草木の生えない荒涼とした溶岩台地に、青白色の濁り湯が湛えられている「ブルーラグーン」。月面を想像させるモノトーンな世界の中で、ミルキーホワイトの水面が美しく映え、実に神秘的な風景です。あまりに広いので、露天風呂というより湖と表現した方が相応しいのですが、その広さは何と5,000平米もあり、同時に700人も利用できるキャパシティーがあるんだとか。
こちらでは男女混浴で、水着を着て入浴します。世界中から観光客がやってくるので、常に多くのお客さんで賑わっていますが、あまりに広大であるため、混雑は全く気になりません。湯加減は日本人にはちょっと物足りない40℃以下ですが、場所によっては熱めのところもあり、広い湯船を移動していれば、自分の好みに合う温度と出会えるはずです。むしろ、ぬるめのお湯ですから体への負担が少なく、時間を忘れていつまでも長湯を楽しめます。
白濁のお湯は塩分を多く含んでいるので、塩辛さとニガリの味を有しており、入浴中はツルツルスベスベの心地良い浴感が楽しめます。
ブルーラグーンのお湯には多くのミネラルが含まれており、皮膚疾患に効能があるといわれている他、温泉成分のひとつであるシリカが美肌効果をもたらすことでも有名です。露天風呂のプールサイドには、シリカの真っ白い湯泥(シリカ・マッド)が溜まっている箱が用意されていますので(写真を参照)、これを手に取って泥パックを体験してみましょう。泥を塗る時間は5〜10分が目安です。なお浴槽の底にも泥が溜まっていますが、その泥はパックに不向きですのでご注意を。
施設内のショップでは、このシリカを配合した基礎化粧品が販売されています。
料金は先払いで、入館時にリストバンドが手渡されます。バンドの白い部分にICチップが埋め込まれており、これによって入退場の記録の他、ロッカーの施錠・開錠も行います。多くの入浴客をさばくため、ロッカールーム(更衣室)はいくつかの部屋に分かれていますが、特に制限等はなく、任意の部屋およびロッカーを使うことができます。
リストバンドは館内における飲食などの精算にも使われ、施設内で発生した各種料金は退館時に一括精算するシステムとなっています。このため館内では財布を持ち歩く必要がありません。プールサイドには写真のような売店があり、好みのドリンクを飲みながら、露天風呂に浸かることもできるんですよ。
もちろん屋内レストランも完備されており、入浴しないお客さんも施設内で過ごすことができます。なお屋内レストランやお土産のショップ利用に関しては、入館料不要です。
ブルーラグーンで使われている白濁の温泉は、隣接するスヴァルツェンギ地熱発電所(写真)でタービンを回すために使われた地熱海水が、二次利用されたものです。つまり発電所の排湯を再利用しているのですが、排湯といっても決して汚れたものではありません。発電所で使う海水を、高温の地熱に触れさせたものであり、天然のミネラルを豊富に含んでいるこのお湯は、日本の温泉法に照らし合わせれば、れっきとした温泉に分類されます。
ちなみに、アイスランドは再生可能エネルギーの先進国と言われており、国内で賄われている電力の80%は水力、20%は地熱で、化石燃料は一切使われていません。地熱を発電に使うのみならず、温泉として観光にも活用しているのですから、エネルギーの使い方として実に効率的ではないでしょうか。
国際空港からとても近いため、到着日や帰国直前に利用する人も多く、アイスランドで最も観光しやすい場所と言えるかもしれません。空港やレイキャビックなどでは日帰りツアーも受け付けているので、それに参加すれば細かなアクセス等を気にせず、手軽に利用することができます。
露天風呂の広大さや、白濁湯が生み出す神秘的な風景は、余多の温泉を擁する我が日本でも、比肩できるものがありません。通年営業していますから、冬でも露天風呂を楽しめます。アイスランドならではの雄大な温泉を、是非体験してみてください。
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(2023/12/6更新)
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