写真:Hiroko M
地図を見るレストラン名の由来は、1886年から2003年までの間、北フランスの街、カレー(Calais)から南仏ニース(Nice)を結んだ豪華列車「カレー・地中海急行(Calais-Méditerranée Express)」、後の「ル・トラン・ブルー(Le Train Bleu)」。青列車という意味で、1922年に導入された新型車両が青かったことから、そう呼ばれるようになりました。飛行機はもちろん、高速鉄道もまだ無い時代に、裕福なフランス人やイギリスの貴族が、保養地の南仏へ向かうために利用した、今や伝説の豪華列車です。
レストラン「ル・トラン・ブルー」の創業は1901年。1900年のパリ万博で、大勢の旅客が訪れることを見越して作られました。お店があるのは、リヨン駅(Gare de Lyon)構内!もちろん、ル・トラン・ブルー列車もここリヨン駅に停車しました。ちなみにレストランのもともとの名前は「リヨン駅食堂(Buffet de la Gare de Lyon)」でしたが、1963年に「ル・トラン・ブルー」に改名。1970年には、当時の文化大臣により、歴史的建造物指定までされました。
写真:Hiroko M
地図を見る「ル・トラン・ブルー」に足を踏み入れた瞬間から、そこは別世界。バロック調のインテリアは、とにかく豪華絢爛!天井や壁には、パリからマルセイユまでの風景が描かれた何十枚もの絵画が飾られ、それらを囲むのは金の彫刻やデコレーション。ベルサイユ宮殿さながらのゴージャスさです。パリの文化が最も繁栄した、19世紀末から第一次世界大戦勃発の1914年までの約25年間、通称「ベル・エポック(Belle Époque)」の、正に象徴のような場所です。
100年前の旅客にとって、このレストランで食事をしてからル・トラン・ブルー列車に乗車することは、オシャレかつスタイリッシュで、究極のステータス・シンボル。限られた人だけが味わえたその雰囲気を、今日はこうして気軽に楽しめるのです。
写真:Hiroko M
地図を見る「ル・トラン・ブルー」で頂ける料理は、典型的なフレンチ。牛ほほ肉の煮込みや、ラム肉のロースト、魚のムニエル等、正統派な料理が楽しめます。チーズのセレクションも圧巻です。アラカルトは少し値段が張りますが、お得なプリフィクス・メニューもあるので、予算に合わせて選択可能。日本語メニューもあるので、安心。写真は、名物のラム肉のロースト。目の前でスライスし、グレイビー(肉汁ソース)をたっぷりかけて貰ったら、ホカホカのポテトグラタンと共に頂けます。
写真:Hiroko M
地図を見る映画通の人は、ピンと来るかもしれません。実は、「ル・トラン・ブルー」は数々の映画のロケ地として使われて来ました。例えば、「レオン」(1994)でお馴染みのリュック・ベッソン監督の「ニキータ」(1990年)で、主人公のニキータがターゲットを暗殺したのがこのレストラン。また、最近だと、数年前に一世を風靡したMr.ビーン主演の「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!(Mr Bean’s Holiday)」(2007)で、Mr.ビーンが苦手なオイスターを面白可笑しく食べるフリをしたのも、ここです。映画を見てから訪れたら、より一層、食事が楽しくなると思います!
写真:Hiroko M
地図を見る「ル・トラン・ブルー」には、特にドレスコードはありませんが、多少キレイ目な格好で行った方が無難でしょう。レストランの雰囲気を満喫するためにも、スマートな洋服で是非行ってみて下さい。
場所は、リヨン駅構内の2階。地下鉄で行く場合は、一旦地上階へ出る必要があります。目立つ看板なので、迷うことはないでしょう。左右対称の立派な階段を登ったら、すぐに入口があります。
パリ旅行中の食事の選択肢はたくさんありますが、「ル・トラン・ブルー」では、食事だけでなく、建物も楽しめて、一石二鳥。100年前の青列車の乗客になった気分で、至福のディナー体験をお楽しみください。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko M
2011年から5年間滞在していたヨーロッパの記事を中心に、大好きなハワイなどについても執筆しています。出産してから旅行をする機会はグッと減ってしまいましたが、だからこそ旅行する時は思いっきりエンジョイ…
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(2025/1/24更新)
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