真っ赤に燃える炭。立ち上る煙。漂う香ばしい香り。味のある京風民家の店頭で、これみよがしにお餅を焼いているのは、どちらのお店も女性たち。両手いっぱいに竹串を持ち、団扇をバタバタさせながら焼き続けています。焼きあがったお餅は店内へ運ばれて味付け。おばちゃんたちの手が休まることはありません。
小指大のお餅にきな粉をまぶして焼いたあぶり餅は、白味噌だれをたっぷりかけられてお客さんの席へ。どちらも一皿10本500円。温かいお茶と一緒に、かる〜く1皿食べられます。これがまた、甘くておいしいんです。
今宮神社の参道で向かい合う二軒の老舗。神社から参道に出て右側が創業400年の「かざり屋」さん。左側が創業1000年、日本最古の和菓子屋と言われる「一和」さんです。平安時代の創業とは恐れ入りました。いったい何代目なんでしょうね・・・現在の店主は。見た目は限りなく同じなのですが、味には違いがあるみたい。同時に食べ比べたことがないので何とも言えませんが・・・違いを感じてみたい方は、ぜひハシゴしてみてください。ちなみに白味噌だれに使われている白味噌は、それぞれ別のもので、「一和」さんが本田味噌本店、「かざりや」さんが石野味噌。どちらも京都では有名な白味噌のお店です。
ただ、どちらものれんには「元祖」を名乗っています。そして、定休日は同じ曜日。おもしろいですね。不思議と・・・この当たりきちんと協定ができているようです。
平安時代から続く「一和」さんでお土産のあぶり餅を買ってみました! 竹の皮に包んで可愛いピンクの包装紙で包んでもらえます。皮に包んだままレンジで温めればいいだけ。なんとなく可愛い包み方で、お土産に喜ばれそうです。ちなみに、「一和」さんでは3人前からお持ち帰りできます。
京都に春を呼ぶといわれる今宮神社の「やすらい祭」は、疫病が流行るのを鎮めるために平安時代に始まったお祭りです。厄落としに効き目があると言われ、毎年たくさんの人で賑わいます。鞍馬の火祭り、太秦の牛祭りと並んで「京都三奇祭」に数えられています。
花が咲く時期に花びらが散っていくと、同時に疫病が流行るので、花の精をなぐさめようと始められたお祭り。「やすらきたる やすしや 花や咲きたるや やすらい花や〜」のお囃子が町中に響きます。
あぶり餅は「やすらい祭」とともに歴史を重ねてきたのです。なんと、あぶり餅を食べると厄よけのご利益があるとも言われています。さて、どちらのお店でご利益をいただきましょうか?
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(2023/11/28更新)
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