紅葉と庭園が織りなす絶妙の色彩!京都・洛北「詩仙堂」

紅葉と庭園が織りなす絶妙の色彩!京都・洛北「詩仙堂」

更新日:2019/04/09 09:25

京都の紅葉の名所は有名・無名を問わず数多くあります。洛北エリアもその一つで、始発の出町柳駅から叡山電車で行ける市原駅〜二ノ瀬駅間の紅葉のトンネル、鞍馬寺、貴船神社など多くの観光客で賑わいます。

今回は叡電一乗寺駅から徒歩15分の場所に位置する、庭園の白砂や樹木の緑に映える紅葉が絶妙の色彩のコントラストを奏でる「詩仙堂」をご紹介します。錦秋の古都の醸し出す「 わび・さび」を感じてみませんか?

詩仙堂

詩仙堂
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「詩仙堂」は、江戸時代初期の文人石川丈山がつくり、詩や書や作庭を楽しんだ庵がもとになったお寺です。秋になると白砂と緑のサツキに紅葉がよく映えます。

石川丈山は、徳川家康の覚えめでたく関ヶ原や大阪冬の陣、夏の陣で勇ましく戦った武士でしたが、夏の陣で家康の命じた「一番乗り禁止令」を破ったため、三十三歳で蟄居を命ぜられ、浪人になりました。その後、朱子学などを学び、五十九歳の時に「詩仙堂」を造営し、没するまでの三十余年、ここで詩や書や茶や作庭を楽しんだ文化人です。武士として戦を経験しその後、文人として抒情を追求した文武両道を極めた人間の心がこの詩仙堂にあります。

入り口の門は、「小有洞(しょうゆうどう)」と名付けられています。

室内から見る庭園

室内から見る庭園
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詩仙の間から眺める庭は、四季を通じて丸く刈り込まれたサツキと、楓が印象的な風景を作り上げています。殊にサツキの花の咲く初夏と、楓の紅葉の時期の色彩のコントラストは見事です。室内には、玄関から入り、座敷半山林、詩仙堂、猟芸巣(至楽巣)、嘯月楼、膏肓泉、躍淵軒、嘯月楼などと名付けられた部屋が続いています。廊下を含めて室内のどの部屋から眺めるかによって庭の印象が変わります。

庭園の色彩

庭園の色彩
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室内からの庭園風景を楽しんだら、庭に下りて園内を散歩をしましょう。石川丈山が作った庵・庭。歴史に思いを馳せながら庭を堪能してみてください。秋には庭に仕掛けられたいろいろな草木の色彩の組み合わせが楽しめます。白く輝くすすきは、紅葉の朱色に映えます。
また、現在日本庭園んでよく目にする「僧都(そうず)・ししおどし(鹿脅し・猪脅し)」を庭園に取り入れたのは石川丈山が最初だったそうです。竹筒が石を叩く優雅な音を耳を澄ませて聞いてみましょう。

わびを感じませんか?

わびを感じませんか?
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「わび」は、動詞の「わぶ」(「気落ちする・つらいと思う・落ちぶれる」などの意)から出た言葉ですが、「美を表す用語」として「物静かなはかなさ」が連想できます。サツキの葉の上に落ちる模様から「わび」を感じませんか?

さびを感じませんか?

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「さび」は動詞「さぶ」(「古くなる・色あせる」などの意)から生まれた言葉ですが、「美を表す用語」として「そこはかとない閑寂」が連想できます。詩仙堂の白砂に描く落ち葉の模様から「さび」を感じませんか?

洛北の散歩道

詩仙堂で「わび・さび」を感じたら、近くの「一乗寺下がり松」(およそ四百年前に宮本武蔵と吉岡一門が決闘した場所)あたりから、紅葉名所の圓光寺、曼殊院門跡、さらに北に進んで修学院離宮(事前申し込みが必要)、赤山禅院(せきざんぜんいん)周辺を散歩してみてください。東山、嵯峨野とはまた違う、落ち着いた錦秋の古都を味わえます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/11/21 訪問

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