写真:SHIZUKO
地図を見る海に面していない京の都では、日本海から運ばれる海の幸は貴重な食物。多くの海産物が、琵琶湖の西に立ちはだかる中央分水嶺の山々を越えて、はるばる京都に運ばれてきました。ゆえに、かつて朝廷に海産物を献上していた御食国(みけつくに)である若狭国・小浜から京都・出町柳へ続く道は、誰が名付けたのか、いつしか『鯖街道』と呼ばれるようになりました。新鮮な海の幸を京の都に運んだ街道は5本。その中でも、今でも国道367号線として多くの車が行き交う花折峠と朽木村の間の『若狭街道』は、別名『鯖寿司街道』と呼ばれ、現在では、多くの鯖寿司店が点々と立ち並んでいます。
写真は、中央分水嶺(日本海側と太平洋側のどちらへ川が流れているかという分岐点)の比良の山並み。
写真:SHIZUKO
地図を見る『鯖街道』の終着地は、京阪電車の終点で叡山電車の始発となる『出町柳(でまちやなぎ)』。写真左側の賀茂川と右側の高野川が出会う場所。出会って一本になった川は『鴨川』となり、京都の中心地を流れていきます。そして、この2つの川に囲まれているのが、パワースポットでもある『下賀茂神社』です。
この出町柳の地にあるのが『出町柳枡形(ますがた)商店街』。細い道の両サイドには、古くからの歴史ある商店が立ち並び、懐かしい雰囲気に満ち溢れています。
写真:SHIZUKO
地図を見るかつて若狭湾で水揚げされた『鯖』は、傷みが早いので塩を振り、人が背負って、2〜3日かけて京都に運ばれました。その鯖は、京都に着くころには最高の塩加減となり、この貴重な鯖を使った寿司が、京都人にとって、お祭りなどのハレの日のご馳走として重宝されるようになったとか。今でも、鯖寿司はかなり高額なものなのですが、お祭りには欠かせない京都の名物となっています。
鯖寿司の名店は、京都市内に数々あり『いづう』や『花折』が有名です。それぞれのお店で多少作り方の差はありますが、身の厚い良質の鯖を塩と酢であっさりと仕上げ、保存性はあるけど、あくまでも新鮮な寿司として食べさせてくれるのが嬉しいのです。
写真:SHIZUKO
地図を見る出町柳駅のそばにある『出町柳枡形商店街』の中に、京都名物・鯖寿司を初めて作った商店として有名な『満寿形屋』があります。
京都の料亭や高級店には入りにくくても、こちらのお店は庶民の味方の商店街にあるお店。行列が出来ていることも多いですが、ちょっと我慢すれば、あなたも京名物・鯖寿司が食べられます。
写真:SHIZUKO
地図を見る鯖寿司は、肉厚な鯖の半身をそのまま使った姿寿司なので、どうしても、すごく高価になってしまいます。が、『満寿形屋』では、そんなこだわりの鯖寿司が2切れと、京都ならではの出汁の効いた細うどんのセットが1000円でいただけるんです! これは食べ得です。
口コミで「あっさりしすぎてる」などと書いている方を見受けますが、関西のしめ鯖は、このさっぱり感が身上。ふっくらとした鯖のうまさったら、この上なし。最高においしい鯖寿司ですから、ぜひ、京都行って食べてみてくださいね。
京都のお店は、イメージ的に敷居が高いと思われがちですが、意外とフレンドリーです。活気のある商店街では、古びた懐かしい風情のお店も多く残っていて、勇気を出して戸を開ければ、お店の方はとても気さく。こちらから話しかければ、いろいろお話ししてくださる方も多いです。
行列がなければ、『満寿形屋』もちょっと入りにくいかもしれませんが、全然気を遣うお店ではないので入ってみてください。鯖の姿寿司も販売していますから、しっかり食べたい方はお土産に買って帰るのもいいですね。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/10/15更新)
- 広告 -