写真:沢木 慎太郎
地図を見る「大衆演劇」は歌舞伎よりも安く、前売り券だと1000円ほどで手に入れることも可能。旅から旅へ、日本全国を巡る旅役者さんが演じる踊りや舞台は情感たっぷりでパワーに満ち、観る者を元気にさせてもらえます。
役者さんが演じている舞台や花道は、客席からすぐ目の前!役者さんの細かな表情や息づかい、意識の波動までもが感じられ、軽快な大阪弁とともに、役者と観客が一体となって公演を盛りあげている。そんなところが大阪の大衆演劇の大きな魅力です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大衆演劇のトレードマークといえば、厚化粧。「塗ってこそ、飯のタネ」と言われるくらいで、たっぷりと塗り込んだ白化粧に、目もとや鼻を強調した毒々しいメイク。どの役者さんを見ても同じ顔に見えますが、それではファンとしてまだまだ半人前。
大衆演劇は、もともとは歌舞伎の流れをくむもので、時代ごとの流行をいろいろ取り入れ、常に姿を変え続けています。
役者さんの中には、エメラルドグリーンのラメが入った着物やスパンコールのハカマ、オスカル風のブロンドの巻き髪に、ヴィジュアル系のヒビ割れメイクといった方もいらっしゃって、全部ごちゃまぜで収拾がつかなくなることもたまにあったりします。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る演歌や流行の歌に合わせて、歌や踊りのショー。人情話や喜劇、剣劇を取り入れた時代劇も十分に見ごたえがあります。運命に引き裂かれた親子の話など、ほろりとさせられる話も多く、時代が変わっても常に変わらないのは人の心。
真剣勝負のお芝居や踊りなのに、あちこちに笑いが取り入れられ、飽きることなく楽しむことができます。役者さんたちは観客に話しかけたり、握手をしてまわったりするなど、サービス精神もたっぷり!たとえ言葉が分からなくても、大阪ならではの独特な大衆演劇のライブ感は、外国人旅行者も十分に楽しむことができるでしょう。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大衆演劇は、家族ぐるみで演じていることも少なくありません。座長がお父さんで、奥さんが女優、子どもたちはそのまま子役。芝居小屋の上にある部屋で寝泊まりし、家に帰ることも休みもほとんどなく、いつも日本全国を旅しています。ほかの座員さんたちも一年、365日、家族と寝食をともにしながら舞台や楽屋の苦労を分かちあい、顔色一つで気心が通じあうほどの強い信頼関係。そんな旅生活から生まれる歌や踊り、お芝居は観る者の心に深くしみこみます。
川端康成が約100年前に書いた文学作品「伊豆の踊子」の風景が、現代の日本でも見られることは驚きでもあり、まさに感動的ですね。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るさて、すべてのショーが終わると、ご覧のように役者さんと一緒に記念写真を撮ることもできます。以前、“ディープな大阪の歩き方”として、昭和レトロ感の漂う西成区をご紹介したことがありましたが、その時と同じ街歩きのメンバーが今回の「大衆演劇ツアー」を企画。演劇を鑑賞した後に、このような記念写真を撮影しました。
撮影した芝居小屋は、西成区にある「梅南座」(ばいなんざ)。このほかにも、「鈴成座」(すずなりざ)、「オーエス劇場」といった味わい深い劇場があり、大阪の中でも西成はディープな穴場の芝居小屋スポットとしておすすめ。ちなみに、通天閣が建つ新世界には、朝日劇場と浪速クラブという芝居小屋があります。
大衆演劇は、全国各地の健康ランドやホテルなどでも行われています。しかし、専用の芝居小屋では幟や花が飾られ、劇場独自の雰囲気がたまらない魅力。おでんやビールなど飲食をしながらお芝居を楽しむことができ、これも庶民的でおもしろい。
笑いと涙、揺れ動く人の心をお芝居や踊りで演じるのが大衆演劇の世界。ショータイムは3時間ほどなので、大阪に観光に来られたなら気軽に立ち寄ることができます。大阪で大衆演劇が盛んなのは、串カツを食べたついでに演劇も楽しもうという、大阪人独特の好奇心に満ちた文化によるもの。
興味があるけれど、きっかけがないという方には、本文でもご紹介した“西成の街歩き”に参加されてみてはいかがでしょう。ちなみに、今回、ご登場いただいた劇団は、「浅井研二郎劇団」さん。
ご興味のある方は、どちらも[MEMO]のリンクからのぞいてみて下さい。
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(2023/12/10更新)
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