写真:市川 芽久美
地図を見るイエズス会は、17世紀初頭、原住民族『グアラニー族』が住むブラジル、アルゼンチン、パラグアイにまたがる地域で伝道活動を開始しました。
グアラニー族の人々へ、キリスト教化を進めるための拠点となったのが、伝道用の集落。布教の為にいくつもの集落が建設され、そこで共同生活が行われていたのです。
この伝道用集落に人々が集まって来たのは、強制労働や奴隷狩りから逃れた先住民を積極的に受け入れ、解放する役割も果たしていた事も大きな理由です。
"アメリカ大陸からのイエズス会追放令"が発令される1767年まで、これらの伝道所集落は、平和な理想郷を築こうと、自給自足の共同生活をすすめていました。
写真:市川 芽久美
地図を見るサン・イグナシオ・ミニ遺跡は、他のイエズス会の遺跡に比べ、最も保存状態が良い上に、イタリア人建築家ジュアン・ブラサネッリ (Juan Brasanelli) による美しい教会を中心に、グアラニー族の芸術家たちによる装飾が施され、芸術的にも美しい、イエズス会の伝道所です。
伝道所の集落は、教会を中心に、調理場、食堂、教場、作業場、少し離れて墓地があり、最も人口が多かった1733年には、4000人もの人々がここで共同生活をしていました。
写真:市川 芽久美
地図を見る美しく壮大なファザード(門)を抜けると、陶器で飾られた床が広がる教会の大広間や地下倉庫、客人用ダイニング等があり、当時の人々の生活を思い浮かべると、不思議なパワーを感じます。
これらの共同スペースを囲う様に、各家族が暮らす長屋があり、学び、働き、助け合いながらの自給自足の共同生活。当時の理想郷に、触れる事の出来る遺跡です。
写真:市川 芽久美
地図を見るすっぽり石造りの柱を飲み込んで、グングンと成長している木(写真)が、集落崩壊後からの年月を物語っています。他のイエズス会の集落は、木々が生い茂り、面影の無い場所もあるそうです。
写真:市川 芽久美
地図を見るこちらの遺跡は、サン・イグナシオの街の中にあり、サン・イグナシオ・ミニ・イエズス会博物館 (Museo Jesuítico de San Ignacio Miní) が併設されています。
近くにはレストランも多く、美味しい川魚も頂けます。
昼食と併せて訪れてみてはいかがでしょうか。
こちらの観光を組み込んだ最短お勧めコースは、イグアス(アルゼンチン)空港から入り、ポサダス空港から出る2泊3日コース。
<行程>
アルゼンチン・イグアス空港→(車:15分)→*プエルト・イグアス周辺のロッジで1泊→(車:15分)→イグアスの滝→(車:30分)→ミネラ・ワンダ→(車:2時間)→サン・イグナシオ・ミニ→(車:30分)→**エスタンシア[伝統的な大農場]で1泊→(車:40分)→ポサダス空港
*プエルト・イグアスでは、郊外にあるイグアス・ジャングルロッジ『ラ・カンテラロッジ』での滞在がお勧め。自然にとけ込んだ快適なロッジで、しかもリーズナブル。
**エスタンシア[伝統的な大農場]では、『エスタンシア・サンタ・セシリア』での滞在がお勧め。オーナーの素敵な家に宿泊し、ガウチョ(カウボーイ)とともに生活体験が出来ます。
グアラニ族のイエズス会伝道所は、ブラジル・アルゼンチン・パラグアイの原住民、グアラニー族が暮らしていたエリアに、30箇所築かれています。
ポサダスから国境を越えた、パラグアイ側にも世界遺産で同様のイエズス会伝道所跡、『ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道所群』があります。
ポサダスから、車で約3時間程の場所にあるので、時間のある方は、是非見比べてみてください。
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(2024/4/19更新)
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