古事記が熱い!奈良県立美術館『大古事記展』の後期展示の見所

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古事記が熱い!奈良県立美術館『大古事記展』の後期展示の見所

古事記が熱い!奈良県立美術館『大古事記展』の後期展示の見所

更新日:2014/12/02 17:36

いずみ ゆかのプロフィール写真 いずみ ゆか ライター

今、奈良は古事記が熱い!奈良県立美術館では、現在12月14日まで『語り継ぐココロとコトバ 大古事記展〜五感で味わう、愛と創造の物語』が絶賛開催中。絵画・考古資料・現代アートといった古事記にまつわる幅広いジャンルの展示が大変評判です。注目展示の国宝『七支刀』は展示期間が終了しましたが、11月18日から一部展示替えが行われ、後期展示がスタート!後期の注目作品とその他の見所を併せてご紹介します。

<序章>「太安萬侶神坐像」や美術館初展示の神像

<序章>「太安萬侶神坐像」や美術館初展示の神像

写真:いずみ ゆか

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古事記は約1300年前(712年)に、奈良の地で稗田阿礼が暗誦し、太安萬侶(おおのやすまろ)が編纂した日本最古の書物。読み難い神様の名前や難しいという思い込みから、敬遠しがちな方も多い事でしょう。でも、古事記を全く知らない方でも大丈夫!
今回の『大古事記展』は、「古事記」をキーワードに集められた古代〜現代の幅広いジャンルの展示品から世界観を”感じて”楽しめる事が最大のポイントなのです。

展示は、2階からスタート。最初に出迎えてくれるのは、奈良県田原本町「多坐彌志理都比古(おおにいますみしりつひこ)神社」所蔵「太安萬侶神坐像」と奈良県東吉野村の「丹生川上(にうかわかみ)神社」所蔵3体の神像、滋賀県栗東市の「小槻(おつき)大社」所蔵2体の神像です。
特にご注目頂きたいのは、「丹生川上神社」所蔵の「伝伊耶那岐命(いざなきのみこと)坐像」「伝伊耶那美命(いざなみのみこと)坐像」の夫婦神像と「女神坐像」の3体。なんと美術館初展示!「女神坐像」は彩色が良く残っており、衣の模様まで分かります。

T<古代の人々が紡いだ物語 創・旅・愛>著名画家が描く古事記の見所

T<古代の人々が紡いだ物語 創・旅・愛>著名画家が描く古事記の見所

写真:いずみ ゆか

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まずは日本の著名画家達が描いた古事記の世界を堪能しましょう。古事記の中でもとりわけ有名なシーンを「創・旅・愛」のテーマに分けて展示しています。是非、解説にある物語の内容と照らし合わせながら、古代の神様達のロマンスや戦いなどを楽しんで下さい。「あ、このお話知ってる!」と思う方も多いはず!

中でも訪れた方に強烈なインパクトを与える作品は、奈良市出身の洋画家・絹谷幸二氏が古事記編纂1300年にちなんで制作した連作の一部『天の岩戸 曙光』『天孫降臨 I』。
イタリアでアフレスコ技法(フレスコ画)を研究した画家であるため、鮮やかな色彩が特に印象的。『天孫降臨 I』で、第4展示室にある『隼人の楯(復元品)※』が描かれているのも興味深いポイントです。

他にも面白いのは、一部作品のみですが、描かれた鏡の複製品・横刀(たち)の雛形を一緒に展示しているところ。画家が作品を描く際に考古学者と交流があった事が分かります。

■石井林響『童女の姿となりて』(※写真参照)
少女の姿に変装して、熊曾建(くまそたける)を討つため、宴会に紛れ込む小碓命(おうすのみこと)→後の倭建命(やまとたけるのみこと)を描いた作品。描かれた鏡のモデルは新山古墳出土の直弧文鏡だと分かります。

特に日本画がお好きな方には堪らない作品ばかり。古事記の同じシーンでも、画家によって与える印象が全く異なるところにも注目してみて下さい。まるで、古事記の絵物語の世界に迷い込んだ様な贅沢な気持ちになれます。

※隼人は大和政権の反抗勢力であったが服属し、宮の警備や儀式などを担当した人々

後期展示の注目作品&II<古事記の1300年>の見所

後期展示の注目作品&II<古事記の1300年>の見所

写真:いずみ ゆか

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『大古事記展』は11月18日(火)より、絵画作品を中心に一部、展示品が入れ替わりました。後期の注目作品をご紹介しましょう。

■歌川豊久『組上絵 八岐大蛇退治』※写真参照
「組上絵(くみあげえ)」は江戸時代のペーパークラフト。原本が残っている事は本当に珍しい。組み上がり模型は、実際に触る事が可能。

■河鍋暁斎(かわなべきょうさい)
『天の岩戸 天宇受売命の踊り・手力男命岩戸開き』
『伊邪那岐命と伊邪那美命』
自らを画鬼と称し、幅広いジャンルの作品を描いた異色の日本画家で、幕末から明治にかけて狩野派の画家として、また狂画(戯画)などで活躍。海外での評価も高い。

