四国の山奥の秘境・祖谷渓の一軒宿温泉を目指して

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四国の山奥の秘境・祖谷渓の一軒宿温泉を目指して

四国の山奥の秘境・祖谷渓の一軒宿温泉を目指して

更新日:2014/02/04 18:10

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

四国三郎と呼ばれる吉野川の支流である祖谷(いや)川の全長は10キロ。四国山地を切り裂く渓谷は、数十メートルから数百メートルという断崖絶壁の続く、近寄りがたい美しさ。

紅葉の時期は、エメラルドに光る水面から山頂まで、まさに天然の綾錦。新緑の季節は素晴らしい木々の活力に溢れる渓谷。露天風呂につかって、そんな景色を独り占めしませんか。

平家の落人の里は、ひっそりと険しい山肌に寄り添う

平家の落人の里は、ひっそりと険しい山肌に寄り添う

写真:SHIZUKO

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祖谷温泉へ行くには、祖谷渓に沿って整備された祖谷街道を車で登っていくことが一般的。でも、せっかくの雄大な自然ですから、ぜひ、自分の足で歩いて、秘境を肌で感じることをお勧めします。

人が踏み入ることを拒否するような急峻な山間。山と山に挟まれた深い谷沿いを歩くと、こんな所に人家が? と、びっくりする集落に出会います。

それが『平家の落人の里』とされる『祖谷』の集落。

見上げると首が痛くなるような山肌に、数軒の家があります。歩を進めると、そんな集落がポツンポツンと点在していることがわかります。源平の合戦で破れ、迫害を恐れ、山の奥深くに身を隠した平家のゆかりの人々。道が整備された現代でも、よくぞそんな山肌に…と、思う土地柄ですから、当時の人々の苦労が偲ばれます。

JR祖谷口駅から歩いて12キロ強、約3時間の行程の先に一軒宿のホテル祖谷温泉があります。

歩き始めて10キロを越えた辺りから足が重くなってきますが、遠くに目標が見えると、何とか辿り着けるものです。切り立った山の端に建つ建物は、まさに秘境の一軒宿です。

断崖に立つ小便小僧に忘れたくない冒険心を再び

断崖に立つ小便小僧に忘れたくない冒険心を再び

写真:SHIZUKO

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紅葉の名所・祖谷渓は、谷から霧が吹き上がってきたと思えば、次の瞬間にはすっきり晴れたり、突然雨が降ったりとめまぐるしく空気が変わります。覗き込むとクラッとしそうな遠くの川面のすぐそばから山頂まで、色とりどりのまさに綾錦。こんなにダイナミックな景色には、なかなかお目にかかれないでしょう。  

こんな山の中に、なんと! 小便小僧が谷に向かって立っています。なんで? 何のために?

実は、かつて祖谷街道を切り開いた時に残された渓谷に突き出た岩で、地元の人たちが度胸試しをした名残だとか。目が眩みそうな断崖の先に立つのは、相当勇気が必要だったでしょうね。今では、小便小僧だけが悠々とその勇気を誇示しています。

小便小僧が見下ろしている辺りが、温泉谷といわれる場所で、川から温泉が湧いています。

その温泉が祖谷温泉の露天風呂です。

急角度のケーブルカーにびっくり

急角度のケーブルカーにびっくり

写真:SHIZUKO

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河原の露天風呂へは170メートルも下っていかなくてはいけません。自分の足で往復していたのでは、癒されるどころか疲れきってしまいます。

ご安心を。ちゃんとケーブルカーが用意されていますよ。片道5分のケーブルカーにゴトゴトと揺られて、いよいよ露天風呂への期待が高まります。

もみじの木を上から眺めたり、木々を間近に感じられるケーブルカーは、それだけでもとっても楽しいもの。急角度なので、まるで真っ直ぐに谷底に行くような気分です。

到着すると、暖簾をくぐって、いよいよ温泉。

トローっとした温泉は、ややぬるめ。ゆっくりと全身を湯にうずめると、幸せ。ただし、寒い時期はかなりゆっくり浸かったほうがいいので、時間の余裕を持ってお出かけください。もちろん、宿泊される方は、じっくり堪能できますね。

度胸試しついでに『かずら橋』も渡ってみる

度胸試しついでに『かずら橋』も渡ってみる

写真:SHIZUKO

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祖谷温泉から、さらに10キロ先には『かずら橋』があります。

長さ45m・幅2m・水面上14mのかずら橋は、国・県指定重要有形民俗文化財に指定されています。平家の落人達が隠遁していた頃は、外界と祖谷渓を結ぶ唯一の橋だったそうです。シラクチカズラという植物で作られています。

吊橋はいろいろあるけど、この吊橋、足もとがスカスカに空いているんです。それがなんとも怖いんです。

吊橋は揺れるから怖いと思っていたけど、かずら橋は、意外に揺れません。じゃあ、下を見ずに渡ったら怖くないはず…、なのですが、足元を確かめずに渡ることはできないので、嫌やが上にも、橋の板の隙間から、川面を見ることになり、高さを感じずにはいられません。高所恐怖所の人は、ちょっと辛いかもしれないですね。でも、ぜひぜひ渡ってみてください。

かずら橋から徒歩1分のところに『琵琶の滝』があります。

落人達が、都の生活を懐かしみ、滝のそばで琵琶を奏でていた場所だといわれています。

山の中のご馳走『でこまわし』

山の中のご馳走『でこまわし』

写真:SHIZUKO

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山深い祖谷渓の名物の一つに『祖谷そば』があります。

米が育ちにくい急峻な山間は、昼夜の寒暖差が激しく、水はけがいい清らかな水脈があるおかげで、美味しい蕎麦が育つ場所。もちろん名物になりました。祖谷そばの麺は、一本一本が太くて短くぼそぼそ。だけどそれがなんともいえない魅力です。

そして、絶対に食べてほしいのが『でこまわし』。

小芋・蕎麦団子・石豆腐・こんにゃくを串にさして、柚子味噌をつけて炭火で炙ったもの。本当に美味しい。まさに秘境の郷土料理です。見た目以上にボリュームがあるので、ひと串食べれば大満足。

『でこ』とは、人形のことで、串に刺したその姿が人形のようで、回しながら焼くので『でこまわし』と呼ばれるようになったとか。

平家の落人達の悲哀を今もそこはかとなく感じられる、まさに秘境・祖谷渓。泊ってゆったりするもよし、足を伸ばして、剣山登山に行くもよし、それぞれの楽しみ方が出来る秘境。

ぜひ一度、お出掛けくださいませ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/11/26 訪問

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