写真:古都の U助
地図を見る「揚輝荘」の北園は京都・修学院離宮を参考にしたと言われる池泉回遊式庭園で、入場料は無料にもかかわらず、桜や藤、睡蓮に、秋は紅葉と四季折々に素晴らしい光景をご覧いただけます。
写真の上部、緑の奥に少しだけですが名古屋市指定有形文化財である「三賞亭」が写ります。
大正7年に伊藤家本宅から移築したお茶室で、揚輝荘最初の建物です。
かつては揚輝荘は広大な敷地に10棟もの茶室が点在し、名古屋の茶道のメッカと言われていたそうです。
また、当時の覚王山一帯は名古屋市郊外の丘陵地帯で、月の名所とされていたそうで、「揚輝荘」の命名も秋月揚明輝という漢詩の一節からとされています。
写真:古都の U助
地図を見る揚輝荘には現在北園と南園にあわせて5棟の名古屋市指定有形文化財が現存しており、そのうちの1つが屋根のある橋「白雲橋」です。
京都の修学院離宮の千歳橋を模しているといい、千歳橋より規模の大きな橋となっています。
また、天井には絵心のあった祐民氏の描いたといわれる龍の絵があります。
橋が架けられている北園の池は浴龍池と呼ばれているところから、龍のモチーフが選ばれたと伝えられています。
揚輝荘はお茶会や観月、コンサートなど年間通して様々なイベントが行われますが、時にはこの白雲橋を舞台にして演奏や舞踏が行われる事もあります。
写真:古都の U助
地図を見るこの建物は、もともと尾張徳川家から移築されたお茶室付きの座敷に、名古屋近代建築の巨匠といわれる鈴木禎次設計の洋間を増築した建物です。
英語のバンガローに漢字を当てて「伴華楼」と名付けられており、そのネーミングは祐民氏の遊び心のひとつといわれています。
内部の公開は水曜と土曜のみ各1日4回行われ、1回が16名までの定員で電話での予約制となっております。
見学は無料で、揚輝荘のスタッフが内部の装飾などを豊富な知識で案内してくれます。
写真:古都の U助
地図を見る北園と南園の間は連絡通路を歩いて行きます。
そして南園の見学の中心となるのは「聴松閣」で、地上3階・地下1階建ての建築です。
山小屋風の外観に壁はべんがらの赤い色、車寄には祐民氏が中国旅行で購入したという虎の石像が飾られています。
一階展示室には全盛期の揚輝荘のジオラマがあり、そのあまりにも広大な規模に圧倒されてしまいます。
また1階奥には喫茶室があり「喫茶べんがら」ではコーヒー400円や美味しい手作りのクッキー150円等が楽しめます。
聴松閣の見学は大人300円ですが、名古屋市交通局の「ドニチエコきっぷ」もしくは一日乗車券の提示で2割引きの240円となります。
名古屋市在住の65歳以上の敬老手帳持参の方なら入場料わずか100円になるそうで、羨ましくなってしまいます。
写真:古都の U助
地図を見る聴松閣の地下にはインド様式の装飾が施された舞台付きの舞踏場がある他、内部の通行はできないものの、ミステリアスな地下トンネルの入り口部分の見学ができます。
聴松閣が昭和12年に建設されたと同時にこのトンネルも掘られたとされています。戦時中には近隣の人が防空壕として避難したそうですが、防空壕を作るには時期が早かったとか、国内外の要人も集った揚輝荘だけに万一に備えて脱出ルートを用意したのではないか、とも言われ今も謎が残ります。
かつてのトンネルの総延長は170メートルもあり、途中には高さ5メートル、直径7メートルもの八角形の地下ドームもあったそうです。残念ながらマンション建築時に埋め立てられてしまいましたが、聴松閣から伸びる約20メートルの部分と聴泉窟と書かれていた東側の出入り口部分が残されています。
見所いっぱいの揚輝荘の見学は9:30〜16:30、休園日は月曜(休日の場合直後の平日)、年末年始です。
覚王山エリアは「日泰寺」「城山八幡宮」などの寺社の他、地下鉄東山線池下駅よりに徒歩10分ほど歩いていただくと、ヘラルドグループ創業者の古川爲三郎氏のコレクションを展示する古川美術館や、彼が晩年住んだ邸宅が、古川美術館分館・爲三郎記念館として公開されているなど見所が多いエリアです。ぜひ一度お訪ねいただきたいと思います。
詳しくは本文下のMEMO《数寄屋カフェも素敵です!名古屋財界人の邸宅・爲三郎記念館》もご覧下さい
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(2024/9/18更新)
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