写真:村井 マヤ
地図を見る「源氏巻(げんじまき)」は、きつね色に焼いたカステラのような薄い生地に餡を包んだ長方形のお菓子です。餡は伝統的に小豆を煮詰めた豆沙餡ですが、最近では様々な餡があります。源氏巻の発祥には諸説ありますが、どうも巷でも似たようなお菓子が作られており、津和野ではポピュラーなお菓子だったようです。
幕末に藩の御用菓子司が銘名を頂くため、このお菓子に紫色の餡を詰め込んで、藩主に献上しました。この際、藩主の妻が紫色の餡に感動し、『源氏物語』の「若紫」に出てくる和歌「手に摘みていつしかも見ん紫の根に通ひける野辺の若草」を詠んだのが由来とか。それにあやかって「源氏巻」と名付けられたそうです。このお話も諸説あるエピソードのうちの一つ。
*写真は、明治18年創業の有限会社山田竹風軒本店の様子。お店を新装開店されたので、店構えは新しいけど歴史ある老舗のお菓子所です。
写真:村井 マヤ
地図を見る源氏巻の誕生のエピソードは他にもあります。
江戸時代元禄期の津和野藩亀井家の3代目藩主であった亀井茲親が勅使の接待役を任せられました。これは、のちに浅野匠守も命じられた役。茲親は指南役の高家の吉良義央(吉良上野介のこと)に教えを請いましたが、教えることもなく逆に愚弄したため、茲親は吉良を切ろうと決心しました。そこへ藩の家老であった多胡真蔭がこれを知り、小判をカステラの様な平たい生地に包んで吉良上野介に進上して機嫌を取り、茲親に対して勅使の接待の方法を伝授させ、結果的には藩に騒動が起こるのを阻止したというお話。
ただし、このお話はあとで創作されたという話もあるので逸話の一つだと思って下さいね・・。これを記念して藩では小判の代わりに餡を包んだお菓子を、藩の危機を救った縁起物として扱うようになったということです。
現在津和野町には、源氏巻を扱うメーカーが10軒余り存在し、それぞれにその味も違います。お店巡りをして自分の好きな味を模索してもいいでしょう。源氏巻は、びっくりするような値段ではないので、お土産として何本か買われてもいいのでは♪(山田竹風軒さんでは、1本270円前後:通常の粒餡タイプ)。
*下の写真は、有限会社竹風軒本店の店内にある「菓子小売営業免許鑑札」や源氏巻の包装紙に押された絵柄版(ハンコみたいなもの)。
写真:村井 マヤ
地図を見る店内には、昔使っていた落雁の木型などが芸術品のように飾ってあります。どこかしこに老舗の風情が残っており、かつ清潔な店内は居心地が良い雰囲気・・。店内の片隅には椅子とテーブルがあり、源氏巻の試食とお茶も頂けるので、味見されたい方は遠慮なく申し出られるとよろしいでしょう。
写真:村井 マヤ
地図を見るこちらのお店では、源氏巻の手焼き体験もできます。3月から11月の土日祝日11時から15時まで、先着順で体験できるとのこと(詳細は下記MEMO竹風軒HPで)。なかなか、出来ない体験ですので、時間に余裕があれば、是非試してみて下さい。楽しい旅の思い出になりそうです。なお、上記の日時以外は要予約!
また、工場見学もできるので、興味のある方はHPの問い合わせ先に確認してくださいね。
写真:村井 マヤ
地図を見る源氏巻の種類も数多く出てはいますが、オーソドックスな粒餡は是非食べてみたいもの。お店を何軒かはしごして源氏巻の食べ歩きや、お店ならではのお菓子に出会えるのも、楽しいのではないでしょうか。源氏巻と一緒にお店の新商品も味わってみるのもいいでしょう・・。写真の 「番紅花(さふらん)」は、竹風軒さんの新商品!お菓子の名前は、森鴎外の作品からつけられています。こちらもおススメですよ。可愛いパッケージも素敵ですよね♡
津和野城下町ぶらり散策は、ゆっくり時間をかけて徒歩か自転車で。和菓子以外には、江戸時代から続く造り酒屋で飲み比べしながら歩くのも良いでしょう。津和野には、美味しいものが沢山ありますが、「源氏巻」は外せませんよ・・(#^.^#)
歴史ある街並みのあちこちに「源氏巻」の名前がちらほら、ぜひとも素朴な和菓子屋巡りを楽しんで下さいね・・。
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(2024/10/6更新)
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