写真:Hiroko M
地図を見るV&Aは、1852年に建てられた国立博物館。1851年に開催されたロンドン万博(Great Exhibition)の成功を受けて、万博の収益と展示品を元に建てられました。当初の目的は、産業博物館として、普段アートに触れられない労働者を啓蒙し、デザイナーやメーカーにはインスピレーションを与えること。創業から160年以上経った今もV&Aは、一般人はもちろん、多くのデザイナーが訪れる、「ひらめきの宝箱」のような場所なのです。
イギリスの他の国立博物館同様、入場無料!博物館が構えるのは、万博を機に名付けられたエグジビション・ロード(Exhibition Road)。道の最北端には、万博が開催されたハイドパーク公園があり、約1キロの通りは、幾つもの博物館、研究所、文化ホール等が並ぶ、カルチャー通りです。ちなみに科学博物館(Science Museum)と自然史博物館(Natural History Museum)はV&Aの真向かいにあるので、併せて訪れるのがおすすめ。もちろん、これらも入場無料です。
写真:Hiroko M
地図を見る本題のミュージアム・レストランがあるのは、V&Aの正面入口からギフトショップと中庭を突っ切った博物館の最奥(最北)。世界最初のミュージアム・レストランは、三つの繋がった部屋から成ります。写真は、最も華やかなギャンブル・ルーム(Gamble Room)。1865年建設のこの部屋の、簡単に拭けて衛生的なタイル貼りの壁や、耐火性のエナメル加工が施された天井は、当時としては革新的なデザイン。機能性と美しさを兼ね備えた、至極贅沢な空間です。壁には、“Hunger is the best sauce”(空腹は最上の調味料)等のことわざが掲げられており、食欲をそそります。
写真:Hiroko M
地図を見るギャンブル・ルームの隣にあるのは、モリス・ルーム(Morris Room)。ウィリアム・モリス(William Morris)は19世紀イギリスにおいて最も影響力のあったデザイナーで、彼の思想や活動は、後に続いたモダン・アートの原点と言われています。モリスが設立した商会が請け負った最初の大仕事が、この部屋のデザイン。ギャンブル・ルームとは対照的で、かなり落ち着いた雰囲気です。モリスが追求していた、中世ヨーロッパの教会のような、渋くて手の込んだ職人技が随所に見られます。
三つ目の部屋は、ポインター・ルーム(Poynter Room)と呼ばれ、オランダ製の青と白のタイル貼りの壁や、当時の流行りであった日本風のモチーフが散りばめられたストーブがある、元グリル・ルーム。当時は階級により、食べられるメニューが分かれていました。ファースト・クラスはステーキ、ソーセージ、スティルトンチーズ等が食べられ、セカンド・クラスはミンチ肉やウサギ肉のシチューが振る舞われたとか。どんな味がしたか、気になりますよね!
写真:Hiroko M
地図を見るさて、肝心な食事ですが、すぐ食べられるサンドウィッチや果物の他、ローストチキン、サーモンの香草焼き、新鮮なサラダやキッシュ等の熱々ワンプレート「カフェ飯」も食べられます。そしてここはセルフ・サービスのカジュアル・レストラン。自分で欲しい料理を受け取り、支払いをレジで済ませたら、好きな部屋の好きな席でお食事をお楽しみください。正午から徐々に混み始め、13時ごろには席が無いこともしばしば。計画的に訪れるようにしましょう。味もボリュームも大満足ですよ!
写真:Hiroko M
地図を見るデザートのケーキ類も超充実。スコーンやクロワッサン等の朝食向きの食事もありますし、甘〜いマフィンやおすすめのキャロットケーキ(写真)等、イギリスらしいスウィーツもたくさん。朝食や午後の一服に立ち寄るのもおすすめです。
ドリンクは、コーヒー・紅茶やジュースの他、ビールやワインもあります!お昼から博物館の中で一杯飲めちゃうんです。
いかがでしたか?世界最初のミュージアム・レストランは、豪華でありながら、とてもカジュアル。ここだけでも、V&Aを訪れる価値はあります。ロンドン観光の際に、気軽に立ち寄ってみて下さい!
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko M
2011年から5年間滞在していたヨーロッパの記事を中心に、大好きなハワイなどについても執筆しています。出産してから旅行をする機会はグッと減ってしまいましたが、だからこそ旅行する時は思いっきりエンジョイ…
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