修理中の特別拝観は見逃せない!政宗、美の真髄・松島瑞巌寺

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修理中の特別拝観は見逃せない!政宗、美の真髄・松島瑞巌寺

修理中の特別拝観は見逃せない!政宗、美の真髄・松島瑞巌寺

更新日:2014/11/01 15:46

桜 小町のプロフィール写真 桜 小町 幸運の旅人

宮城県、日本三景で有名な松島にある瑞巌寺。このお寺は戦国時代の武将・伊達政宗が造営に力を注ぎました。
境内には立派な伽藍だけでなく、美しい杉並木や岩窟群など見どころがいっぱい。

平成30年3月頃までは平成の大修理が行われ、本堂などは見ることができません。その代わりに修理期間中だから、特別に拝観できるものもあります。

伊達政宗の思いが今に伝わるような、景勝地松島を望む瑞巌寺をご紹介いたします。

瑞巌寺、栄枯盛衰の歴史

瑞巌寺、栄枯盛衰の歴史

写真:桜 小町

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瑞巌寺の歴史は天長5年(828年、平安時代)、慈覚大師の開創した延福寺に始まります。奥州藤原氏の庇護を受け壮大な寺となりますが、400年ほどで荒廃。

その後円福寺となり、勢力を拡大するも戦国の騒乱で衰退。

慶長9年(1604年、江戸時代)、伊達政宗が衰退していた寺の復興に着手。集められた名工は130人。本堂の位置は十五夜の日に政宗が自ら決め、建材も熊野から取り寄せるなど造営に力を入れていました。そして5年の歳月をかけて桃山様式の本堂などが完成。名前も「松島青龍山瑞巌円福寺」と改めます。

明治時代に入り廃仏毀釈の影響を受け、困窮。しかし天皇が東北を巡幸した際に仮の御所となったため下賜金があり復興。
瑞巌寺の歴史は栄枯盛衰の繰り返しでした。

瑞巌寺はいざ、と言う時の砦の役目があったと言われています。伊達家の菩提寺でもあり、政宗のこだわりが凝縮。壮大な建物に金箔を使った豪華な襖、唐戸や欄間の細かく美しい彫刻など、当時の「美」が詰め込まれています。(本堂や庫裡・回廊は国宝)

門をくぐるとまっすぐに延びた参道に美しい杉並木。東日本大震災の津波による塩害で、300本近くが伐採されてしまいました。それでも美しいことに変わりはありません。杉並木の途中で、後ろを振り返ってみてください。杉並木と門の向こうに、わずかではありますが、美しい松島の景色を見ることができます。

政宗の美へのこだわりが生んだ美しい庫裡

政宗の美へのこだわりが生んだ美しい庫裡

写真:桜 小町

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国宝の庫裡は平成の大修理期間中、特別公開されています。
「庫裡」というのはいわゆる台所。そのためここの庫裡には「煙出し」が付けられています。この煙出しは万が一の時には見張り台になる役割を持っていたとか。

庫裡は実用的な建物のため、大概装飾されることはありません。しかし瑞巌寺の庫裡には唐草などの彫刻が施されていて、政宗の美意識やこだわりを垣間見ることができます。特に上の写真の屋根の辺りをよく見てください。美しい彫刻が見られます。

この庫裡で見逃せないのは「登竜門」を見下ろす場所に書かれた落書き。落書きはなんと御朱印。昔、登竜門は一般の人が出入りに使用していました。そのため「練習として書かれたもの」と言われていますが、よりによってなぜこんなところに?とかなり謎です。

庫裡からそのまま大書院へ。
大書院は本堂が修理中の間、仮本堂になっています。豪華絢爛な襖絵(複写)に囲まれ、ご本尊の聖観世音菩薩や政宗公位牌を安置。すぐ間近で拝むことができます。この距離は修理期間中だからこそ。ぜひこの機会に拝観しておきましょう。

