アフタヌーンティーの歴史は19世紀初頭に遡ります。朝食と夕食の1日2食が主流であった当時、ベッドフォード公爵夫人のアンナ・マリアが、午後の空腹を満たすために、夫人の私室で始めた習慣と言われています。そのうち、友人も招くようになり、瞬く間にロンドンの貴婦人の間で大流行り。社交の場として機能するようになりました。夫人の私室でひっそり行われていた習慣はいつしか客間で行われるようになり、イギリスの伝統文化になりました。
現代のイギリス社会でアフタヌーンティーは、友人や家族の誕生日等のスペシャルなイベントに頂く「ご褒美」的なもの。昔のように、日常的な習慣では無くなったからこそ、ティールームはどこも「特別感」を演出し、贅沢なティータイムを提供してくれるのです。
写真:Hiroko M
地図を見る1865年創業で五つ星の「ホテル・カフェ・ロイヤル(Hotel Café Royal)」(以下HCR)があるのは、ロンドン中心地のソーホー地区。観光客で賑わうリージェント・ストリートのド真ん中。HCRのロビーの奥にある「オスカー・ワイルド・バー(Oscar Wilde Bar)」でアフタヌーンティーを頂けます。まるでベルサイユ宮殿の鏡の間を凝縮したような豪華絢爛なバーは、夕方はエンタテインメントも楽しめるシャンパン・バーですが、日中はティールームとして優雅なアフタヌーンティーが頂けるのです。ピアノの生演奏も楽しめ、極上の非日常空間ですよ。
そしてバーの名の通り、過去の常連はなんと文豪オスカー・ワイルド!当時、この部屋は「グリル・ルーム」と呼ばれていました。ワイルドが16歳年下の文筆家、アルフレッド・ダグラス卿と恋に落ちたのも、正にこの部屋で。その他、ヴァージニア・ウルフ、ウィンストン・チャーチル、エリザベス・テイラー、ビートルズ等、名立たる著名人が訪れた社交場なのです。この空間で、どんな素敵な会話が交わされたか、想像すると楽しいですね。
写真:Hiroko M
地図を見るアフタヌーンティーの定番の食事内容は、サンドウィッチ、スコーン、スウィーツの三つ。一見軽そうに見えますが、お茶と一緒にゆっくり食べていると、想像以上に満腹になります。
HCRのアフタヌーンティーも例外ではありません。ここは特にサンドウィッチが充実しているので、尚更!15時前の予約ならランチを兼ねて、夕方の予約ならばディナーを兼ねるのがおすすめ。スモークサーモン、猪肉、卵、キュウリ、ゴートチーズ等の具材が入ったサンドウィッチは、どれも絶品。モダンな三段ケーキ・スタンドのプレゼンテーションも美しいです。
写真:Hiroko M
地図を見るクロスに大事に包まれた温かいスコーンは、サンドウィッチを食べ終わった後に出てきます。是非、温かいうちに召し上がってください。濃厚な生クリームのような味わいに、クリームチーズのような舌触りが特徴のクロテッド・クリーム(clotted cream)と、苺ジャムをたっぷりと付けて、パクリ!この際、カロリーなんて気にしてはいけません!やみつきになる美味しさですよ。他にも、爽やかな味わいのレモンカード(lemon curd)を付けて食べるのも通な食べ方。HCRではレモンカードが可愛らしいチューブに入って出てきます。
写真:Hiroko M
地図を見るHCRはスウィーツも超充実。繊細な作りのチョコレートタルト、バナナケーキ、ベリークランブル、マカロン等が楽しめます。お花用のポットにスウィーツを入れるアイデアは斬新ですよね!どれも食べ易い一口サイズなのも嬉しい限り。少しずつ食べ比べてみて下さい♪
明るく開放的な空間でのアフタヌーンティーが主流のロンドンですが、それとは対照的に、「ホテル・カフェ・ロイヤル」では、妖艶でムーディーな雰囲気に包まれながらお茶を楽しむことが出来ます。他の人気なティールーム同様、ここも予約必須です(ネット予約可)。ショッピングの合間に是非、優雅なアフタヌーンティーをご堪能ください。
「オスカー・ワイルド・バー」のドレスコードは、一般的なホテル・ティールーム同様、“スマート・カジュアル”。女性はキレイ目なワンピース等を、男性はジャケットと革靴が無難でしょう。
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(2024/10/15更新)
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