでのんびりと歩いてもいいし、トレイルランのように駆け抜けるのも気持ち良いですよ。
陣馬山から景信山までのコース内では、トイレは明王峠の一ヶ所しかありません。
明王峠は唯一茶屋がある場所なので見落とすことはないと思いますが、茶屋の営業は日曜日なのでご注意を。茶屋が営業していない日でも、トイレの利用は可能です。
景信山は標高727mの山ですが、山頂にはテーブルやベンチがたくさん置かれており、絶好の休憩スポット。
山々に囲まれている陣馬山とは違い、ここからは都心まで一望できます。晴れていて空気が澄んでいる日なら、スカイツリーを確認することもできます。
2軒の茶屋が営業しており、小屋に申し出れば持参したガスストーブなどを使うことも可能です。どちらの茶屋でも名物のなめこ汁が食べられるので、食べ比べも楽しいですよ。
景信山から先はいくつかの下山ルートがあるので、体力と相談してルートを決めましょう。
最短で下山できるのは、小下沢分岐を経由し小仏バス停に下りるルートで、所要は約1時間。
まだ体力に余裕があるなら、奥高尾縦走路をさらに高尾方面に進んで小仏峠や小仏城山へ、脚力に自信があるなら高尾山まで足をのばしてみましょう。
奥高尾が縦走初心者に人気の理由として、都心からのアクセスが良いことはもちろん、下山コースがたくさんあることが挙げられます。
長距離を歩いたことのない人は「本当に歩けるだろうか?」「もし途中で離脱したくなったら…」と不安になるかもしれませんが、奥高尾はエスケープできるルートの選択肢が非常に多いので、体力と相談しながらコースの長さを調整することができるのです。
歩けることを確認してからちょっとずつ歩行距離を伸ばせば、陣馬から高尾までの縦走も夢ではありませんよ。
体力との相談はもちろんですが、時間との相談も重要です。
秋の日は釣瓶落としと言いますが、太陽が山陰に隠れると一気に体感温度が下がり、日没を待たずに暗くなってきます。心細くなる前に地図で現在位置を確認しながら、下山するまでの時間を計算してコースを選びましょう。
もちろん、もしもの時に備えて、ヘッドランプや防寒具はお忘れなく!
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