■青木繁『黄泉比良坂(よもつひらさか)』
天才と謳われた明治期の洋画家で、古事記を愛読し作品モチーフにしていた事で知られる。作品は代表作の一つ。

絵画の次は、古事記を「古代の太安万侶→近世の本居宣長→近代→戦後の漫画」までの流れで見てみましょう。後期展示には、江戸時代に京都で活躍した浮世絵師・井特(せいとく)の『本居宣長七十二歳像』(重要文化財)が登場。資料がメインの渋い展示ですが、長く受け継がれてきた歴史を実感する事が出来ます。
特に、奈良県太安萬侶墓より出土した重要文化財「太安萬侶墓志」は必見!なぜなら出土した事で、太安万侶が実在の人物である事が判明したからです。記された「安萬侶」の文字もハッキリ分かるので是非ご覧下さい。
他にも古事記と世界中の神話には似たエピソードがある点を分かりやすく映像化した展示がとてもユニークです。

III<古事記に登場するアイテムたち>W<身近に今も息づく古事記>の見所

III<古事記に登場するアイテムたち>W<身近に今も息づく古事記>の見所

提供元:提供:奈良県観光局ならの魅力創造課 国宝「七支刀」(石上神宮蔵)

古事記に出てくるアイテムたちの多くは、実際に目にした事が無いため、想像し難いもの。是非、考古出土品から具体的なイメージを膨らませて下さい。
例えば、『弾琴男子椅座像埴輪(だんきんだんしいざぞうはにわ)』から古事記にも登場する古代の髪形・美豆良(みずら)はこんな感じだったのかと分かります。

考古出土品の次は、古事記ゆかりの古社の御神宝や神楽から、古事記が時空を超えて今も身近に息づいている事を感じてみましょう。
実物の展示期間は終了してしまいましたが、国宝『七支刀』の精巧な複製品の展示も。『日本書紀』の百済から倭王に献上されたとみえる『七枝刀』(ななさやのたち)ではないかと推測されており、4世紀頃の倭を知るための古代史一級資料として有名です。身の表に34(35)文字、裏面に27文字の銘文が金象嵌の技法で刻まれており、複製品でも見応え充分!石上神宮の名前自体が古事記に登場するほど関係性が深く、禁足地からの出土品(勾玉など)の展示は本当に珍しいため必見です。

その他、大神神社所蔵『子持勾玉』や春日大社所蔵の国宝『黒漆平文鏡台』、『禽獣葡萄鏡(きんじゅうぶどうきょう)』も普段目にする事のできない貴重なもの。この機会に是非ご覧下さい。

ゲームセンターアマテラス出現!V<未来へ語り継ぐ古事記>の見所

ゲームセンターアマテラス出現!V<未来へ語り継ぐ古事記>の見所

写真:いずみ ゆか

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最後に1階展示室へ。国内外のモダンアート界で活躍する3組のアーティストが古事記からインスピレーションを受けた新作のアート作品を体感しましょう。

■山口藍『ことど』『ときわ』
遊女をモチーフにした作品で知られるアーティスト。独自の新解釈で描かれたイザナミやイワナガヒメは必見。

■エキソニモ『神、ヒト、BOT』
メディアアート界を牽引するアートユニット。当時の最新技術である「書き言葉」を使い表現された古事記を現代の技術で語るとはどういう事か表現した意欲作。

■トーチカ『ゲームセンターアマテラス』
奈良のアートユニット。天の岩戸に閉じこもったアマテラスを誘い出すため一心不乱に踊ったアメノウズメになりきって踊ってみよう!というコンセプトの体感ゲーム型作品(1回5名)。実際に出てくる光に合わせて踊り、成功すると本当にアマテラスが出現!(※写真参照)

併せて訪れたい!春日大社の期間限定「本殿前特別参拝」&フルコト『小古事記展』情報

奈良県立美術館は近鉄奈良駅から徒歩約5分。近くには古都奈良の世界遺産である春日大社があります。春日大社は中世から古事記を研究していた事で知られ、今回の大古事記展でも国宝を含む御神宝や古文書などを出展。現在、『第60次式年造替』記念として、期間限定の特別公開「本殿前特別参拝」が可能です。是非、併せて訪れてみて下さい。

《期間》前期(12月20日まで)後期(1月8日〜3月20日)
《時間》午前8時半〜午後4時45分
《初穂料》500円
・禁足地の御蓋山浮雲峰遥拝所での参拝
・140年ぶりに御本殿後殿御門を開門
・重要文化財「藤浪之屋」での万灯籠

更に古事記の世界を堪能したい方に朗報が!『大古事記展』のミュージアムショップに商品を提供している奈良きたまちの『旅とくらしの玉手箱 フルコト』では、同じく12月14日まで『小古事記展』を開催中。マニアックな古事記グッズを入手出来ます。
『大古事記展』では後期も関連イベントがあるので、下記HPよりチェックしてみて下さい!

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/17 訪問

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