嵯峨野の北に位置する嵯峨鳥居本は昔の町並みが残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。その町並みの最も北に「料亭 平野屋」があります。平野屋まで嵐山(渡月橋)から歩いて、途中、天龍寺、嵯峨釈迦堂、落柿舎、常寂光寺、二尊院、祇王寺など名所に寄り道をしながら進むコースは、のんびり散歩に最適。平野屋手前の化野念仏寺あたりに近づくと、茅葺きの農家風民家の何か懐かしい感じの町並みになります。
「愛宕神社」の一の鳥居前に建つ平野屋の創業は江戸時代。藁ぶき屋根に映える紅葉が見事です。平野屋の前の土手の上から撮影すると上の写真が撮れます。シーズンには多くのカメラを持った人が、入れ替わり立ち代わりその場所に入ってカメラを構えています。皆さん「綺麗ですね」と、感嘆の声を上げていることも。
陽射しを受けた紅葉が平野屋のわらぶき屋根の緑に映えています。
平野屋を過ぎて清滝方面へ方面へ進むと、ちょうど「清滝トンネル」の入り口前の「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」に出ます。その先に一方通行路のトンネルがあります。このトンネルは京都の心霊スポットと言われています。歩いて通るには少し不気味な感じの長い約500mのトンネルですが、歩いている人も結構います。そこを抜けると愛宕山の登山口や、高雄へのハイキングコースのある清滝に出ます。
愛宕街道から清滝トンネルを通って清滝まで行くと、多くの方にとっては未知の京都の紅葉に出会えます。京都の懐の深さを感じることができる場所。高雄の神護寺から清滝を経て嵐山の渡月橋まで歩く「東海自然遊歩道」の途中にありますので、散策の途中にぜひこの風景を見てみてください。
高雄から清滝までの渓谷を「錦雲峡」、清滝から保津川合流点(落合)までの渓谷は「金鈴峡」と、それぞれ呼ばれています。
ここ清滝は、芭蕉をはじめ与謝野鉄幹・晶子夫妻、徳富蘆花など多くの文豪が過ごして、歌会を催したり、作品の創作を練ったりした地でもあります。そんな方々の句碑が川沿いの散歩道に立てられています。
与謝野晶子の「みだれ髪」にも詠われた、「ほととぎす 嵯峨へは一里 京へ三里 水の清滝 夜の明けやすき」、松尾芭蕉の「清滝や波に散りこむ青松葉」、などです。
徳富蘆花自身の失恋の傷をいやすために清滝の宿「ますや」を訪れていて、そのことが青春時代を回顧した小説「黒い眼と茶色の目」に描かれています。
(2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』でも、徳富蘆花の「黒い眼と茶色の目」の紹介がありました)
そんな歴史を感じながら、清滝を巡るとまた趣があります。
嵯峨鳥居本の町並みを散歩しながら、古都のお寺と秋を楽しんで、心霊スポットの清滝トンネルを抜けて京都の懐深く入った清滝で、錦秋を満喫する。こんなぜいたくをしてみませんか?
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(2024/12/14更新)
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