岡城址は海抜325mの天神山を天然の要害として利用して築城しており、豊後竹田の中心街からは、車で5分、徒歩で30分以上と、やや離れた立地になります。山城ということで、必然的に城址にたどりつくまで上りが続くことになりますが、途中までは車やバスでアクセスすることができますのでご安心を。
入場料を払うと、入場券ならぬ「登城手形」と、なにやら隠密への指令でも書いてありそうな、立派な巻物をいただけるという心ニクイ演出です。
巻物には城郭の様子を描いた絵図と、等高線に囲まれた配置図が載っていて、壮大なお城の様子を想像の中で再現する手助けをしてくれます。
入場料の徴収所からすぐに入り口…ではなく、大手門までもさらに数分歩くことに。なんといってもこちらのお城の総面積は100万平米。東京ドームの22個分に相当するそうです。
但馬の竹田城が「臥虎城」と呼ばれたのに対して、こちらは「臥牛城」だそうで、呼び名からもスケールの大きさが伝わります。
大手門に続く石段の入り口付近は、とても風情があります。石段は、始めはゆるやかな上りですが、途中から少し段差が大きくなり、一番険しいところでは、山登り?と思うような箇所も。雨で濡れている時などは石段が滑りやすくなりそうなので、ご注意ください。
岡城址の最大の見どころは、なんと言ってもこちら、三の丸の高石垣です。
地獄谷と呼ばれる険しい谷に面した見上げるばかりの石垣で、工作機械もない時代に、どうやってこの石を積んだのだろう?と目を見張ってしまいます。
もともと山上に立地しているのに、守りにここまで手をかけていれば、「難攻不落」と言われたのも納得。そんな石垣の防御機能も素晴らしいですが、歳月を経た重厚感と美しさにも、見惚れるばかりです。
いよいよ本丸目前の二の丸。ここからは彼方に九重連山を望めます。本当に山に登った時に見るような景色で、早くも達成感が。
そしてこちらでは、幼少時代を竹田で過ごした滝廉太郎の銅像が迎えてくれます。多くの人が知っている「荒城の月」は、岡城址をイメージして作曲されたそうで、憂いをおびた曲調は、まさにぴったりの雰囲気。
ちなみに、この曲の作詞をした土井晩翠は、仙台城・会津若松城からイメージを得ていたそうで、複数の城のコラボレーションからひとつの曲が出来上がっているなんて、興味深いですね。
城址を散策していると、どこからか「荒城の月」のメロディーが聴こえてきます。本丸跡までやってきてもそれらしい音響設備がないので不思議に思っていると、なんとこのメロディーの発信源は、眼下に見える道!
城址の崖下を通る国道502号は「メロディロード」と呼ばれる特別の舗装がしてあり、車が法定速度で走行すると、曲を奏でるという仕掛けになっています。この国道から見上げる岡城址もなかなかの迫力です。
ちなみに豊後竹田市内の国道57号では、同じく滝廉太郎作曲の「花」が聴けるそうですので、お時間に余裕のある方はメロディロードのハシゴなどいかがでしょう。
「荒城の月」のイメージ通りを狙うなら、冬枯れの時期か夏草の茂った時期がしっくりきますが、岡城址は桜と紅葉でもかなり有名。「日本さくら名所百選」にも選ばれているほどです。
いつ訪れても、その季節ならではの良さが味わえるのはうれしいですね。
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