ルソン島北部、フィリピン第2の都市とも言われるバギオから、北へ約100キロメートル、山あいに広がる段々畑や棚田を見ながら、バスに揺られること約7時間。標高1500メートルの奥地に目指す「サガダ」は位置しています。
サガダは30分ほどで歩ける非常に小さい村ですが、宿泊施設やレストラン、バー、観光案内所にもちろんお土産屋さん、そして何より多くの観光客が居ることに、ここを訪れた旅人は驚かされるでしょう。
■アクセス
バギオのセンターモール(ダンワ・バスターミナル)より1日に7〜8本程度。ほとんどが早朝5時〜お昼過ぎには出発します。週末になると、バスターミナルで数時間待つ場合もあるので、とにかく早朝に出発することをお勧めします。山道を走るため、車に酔い易い方は酔い止めの薬を持参した方が良いでしょう。途中2回ほど休憩時間があります。トイレは有料ですので、小銭とトイレットペーパーもあった方が良いでしょう。
提供元:遠藤隆尚
地図を見る観光案内所から約30分、フットボールやバレーのグラウンド、教会、墓地などを通り抜け、獣道が続く崖を下った先に、目当ての場所「エコーバレー(Echo Valley)」があります。
世界でも珍しい埋葬方法「ハンギング・コフィン(Hanging Coffins)」は、この地方の少数民族「イグロット族」の独特の風習です。死者を薫製にして木棺に入れ洞穴に納めたり、断崖につるしたりして埋葬していました。木棺をつるす理由は、野獣から死者を守り、何より転生への願いと、より天国に近づけるためなのだそうです。2000年以上も続いた「ハンギング・コフィン」は、2010年の秋を最後に終わりを迎えました。教会もありクリスチャンとなった「イグロット族」は、キリスト教の習慣に従い、土葬へとその習慣を変化させました。
「エコーバレー」は、遠目で見ていた「ハンギング・コフィン」を、非常に間近で見られます。切り立った岩の中腹につるされた木棺や椅子、十字架が、風雨にさらされてなんとも言えない不思議な光景を作り出しています。
■アクセス
観光案内所より徒歩約30分。
観光案内所で地図を入手できます。ざっくりとした地図で、少しわかりにくいかもしれませんが、バスターミナル→グラウンド→教会→墓地→獣道を下れば、自力でたどり着けるでしょう。観光案内所で、ガイドも依頼できます。
観光案内所を出発して、車道を歩くこと約30分。ちょっとしたお土産小屋の側に、洞穴へと続く入口があります。「ハンギング・コフィン」のある絶壁を眺めつつ、山道を200メートルほど降りると、真っ暗で大きな洞穴がぽっかりと口を開けています。洞穴入口にもたくさんの木棺が無造作に置かれています。ここにある木棺は、崖につるすようになる前のものだそうです。
ガイドがランプに火をともし、いよいよ探検のスタートです。思った以上に明るいランプのあかりを頼りに、最初は大きな岩の間をすり抜けるように進んで行きます。やがて鍾乳石が現れ、次第に水をたたえるようになります。水はちょうど良い温度で洞穴内も寒くなく、むしろ動いているので半袖で十分なくらいです。洞穴内ではたくさんの鍾乳石に、恐竜の足跡や貝の化石も見られます。約4時間の探検が終わり洞穴を出ると、のどかな棚田の風景が目の前に広がり、太陽の下に出てきたことを実感します。
■アクセス、参考情報など
観光案内所より、徒歩30〜45分。
一般的な観光洞穴と異なり、完全に自然そのままのルートです。洞穴内は電灯なども一切ありません。必ず観光案内所でガイドを付けましょう。
探検コースは、1.5時間程度の簡単なコースから、3〜4時間の中級コース、本格的なコースなど何種類かあります。体力に自信のある方には、中級コースを断然お勧めしますが、時にはレスキュー隊が出る事態に発展するそうなので、体力と相談して決めてください。
■持ち物
大きいザックやカバンは邪魔になります。両手が空いていた方が良いでしょう。
・ぬれてもいい服装
・ぬれてもいい靴
・ヘッドランプ(ガイドがランタンを持っていますが、1.5時間の簡単なルート以外は、あった方がより安全です)
サガダ周辺にはいくつもの洞穴があります。ぜひチャレンジしてみてください!
提供元:遠藤隆尚
地図を見るサガダの楽しみは、「ハンギング・コフィン」や洞穴探検だけではありません。山あいに位置する「サガダ」は、その地形と自然を活かしたアクティビティが色々と用意されています。棚田の間を縫って滝まで歩く散歩のようなトレッキングコースから、テント泊のある本格的な登山など、観光案内所で手配ができます。
クライミングも盛んなサガダでは、初心者から上級者まで楽しめるルートもあります。クライミングルートを登る途中で振り向けば、「ハンギング・コフィン」を見られます。
■アクセス、参考情報など
観光案内所にて、各種手配をしてください。
サガダに来た旅人はここで必ず食事をする名店、村のメインストリートの中程に位置する「ヨーグルトハウス(Yoghurt House)」は、常にたくさんの観光客でにぎわっています。
お勧めはなんといっても、チキンと新鮮な高原野菜を使った料理と、お店の名前にもなっているヨーグルトです。周りのテーブルを見渡せば、示し合わせたかのように、チキン料理とヨーグルトがテーブルに並んでいるはずです。2階のベランダからサガダの村を眺めつつ、ここでしか味わえない絶品を堪能してください。
■アクセス
観光案内所から、メインストリートを洞穴方面に徒歩数分。小さい村の名店なので、宿で確認をすればすぐわかります。
*しばし待つこともあります。
不思議な風習とおいしい食事、さまざまなアクティビティが、旅人の心をひき付けて止まない小さな村「サガダ」。日本から近くて遠い彼の地に訪れれば、頑張って来て良かった!と、心の底から思える場所ですよ。
*標高1500メートルに位置するサガダは、朝晩の冷え込みが激しいため、長袖など防寒具の持参をお勧めします。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/9/9更新)
- 広告 -