特別公開「寶華殿」と宝物館「青龍殿」

特別公開「寶華殿」と宝物館「青龍殿」

写真:桜 小町

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伊達政宗の正室・愛姫(陽徳院)のお墓「寶華殿」も特別公開。寶華殿は政宗の孫・綱宗により建立されました。
平成18年から3年がかりで復元され、創建当初の豪華な姿を見ることができます。内部は非公開ですが、政宗の念持仏と政宗・愛姫の位牌を安置。そして寶華殿があるのは、松島の美しい景色が望める高台。松島の絶景を眺めながら眠ることができるなんて、うらやましい限りです。

「青龍殿」は宝物館に付けられた名前。絶対に見ておきたいのは伊達政宗の像。27歳の時を写した等身大です。床几に座った鎧を纏った像ですが、意外と小柄。また「独眼竜」と呼ばれた政宗は、幼少の頃患った天然痘が原因で片目の視力を失っていました。しかしこの像は政宗の遺言により両目が造られている、珍しい姿です。

また本堂の「唐戸」も展示。これほど見事な彫刻が施されている扉が他にあるでしょうか?そう聞きたくなるくらい、立派な彫刻の扉です。これも、政宗の美へのこだわりなのでしょう。
(修理期間中、本堂に設置するまでの間のみ青龍殿にて展示)

霊場・松島を実感させる岩窟群の石仏

霊場・松島を実感させる岩窟群の石仏

写真:桜 小町

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この瑞巌寺で一際目に付くのは岩窟。
岩肌が洞穴のようになっていて、その中に何体もの石仏が祀られています。道脇には三十三観音。そして亡くなった人を供養するための石仏や五輪塔が岩肌に彫られています。

これは鎌倉時代から江戸時代にかけて彫られたもの。
松島は古来、霊場として崇拝されて来た歴史があります。この岩窟群はまさにその証拠といえるでしょう。眺めているとどこか圧倒されるような…ここが観光地であることを忘れてしまいます。

ちなみに瑞巌寺を含め、松島はパワースポット。特に瑞巌寺は悪縁を断ち切り、新たなチャンスを引き寄せる力があります。
時代の流れに翻弄されながらも、その度に復興してきた瑞巌寺だからこそのパワーなのかも知れません。

五大堂はこの瑞巌寺の奥ノ院

五大堂はこの瑞巌寺の奥ノ院

写真:桜 小町

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松島の景観で欠かせない五大堂。実はこの瑞巌寺の奥ノ院なのです。

元々五大堂は坂上田村麻呂が創建した毘沙門堂が始まりで、独立したものでした。その後、慈覚大師が延福寺創建の際に仏堂を建立。五大明王を祀り、五大堂と呼ばれるようになります。
その時に田村麻呂が祀った毘沙門天は飛び去り、降り立った島が「毘沙門島」。

江戸時代に入ってから瑞巌寺の管理下に入り、奥ノ院となりました。今のお堂は瑞巌寺造営の折に建てられたもの。桃山様式で見事な彫刻が施されています。通常奥ノ院というと山頂であったり、本殿よりも参拝しにくいところにあるのですが…。もしかしたら風流を愛した政宗の願いだったのかも知れません。

おわりに…

修理期間中、と言うとつい「なぁんだ、本堂見れないの。じゃあ止めておこう」となりがち…。しかしこの瑞巌寺では本堂が見れないからこそ、特別に拝観できるものがあります。逆に言うとこのタイミングを逃したら、見ることができないかも知れません。

本堂はまた後の楽しみとして、この機会を逃さずに瑞巌寺を訪れてみてはいかがでしょうか。政宗の美へのこだわり、霊場としての松島は十分に見ることができますよ。

瑞巌寺へのアクセス
電車:JR仙石線 松島海岸駅〜徒歩、約0.5km
車:三陸自動車道 松島海岸IC〜県道144号〜R45号経由、約3km

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/19 訪問

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