写真:Hiroko M
地図を見るグラース(Grasse)があるのは、南仏ニースから西へわずか30キロほど。中世の面影が残る、人口わずか5万人程の小さな街です。12世紀頃には、革なめし産業が主要産業で、その品質は国際的にも定評がありました。しかし、革の強烈な臭いは多くの人の悩みの種に。そこで、革手袋に香水を染み込ませた“香る手袋”がヒットし、香水産業が生まれました。グラースの温暖な気候は、香水に欠かせないジャスミン、薔薇、オレンジブロッサム、ラベンダー等の花を生産するのにちょうど良い環境。18世紀末には革なめし産業に替わって、香水産業が栄えたのです。
科学技術の進歩で、多くの香水は合成香料を使用するようになりましたが、今日もフランスの天然香水・香料の大半は、ここグラースで生産されています。そして、パフューマリー(香水メーカー)もたくさん。グラースで修行する調香師は、なんと2000種類もの香りを嗅ぎ分けることが出来るそうですよ!
フラゴナールは、現在パリを始め、フランス全土で人気上昇中のパフューマリー。ここグラースで1926年に創業された老舗です。「フラゴナール香水歴史工場(Fragonard L’Usine Historique)」の一階は、古代から現代に至るまでの香水の歴史博物館となっており、調合に使うお釜や、アンティークの香水ボトル等が展示されています。工場では、ガイドが香水製造のプロセスを説明してくれ、香水の奥深さを学ぶことが可能。どちらも無料で見学することが出来ます!
ちなみに、フラゴナール・パフューマリーの名前の由来は、グラース出身の画家、ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean-Honoré Fragonard)。18世紀フランスのロココ美術を代表する、グラース出身の画家です。フラゴナール・パフューマリー創業者のウージェンヌ・フッシュ( Eugène Fuchs)は、グラースの土地と、18世紀ロココ美術を称え、その名前を付けたのです。フラゴナール香水歴史工場の程近くにある「フラゴナール美術館(Villa Musée Fragonard)」では画家フラゴナールのロココ絵画を楽しむことが出来ます。
フラゴナールの商品の特徴は、キツ過ぎないナチュラルな香りに、鮮やかな色彩の、洗練されたパッケージ!フラゴナール工場併設のブティックでは、香水はもちろん、石鹸、キャンドル、雑貨等、南仏のエレガントな香りをギュっと凝縮したような秀逸アイテムが溢れています。バラマキ土産にちょうど良い、小さな練り香水の詰め合わせは特に人気です。
日本未入荷の南仏のエッセンスを、是非フラゴナール・ブティックでゲットしちゃいましょう!
写真:Hiroko M
地図を見るフラゴナールで見学とショッピングを楽しんだら、グラースの街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。香水の街と言うだけあり、石鹸、ポプリ、ドライフラワー等、とにかく香りに関するショップや博物館で溢れています。そして、是非立ち寄っていただきたいのが、旧市街の風情ある小道を抜けたところにある、ノートルダム・デュ・ピュイ大聖堂(Cathédrale Notre-Dame-du-Puy de Grasse)。大聖堂の中にはルーベンスやフラゴナールの絵があり、一見の価値ありです。そして特におすすめは、大聖堂前の広場。グラースの街が一望できる絶景スポットなのです!
南仏のニースやカンヌでのんびりするのも良いですが、少し足を延ばしてグラースへ是非立ち寄ってみてください。旧市街の街並み、香水産業の歴史、ショッピングが楽しめる、大満足なひと時を過ごせることでしょう!
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(2023/11/30更新)
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